『どろろ』
※第14話から『どろろと百鬼丸』に改題。なお本記事で扱うのは1969年版で、2019年版ではない。
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制作:虫プロダクション、フジテレビ
放送期間:1969年4月6日から1969年9月28日
放送時間:日曜19:30から20:00
放送局:フジテレビ系列
放送話数:全26話
主題歌:「どろろの唄」藤田淑子
放送期間:1969年4月6日から1969年9月28日
放送時間:日曜19:30から20:00
放送局:フジテレビ系列
放送話数:全26話
主題歌:「どろろの唄」藤田淑子
スタッフ
原作:手塚治虫
総監督:杉井ギサブロー
演出:北野英明(最終回担当)ほか
脚本:鈴木良武(最終回担当)ほか
作画監督:北野英明、上口照人
美術監督:槻間八郎
音響監督:田代敦己
音楽:富田勲
総監督:杉井ギサブロー
演出:北野英明(最終回担当)ほか
脚本:鈴木良武(最終回担当)ほか
作画監督:北野英明、上口照人
美術監督:槻間八郎
音響監督:田代敦己
音楽:富田勲
キャスト
『どろろ』とは
室町時代中頃が舞台。身体の48箇所の部位を妖怪に取られた百鬼丸と、子供の泥棒どろろのふたりが主人公。百鬼丸は自分の身体を取り戻すため妖怪を倒す旅を続け、百鬼丸の持つ刀が欲しいどろろがそれに同行する。
手塚治虫の漫画『どろろ』が原作。ただし原作とは結末等が大きく違っている。
手塚治虫の漫画『どろろ』が原作。ただし原作とは結末等が大きく違っている。
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『どろろ』の最終回
第26話「最後の妖怪」
縄で縛られ馬に引かれている農民たち。
どろろ「兄貴!馬に乗った侍がこっちへ来るぜ」
侍「どけどけどけどけ!どかんと踏み殺すぞ!」
侍たちは行ってしまった。
どろろ「ちくしょう!なんてことしやがるんだ」
百鬼丸が止めるが、どろろはそれを追いかけて行く。
村に着いた侍は、集まった農民に言う。
侍「お上に楯つかんとするものはこの通りだ。もはや貴様らの一揆の企みはばれたも同然。
貴様たちの中にも一揆に加わっているものがいるはずだ。おとなしく縄につけい!」
農民のひとり「お侍様。わしらがご領主様に盾つくなどとんでもねえことですだ」
侍「どうしても言わぬのなら、その気を起こさせてやるまでだ。それえ!」
ふたたび馬で、農民たちを引き回す。
人垣の中からどろろが顔をした。
どろろ「ちくしょう、なんてひでえことしやがるんだ。野郎!黙って見ていられるかい」
その肩を百鬼丸がつかんだ
百鬼丸「どろろ、よせ」
子供が泥玉を投げる。それは馬の顔に当たった。怒った侍は、その子供を切る。子供に駆け 寄る母親。
侍の振り上げた刀が弾き飛ばされた。百鬼丸が自分の右手を投げたのだ。
百鬼丸「蛆虫どもめ」
右手に仕込まれた刀で侍をふたり切り、逃げた侍も刀を投げて倒した。
母親が子供を抱いて泣いている。
どろろ「なにも子供まで切らなくたって…」
百鬼丸に村人は、ここに残って欲しい、腕を借りたいと言う。村にはたくさんの刀が隠されていた。一揆の企みは本当だったのだ。
どろろ「兄貴、一緒に残ろうぜ。残って憎い侍野郎をぶっ飛ばしてやるんだ」
百鬼丸「俺には侍よりもっと憎い敵がいる。そいつらを倒すのが俺の、俺の定めだ」
どろろ「兄貴!」
百鬼丸「お前はこの村に残れ。お前とはそろそろ別れる時がきたようだ。俺みたいな風来坊についているより、この村に残ってみんなの役に立ってやれ。いいな」
どろろ「それじゃあ、兄貴は…」
百鬼丸「俺と別れた方がお前にとって幸せかもしれねえ」
百鬼丸「どろろ。元気でやれよ。俺も化け物を退治し終わったら、また戻ってくるからな」
どろろ「きっとだぜ、兄貴!男と男の約束だ、守ってくれよな」
去って行く百鬼丸。
百鬼丸「男と男の約束か…」
どろろ「兄貴!馬に乗った侍がこっちへ来るぜ」
