玩具の売上不振を打開するため、ウイング・キャリバーからオーラバトラーへの変形を売りにした新主役メカ・ビルバインの投入と、物語の舞台をバイストン・ウェルから現実世界へと移行させ、派手なロボットバトルを前面に打ち出すことなどが決定した矢先、メインスポンサーであるクローバーが倒産してしまった。
急遽、本作のプラモデルを販売していたバンダイがメインスポンサーとなり、新スポンサーにトミー(後のタカラトミー)を迎えビルバインの玩具販売を請け負ってもらうことで、辛うじて打ち切りは免れた。
最終決戦では仮面を脱ぎ捨て、素顔のバーン・バニングスとして白兵戦でショウと刺し違えるという最期を遂げる。
『超攻速ガルビオン』(1984年) 最後の30秒の驚愕のラストシーン。スポンサーのタカトクトイスの倒産により急遽打ち切り、第22話で無理矢理完結させる。
超攻速ガルビオン OP ステレオ
株式会社タカトクトイスは1984年5月25日に1回目の不渡り手形を出し事業停止、負債総額は約30億円にのぼる。これにより会社は解散となった(実質的な倒産)。
倒産時にスポンサーをしていた『超攻速ガルビオン』はタカトク倒産が直接の要因となって22話の終了をもって中途打ち切りになり、同作を制作していた国際映画社も経営危機に陥り、翌1985年に倒産している。
急遽決まった打ち切りだが、既に第22話の作業が進んでいたため大幅な手直しはできず、最後の30秒のみを止め絵とナレーションによる説明に差し替えて物語を無理矢理完結させるという苦肉の策で結末を迎える形となった。
第22話(最終話)「アマゾネス戦士の恋」の最後の30秒のナレーションによる説明
「そしてこの後、サーカスを利用しながらシャドウの仲間を次々と暗殺。遂にシャドウ、いや全地球の権力を握る事になる。しかし邪魔な存在がサーカス。だがヘンリーはこともあろうにレイ緑山を愛してしまった。それが自分を滅ぼす事になるとも知らずに……」
『機動戦士Ζガンダム』(1985年) カミーユ・ビダンは死闘の末、シロッコを撃破するが精神疾患を発症する。視聴者に衝撃を与えた。
カミーユ・ビダンは、シロッコの断末魔の悪意(青い光)まで自分の精神に取り込んでしまう。
シロッコが絶命の寸前に放った断末魔の思念はカミーユの精神を崩壊させた。
カミーユは、シロッコの断末魔の悪意まで自分の精神に取り込んでしまい、ついに精神疾患を発症する。ファ・ユイリィの呼びかけも聞こえず、モビルスーツの爆発を宇宙空間の星々と見間違えて無邪気に喜ぶその姿は常軌を逸していた。
本作の最終回で主人公が精神疾患を発症して終わるという結末は、視聴者に衝撃を与えた。
SMAPの稲垣吾郎は、『快進撃TVうたえモン』でのインタビューで1視聴者として本作の内容に非常に大きくショックを受けた旨を語っている。
また、千原せいじも「ファミ通」内のインタビューで衝撃的だったと発言している。
最終的にカミーユは、戦争を傍観者としてコントロールするシロッコこそ元凶と見て、この戦争で死んでいった人々のためにも討つことを誓い、死んでいった者たちの思念を自分の精神に取り込むことによって、見事シロッコを討ち果たすが、その結末は周知の通りで、大きくなりすぎた自分の力が疲弊した精神を凌駕し、シロッコの断末魔の業想念という最後の一押しによって、精神疾患を発症してしまう。
「いくらカミーユのニュータイプ能力が最も高くても、人間の限界なんてそんなものです。だからカミーユは気が触れるしかないんです」との富野の言葉にあるように、カミーユはその才能のために、テレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』では悲劇的な結末を迎えたことになる。