アサヒ『PF21』プロテインという単語を世に広めた清涼飲料水
2017年2月2日 更新

アサヒ『PF21』プロテインという単語を世に広めた清涼飲料水

1989年に登場し、馴染みの薄かった「プロテイン」という言葉を世に広めた清涼飲料水『アサヒ PF21』。 当時の懐かしいCM映像や、いまだに誤解の多い「プロテイン」の効果について詳しく解説。

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アサヒの高純度プロテイン飲料『PF21』

1989年(平成元年)3月に発売開始された高純度プロテイン飲料『アサヒ PF21』。
テレビCMなどの積極的なプロモーションによって、当時は馴染みの薄かった『プロテイン』を世に広めた。

発売開始時の社名は、アサヒビール飲料製造株式会社であったが、1996年にアサヒ飲料株式会社に変更されている。
ASAHI PF21(ピーエフ21)

ASAHI PF21(ピーエフ21)

『脂肪分ゼロの高純度プロテイン飲料』というのがウリであった。
キャッチフレーズは「体をデザインする。」
現在では『プロテイン=マッチョな男性が飲むもの』との印象を持つ人も多いが、『PF21』は体型を気にする20~30代の女性をターゲットとし、ライトパープル(薄紫)のシンプルなパッケージであった。

懐かしい『PF21』のテレビCM

まだ『プロテイン』という言葉に馴染みが薄く、医薬品ではないので効果・効能を謳えないため、CMでの訴求にはかなり苦心したものと思われる。

【動画】アサヒPF21 テレビCM

OL向けの訴求をメインにしたCM。
ナレーションは『しっかり食べて、ちゃんと飲む。これが新しいプロテイン・フィットネス。
脂肪分ゼロのプロテイン飲料PF21。』

【動画】アサヒPF21 テレビCM

「男も女もプロテイン・フィットネス」と男性も意識した内容に変化。
まったく関係ないが、改めて映像を見ると女性の水着がビックリするぐらいのハイレグである。
テレビCMにより『プロテイン』という言葉自体は知名度を上げることに成功。

しかし、
プロテインとは何なのか?
プロテインを摂取することでどのような効果が見込めるのか?
そういったことは全く伝わらなかった。

脂肪分ゼロのフレーズから、痩せるためのダイエット飲料と勘違いする人も多くいた。

【動画】アサヒPF21 テレビCM

フィットネスやトレーニングするシーンを盛り込み、「出るとこ出っ張れ、キレイに引っ込め」と運動効果を促進するような印象を与えるCMに変更された。

結局、プロテインとは何なの?

プロテインとはタンパク質のことである。
飲料やサプリで「プロテイン」と表現されているものは、主に運動後の筋肉修復を補助する目的のタンパク質を主成分とするプロテインサプリメントである。

タンパク質は、人間にとって最も大切な三大栄養素の一つでもあり、筋肉や臓器、皮膚・爪・髪など体のあらゆる組織を構成してくれる成分で、肉や魚、大豆や乳製品など多くの食品に含まれている。

トレーニングやフィットネスなどの運動効果を高めるためには、損傷した筋肉を修復しなければならないが、この時に必要になるのがタンパク質である。

しかし、肉類など高タンパク質な食品は脂肪分も一緒に含んでいる事が多いので、タンパク質を補給しようと肉類をたくさん食べていると脂肪の摂り過ぎで肥満に…という逆効果も起こり得る。

そこで、生まれたのがプロテイン飲料やプロテインサプリメントである。
プロテインは高タンパクでありながら、含まれる脂肪分はゼロもしくはわずか。
さらに短時間で消化吸収できるように調整されている。

つまり、余計な栄養を摂らずに、必要なタンパク質を効率よく補給できるので、スポーツやトレーニングなど運動した努力を無駄にしないというのがプロテインなのである。

プロテインの誤解1:飲めばムキムキのマッチョになる

プロテインサプリメント自体は単なる「高タンパク食品」であり、薬物的な筋肉増強効果はない。
アスリートやボディビルダーはトレーニングの後に損傷した筋肉の修復の為に多くのタンパク質を必要とする。
そのため、脂肪分をあまり摂らずにタンパク質を効率的に摂取するためにプロテインが愛用されている。

タンパク質を摂取し修復された筋肉は場合によって肥大し、筋力が上昇する可能性が出るが数ヶ月~数年といった長期にわたって継続することで初めて効果が期待できる。
だが、トレーニングを行わない一般人が単にプロテインを摂取しても筋肉が増加するわけではない。

プロテインの誤解2:飲めば痩せてスリムになる

トレーニングを通じて筋肉量を増やし、基礎代謝を増加させる目的でプロテインが利用されることもある。
しかし、運動やトレーニングをしていない人が、通常の食事に加えてプロテインを摂取するのは、普段の食事量が増える事と同じであり、むしろ肥満に繋がりやすい。

ダイエット目的の場合は、肉や魚などの食事に置き換えてプロテインを摂取する必要がある。
現在では食事置き換え用にプロテイン主成分のダイエットサプリが各社から発売されている。

DHC プロティンダイエット 50g×7袋入

2,318
カラダに欠かせない栄養素を補給しながらカロリーコントロールでき、おいしく満足感たっぷりに仕上げたダイエットドリンク。
1袋で1回の食事に必要なたんぱく質、22種類のビタミン・ミネラル、さらにコエンザイムQ10、ヒアルロン酸、食物繊維 等、キレイとダイエットをサポートする成分を積極的に配合しました。
1日3食のうち1食または2食を食事の代わりにお召し上がりください。
コーヒー牛乳味2袋、いちごミルク味2袋、ココア味3袋の計7袋入り。

もう一度発売して欲しい『PF21』

それまで馴染みのなかったプロテインを世に広めて、多くのアスリートやボディビルダーに愛用される土台を作ったとも言えるPF21。
しかし、抽象的な宣伝内容でプロテインに対する誤解を残した面も否めない。

健康やダイエットに対する関心が90年代よりもはるかに高い今であれば、もっと『PF21』も正しく評価されていたのかもしれない。

学生時代、部活に勤しんでいた私はプロテインの効果を知っていたので、部活の前後にこの『PF21』をよく飲んでいた。
ちょっと薄くのっぺりとした味は仲間たちには不評であったが、私は必要以上に甘いスポーツドリンクなんかより断然『PF21』の方が好きだった。

現在国内では、明治製菓の「ザバス」ブランドや森永製菓の「ウイダー」ブランドがプロテインサプリメントの主流であるが、『PF21』での経験を活かしアサヒにはもう一度プロテイン飲料に挑戦してほしい。
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