侍「どけどけどけどけ!どかんと踏み殺すぞ!」
侍たちは行ってしまった。
どろろ「ちくしょう!なんてことしやがるんだ」
百鬼丸が止めるが、どろろはそれを追いかけて行く。
村に着いた侍は、集まった農民に言う。
侍「お上に楯つかんとするものはこの通りだ。もはや貴様らの一揆の企みはばれたも同然。
貴様たちの中にも一揆に加わっているものがいるはずだ。おとなしく縄につけい!」
農民のひとり「お侍様。わしらがご領主様に盾つくなどとんでもねえことですだ」
侍「どうしても言わぬのなら、その気を起こさせてやるまでだ。それえ!」
ふたたび馬で、農民たちを引き回す。
人垣の中からどろろが顔をした。
どろろ「ちくしょう、なんてひでえことしやがるんだ。野郎!黙って見ていられるかい」
その肩を百鬼丸がつかんだ
百鬼丸「どろろ、よせ」
子供が泥玉を投げる。それは馬の顔に当たった。怒った侍は、その子供を切る。子供に駆け 寄る母親。
侍の振り上げた刀が弾き飛ばされた。百鬼丸が自分の右手を投げたのだ。
百鬼丸「蛆虫どもめ」
右手に仕込まれた刀で侍をふたり切り、逃げた侍も刀を投げて倒した。
母親が子供を抱いて泣いている。
どろろ「なにも子供まで切らなくたって…」
百鬼丸に村人は、ここに残って欲しい、腕を借りたいと言う。村にはたくさんの刀が隠されていた。一揆の企みは本当だったのだ。
どろろ「兄貴、一緒に残ろうぜ。残って憎い侍野郎をぶっ飛ばしてやるんだ」
百鬼丸「俺には侍よりもっと憎い敵がいる。そいつらを倒すのが俺の、俺の定めだ」
どろろ「兄貴!」
百鬼丸「お前はこの村に残れ。お前とはそろそろ別れる時がきたようだ。俺みたいな風来坊についているより、この村に残ってみんなの役に立ってやれ。いいな」
どろろ「それじゃあ、兄貴は…」
百鬼丸「俺と別れた方がお前にとって幸せかもしれねえ」
百鬼丸「どろろ。元気でやれよ。俺も化け物を退治し終わったら、また戻ってくるからな」
どろろ「きっとだぜ、兄貴!男と男の約束だ、守ってくれよな」
去って行く百鬼丸。
百鬼丸「男と男の約束か…」
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一揆が始まった。むしろの旗の下、竹槍や鎌で戦っている農民たち。
一方、百鬼丸も妖怪たちとの戦いを繰り広げていた。
巨大なわらじの妖怪を倒し、巨大な貝の妖怪を倒し、巨大な蟻地獄のような妖怪を倒す。
雪の中で戦っている百鬼丸。屋根の上にはヌエ(身体は虎、顔は猿、尾は蛇の妖怪)がいる。
百鬼丸「お前でいよいよ47匹めだ!いくぞ化け物」
倒した百鬼丸。
百鬼丸「あと1匹、あと1匹で俺の身体は人並みになる…。どこだ、どこにいるんだ。最後に残った48匹めの妖怪め。どこだ」
そこへ笑い声。雪の中に浮かび上がる侍の姿。
醍醐景光「ふふふふ。百鬼丸、覚えているか。わしだ、お前の父、醍醐景光だ」
百鬼丸「言うな!俺には寿光という立派な医者の父がいる!」
笑い声と共に消え、代わりに老婆が現れた。老婆は、48匹目の妖怪が父親であることを教える。人間の魂を妖怪に売り、百鬼丸から48箇所の身体の部位を奪ったのも父親なのだった。
うずくまる百鬼丸。妖怪を倒したことで、右手が戻ってきた。雪の中を歩き出す。
醍醐景光の屋敷。農民たちの死体が積まれ、後ろ手に縛られた農民たちが座らされている。景光は部下に命じ、農民たちを皆殺しにした。
牢屋に捕らえられた農民たち。その中にどろろもいる。
どろろ「兄貴、はやく戻って来てくれよ。もたもたしていると、おいらたちみんなあの景光に殺されちゃうよ…」
一年ぶりに村に戻ってきた百鬼丸。
瀕死の農民から、領主である醍醐景光が乗り込んできたことを知らされる。
百鬼丸は堂々と景光の屋敷に乗り込んだ。
景光「百鬼丸、いまさら何用があって参ったのじゃ」
百鬼丸「あんたに仕官をしようと思って戻ってきた。俺を使ってくれ」
その証を見せろと言う景光。どろろが連れて来られた。
景光「そやつを切ってみろ!仕官する気があるなら、わしの命令がきけるはずだ」
