アニメ『ムーミン(第1作)』の最終回ってどうだった?
2021年5月2日 更新

アニメ『ムーミン(第1作)』の最終回ってどうだった?

子供のときに観てたけど、最終回ってどんなだったっけ?そんな作品ってけっこうありますよね。そんな方のために、最終回のあらすじをお届けします。これであなたも思い出せるはず?『ムーミン(第1作)』はこんな感じでした。ねえムーミン、こっちむいて!

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『ムーミン(第1作)』

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レーザーディスクVOL.1のジャケット
制作:東京ムービー(第26話まで)、虫プロダクション(第27話から)、フジテレビ
放送期間:1969年10月5日から1970年12月27日
放送時間:日曜19:30から20:00
放送局:フジテレビ系列
放送話数:全65話
主題歌:「ムーミンのテーマ」藤田淑子

スタッフ

原作:トーベ・ヤンソン
チーフディレクター:りんたろう(第27話から)
脚本:藤川桂介(最終回担当)ほか
演出:石黒昇(最終回担当)ほか
美術監督:半藤克美(第27話から)
音楽:宇野誠一郎

キャスト

ムーミントロール:岸田今日子
ムーミンパパ:高木均
ムーミンママ:高村章子

ノンノン:武藤礼子
スノーク:広川太一郎

ミイ:堀絢子
ミムラ:荘司美代子

スニフ:富田耕生
ヘムル署長:北村弘一
ヘムレン:雨森雅司
ジャコウネズミ:八奈見乗児

モラン:滝口順平

スナフキン:西本裕行

『ムーミン(第1作)』とは

ムーミン谷に暮らすムーミントロールと、小説家であるムーミンパパ、優しいムーミンママ、友達のスニフやガールフレンドのノンノンたちとの生活を描いた、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの小説を原作としたアニメ。

『ムーミン(第1作)』の最終回

第65話「おやすみムーミン」

ムーミンのナレ―ション「僕たちのムーミン谷に雪が降り出して1週間になります。積もった雪が、もう家の窓を越えました。この頃になると僕はとても憂鬱になるんです」

このあと行われる『おやすみパーティ』の前に、本棚の整理をしているムーミンパパ。
パパ「なに?憂鬱だって?」
ムーミン「うん。本当は冬眠なんかしたくないんだ」
笑いながらパパは言う。
パパ「そんな無茶を言うもんじゃありませんよ」
我々が冬眠をするのは生きて行くための知恵なのだと諭す。パパはとても嬉しそうで、それは冬の間このムーミン谷を冬の生き物たちに開放できるからだ。

みんなに会えなくなるのが寂しいともらすムーミンをパパは笑う。
パパ「会えないと言っても100日100晩じゃないか。またすぐ春がやってくるさ」

屋敷の壁紙を張り替えているムーミンママ。
ママ「どう?ムーミン?暖かな感じがするでしょう。これで楽しい冬眠ができるわよ」

その頃、スナフキンはテントの中で手紙を書いていた。やってきたモランに、書き終わったたくさんの手紙が入った鞄を渡す。毎年モランは手紙の配達をしているのだった。

モランはムーミンにその手紙を配達した。それをママに見せる。
ママ「いよいよ彼もムーミン谷を出る時が来たのね…」
ムーミンはその手紙を読んだ。
ムーミン「ムーミン。私はまた南の国に向って出発します。君たちの100日の冬眠が終わって春の日差しが深い雪を溶かし始める頃、誰よりも早く帰って来ます。それまでさよなら。おやすみ」

モランはノンノンの家にも配達した。ヘムレンの家にも。ミイの家にも。
ノンノンは兄のスノークと一緒に、ムーミン屋で行われている『おやすみパーティ』にやって来た。遅れて来たので、谷中のみんながすでに集まっている。ノンノンのリボンを綺麗だと褒めるムーミン。

ヘムル署長はジャコウネズミの洞窟にやってきた。『おやすみパーティ』に誘いにきたのだが、春になればまた会えるのだから「無駄」だとジャコウネズミは言う。

パーティにてパパの挨拶。
パパ「諸君。私たちはまた冬眠する時を迎えました。100日100晩のお別れですな。1年間、親しくお付き合いした楽しい思い出をぎっしり胸に抱いて、花が咲き鳥が歌い太陽の光りがムーミン谷に踊る日を楽しみに静かに眠りにつこうではありませんか」

乾杯しようというときヘムル署長が戻ってきた。ジャコウネズミに声をかけたが「無駄」だったと言う。それはジャコウネズミの口癖だった。笑う一同。

ムーミン「おやすみ、みなさん」
一同は乾杯した。それを窓の外から悲しそうな顔で眺めているモラン。

パーティはお開きになった。帰る一同を見送っているムーミン一家。
ノンノン「ムーミン、おやすみ」
ムーミン「おやすみ、ノンノン」
ノンノン「あたしずっとムーミンのこと考えて冬眠するわ」
ムーミン「僕だってノンノンのこと決して忘れな…」
そのふたりの間をミイが邪魔した。
ミイ「そんなにミイをのけ者にするなら、夢の中まで割り込んであげますからね!」
笑って、おやすみと言ってミイも去る。