百鬼丸「…俺は女子供を切る刀など持っていない」
怒り、百鬼丸の顔を何度も扇子で打つ景光。それを止めたのは奥方である縫の方だった。
縫の方「この子は、私たちの子ではありませぬか!」
このような息子はいない、と言う景光。
縫の方「この子の身体を魔物に与えたのはあなたではありませんか!あなたには人間として、親としての心がないのですか!」
景光「貴様、このわしに意見する気か!」
乱心した景光は縫の方を切った。そして部下を切りながら走り去る。
一方、百鬼丸も妖怪たちとの戦いを繰り広げていた。
巨大なわらじの妖怪を倒し、巨大な貝の妖怪を倒し、巨大な蟻地獄のような妖怪を倒す。
雪の中で戦っている百鬼丸。屋根の上にはヌエ(身体は虎、顔は猿、尾は蛇の妖怪)がいる。
百鬼丸「お前でいよいよ47匹めだ!いくぞ化け物」
倒した百鬼丸。
百鬼丸「あと1匹、あと1匹で俺の身体は人並みになる…。どこだ、どこにいるんだ。最後に残った48匹めの妖怪め。どこだ」
そこへ笑い声。雪の中に浮かび上がる侍の姿。
醍醐景光「ふふふふ。百鬼丸、覚えているか。わしだ、お前の父、醍醐景光だ」
百鬼丸「言うな!俺には寿光という立派な医者の父がいる!」
笑い声と共に消え、代わりに老婆が現れた。老婆は、48匹目の妖怪が父親であることを教える。人間の魂を妖怪に売り、百鬼丸から48箇所の身体の部位を奪ったのも父親なのだった。
うずくまる百鬼丸。妖怪を倒したことで、右手が戻ってきた。雪の中を歩き出す。
醍醐景光の屋敷。農民たちの死体が積まれ、後ろ手に縛られた農民たちが座らされている。景光は部下に命じ、農民たちを皆殺しにした。
牢屋に捕らえられた農民たち。その中にどろろもいる。
どろろ「兄貴、はやく戻って来てくれよ。もたもたしていると、おいらたちみんなあの景光に殺されちゃうよ…」
一年ぶりに村に戻ってきた百鬼丸。
瀕死の農民から、領主である醍醐景光が乗り込んできたことを知らされる。
百鬼丸は堂々と景光の屋敷に乗り込んだ。
景光「百鬼丸、いまさら何用があって参ったのじゃ」
百鬼丸「あんたに仕官をしようと思って戻ってきた。俺を使ってくれ」
その証を見せろと言う景光。どろろが連れて来られた。
景光「そやつを切ってみろ!仕官する気があるなら、わしの命令がきけるはずだ」
百鬼丸「…俺は女子供を切る刀など持っていない」
怒り、百鬼丸の顔を何度も扇子で打つ景光。それを止めたのは奥方である縫の方だった。
縫の方「この子は、私たちの子ではありませぬか!」
このような息子はいない、と言う景光。
縫の方「この子の身体を魔物に与えたのはあなたではありませんか!あなたには人間として、親としての心がないのですか!」
景光「貴様、このわしに意見する気か!」
乱心した景光は縫の方を切った。そして部下を切りながら走り去る。

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縫の方「百鬼丸、許しておくれ…」
亡くなる。
百鬼丸「どろろ、この人を丁重に葬ってくれ。俺の、本当の母上だ。おそらく母上は俺以上に苦しみ、つらかったんだろう」
涙を流す百鬼丸。
百鬼丸「どろろ。お前が母親になったら、俺の母親みたいに悲しい親になるな」
百鬼丸は、どろろが女性だと知っていた。
百鬼丸「どろろ。お前は村の人々と一緒に幸せに暮らせ」
走り去る。
お堂。魔神像の前にいる景光。
景光「48匹の魔神よ!いまひとたび、いまひとたびわしが天下を取るための力を貸してくれ!」
景光「このわしの身体をやるぞ!」
魔神たちの笑い声。
魔神「景光。貴様、自分の顔を見たことがあるか?」
景光の身体が不気味な姿に変容する。景光はすでに、魔神たちの道具、操り人形になっていたのだった。刀をめちゃくちゃに振るい、それが燭台を倒す。火が広がる。
不気味な姿になった景光と、現れた百鬼丸が対峙する。
景光「わしを切る気か!お前の親であるわしを切る気か!切れるものなら切ってみろ!」
刀を振り回しながら、百鬼丸に襲いかかる。
百鬼丸「心も魔人にとられた…。あんたは俺の親じゃない!」
百鬼丸は景光を切った。
百鬼丸「お、俺の親父は、俺の親父は、俺を拾って育ててくれた寿光という医者ひとりでいい…ひとりでいいんだ…」
涙を流す。
お堂は燃えて崩れ去った。
どろろ「兄貴ー!」
燃え尽きたお堂にやって来たどろろと農民たち。百鬼丸の姿はない。
百鬼丸(どろろ、達者で暮らせ。俺はもう誰とも会いたくねえんだ。許せよ。約束の刀は渡してやれないが、お前は女だ。刀なんて必要あるまい」
一度だけ振り返り、去って行く百鬼丸。
農民「こらえるんじゃ。いつまでも泣いてなんかいられんぞ」
どろろ「兄貴、おいら村の人たちと一緒に兄貴の分まで幸せになってやるからな」
そこへ子犬のノタがやって来る。
どろろ「あ、ノタ。ノタじゃないか。どこいってたんだ?お前も兄貴がいなくなってさびしいだろうけど泣いたりしちゃいけないよ。どっかでおいらたちを見ている兄貴が悲しむだけだからな」
どろろ「さあ、ノタ。元気にやっていこうぜ!」
走るどろろとノタの姿。
亡くなる。
百鬼丸「どろろ、この人を丁重に葬ってくれ。俺の、本当の母上だ。おそらく母上は俺以上に苦しみ、つらかったんだろう」
涙を流す百鬼丸。
百鬼丸「どろろ。お前が母親になったら、俺の母親みたいに悲しい親になるな」
百鬼丸は、どろろが女性だと知っていた。
百鬼丸「どろろ。お前は村の人々と一緒に幸せに暮らせ」
走り去る。
お堂。魔神像の前にいる景光。
景光「48匹の魔神よ!いまひとたび、いまひとたびわしが天下を取るための力を貸してくれ!」
景光「このわしの身体をやるぞ!」
魔神たちの笑い声。
魔神「景光。貴様、自分の顔を見たことがあるか?」
景光の身体が不気味な姿に変容する。景光はすでに、魔神たちの道具、操り人形になっていたのだった。刀をめちゃくちゃに振るい、それが燭台を倒す。火が広がる。
不気味な姿になった景光と、現れた百鬼丸が対峙する。
景光「わしを切る気か!お前の親であるわしを切る気か!切れるものなら切ってみろ!」
刀を振り回しながら、百鬼丸に襲いかかる。
百鬼丸「心も魔人にとられた…。あんたは俺の親じゃない!」
百鬼丸は景光を切った。
百鬼丸「お、俺の親父は、俺の親父は、俺を拾って育ててくれた寿光という医者ひとりでいい…ひとりでいいんだ…」
涙を流す。
お堂は燃えて崩れ去った。
どろろ「兄貴ー!」
燃え尽きたお堂にやって来たどろろと農民たち。百鬼丸の姿はない。
百鬼丸(どろろ、達者で暮らせ。俺はもう誰とも会いたくねえんだ。許せよ。約束の刀は渡してやれないが、お前は女だ。刀なんて必要あるまい」
一度だけ振り返り、去って行く百鬼丸。
農民「こらえるんじゃ。いつまでも泣いてなんかいられんぞ」
どろろ「兄貴、おいら村の人たちと一緒に兄貴の分まで幸せになってやるからな」
そこへ子犬のノタがやって来る。
どろろ「あ、ノタ。ノタじゃないか。どこいってたんだ?お前も兄貴がいなくなってさびしいだろうけど泣いたりしちゃいけないよ。どっかでおいらたちを見ている兄貴が悲しむだけだからな」
どろろ「さあ、ノタ。元気にやっていこうぜ!」
走るどろろとノタの姿。
その後の『どろろ』
原作『どろろ』では、妖怪を48体倒していないのです。つまり身体の箇所すべてを集める前に終わっているのです。
そういう意味ではアニメ版は「しっかりとした」終わり方だったと言えるでしょう。
ちなみに、どろろが百鬼丸と別れて村人たちと暮らすことになるのは一緒ですが、醍醐景光を殺すという展開でもありません。
2007年には百鬼丸を妻夫木聡、どろろを柴咲コウが演じた『どろろ』という実写映画が作られています。
2019年には『どろろ』というタイトルで再アニメ化。その最終話(第24話)のサブタイトルは、本作改題後のタイトルと同じ「どろろと百鬼丸」でした。

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