住人たちを見送ったムーミン一家。スナフキンのギターの音と歌が聞こえてくる(スナフキンのうた)。

ムーミン「あーあ、みんな寝てしまうんだね」
パパ「そしてもうすぐ冬の生き物たちがやってくるのさ」
ママ「さあ、ムーミン。おやすみしましょう」

ムーミンが屋敷へ入ろうとした時、振り返るとモランがいた。
ムーミン「モラン、これからは君たちの世界だね。おやすみ」
モラン「おやす…」
ムーミンは最後まで聞かず駆け去ってしまう。寂しそうなモラン。

ベッドの中で目を閉じて眠れるよう子豚の数をかぞえているムーミン、新聞を読んでいるパパ。
ママ「さあ、あかりを消しますよ」
パパは新聞を置き、パイプを乗せた。その横に帽子を置く。

ムーミン屋敷からあかりが消えた。それを外で見ているモラン。大きなため息。

ロウソクをスニークが消してノンノンたちも眠りについた。ヘムレンもスニフ、ミイ一家も。寂しそうなモラン。

スナフキンが旅立とうとしていた。それに声をかけるモラン。
モラン「スナフキン、もう行くの?」
スナフキン「来年の春まで、さようなら」
三日月が浮かぶ雪原を、泣きながら歩いているモラン。そこへ雪の上を跳びはねてムーミンがやってくる。
ムーミン「会いたかった、会いたかったんだよ、モラン!」
抱き着くムーミン。
ムーミン「さあ遊ぼうよ。さびしかっただろう、モラン?」
跳びはねてノンノンも現れる。
ムーミン「ノンノン、君もか。さあおいで、一緒に踊ろうよ。さあ」
手を取り合って輪になる3人。

スニフとミイも駆けてきた。
ムーミン「なにして遊ぼうか」
ノンノン「あたし、この雪を溶かすわね!」
ノンノンはくるくると回った。すると雪が消える。

ムーミン「よおし、僕が花を咲かせよう。そーれ!」
くるくると回ると、周囲に花が咲いた。ムーミン谷に花が咲いていく。喜ぶ一同。


ミイ「今度はミイが小鳥を呼んできてあげるわね」
くるくる回ると、小鳥が飛んできて木にとまった。

スニフもくるくると回り、蝶を呼ぶ。

モラン「ムーミン、あなたがたいつからこんなことができるようになったの?ねえ、教えて」
しかし駆けだしたムーミンたちは軽々とジャンプして、高い木の枝に飛び乗る。
ムーミン「モラーン!おいでよー!」
モランも木を登ろうとするができない。笑う一同。そして笑いながらムーミンたちは消えて言った。

モランは雪の中にいた。そこには誰もいない。ただ三日月が浮かび、風で雪が舞っている。涙を流す。

その頃スナフキンは、おさびし山の上にいた。振り返り、谷を眺めて言う。
スナフキン「さよなら、ムーミン谷。また来年の春、暖かい日差しと共々に私を迎えておくれ」
片手を上げて言う。
スナフキン「おやすみー!ムーミン谷ー!」
背を向けて去って行く。

おさびし山が額縁の中の絵になり、その本が閉じられようとするとムーミンの声。
ムーミンの声「あ、ちょっと待って!来年の春になったら、みんなまた来てよね。一緒に遊ぼうよ」
ベッドで寝ているムーミンの姿。本が閉じられる。

エンディング。
ムーミン「ムーミン。岸田今日子、だったんだ」
それぞれのキャラクターが声を担当した自分の名前を紹介しながら、浮かんでは消えていく。

その後の『ムーミン(第1作)』

第26話まで制作は東京ムービーが担当し、第27話からは虫プロが担当しました。原作者からの不満があって交代したと言われていますが、そもそも最初から2クール制作の約束だったという説が信憑性が高いように思います。
この1969年版とも呼ばれる第1作のあと、1972年から同じく虫プロによって第2作が制作されました。「新ムーミン」とも呼ばれたりします。
そしてこのふたつを合わせて「昭和ムーミン」とも呼びます。

大きく飛んで1990年からテレビ東京系列にて『楽しいムーミン一家』が放送されました。
全104話で、第79話からは『楽しいムーミン一家 冒険日記』というタイトルに変更されています。
こちらはトーベ・ヤンソンと弟のラルス・ヤンソンがキャラクターとストーリーを監修していました。

ミドルエッジ世代ではムーミンの声と言えば岸田今日子、という方が大半だと思いますが「昭和ムーミン」はVHSとLDでソフト化されたのみで、現在は放送もされていません。
これはムーミンの権利者の意向だということです。
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