危険な香りをまき散らすバンドの代表、Jガイルズ・バンド
2016年8月8日 更新

危険な香りをまき散らすバンドの代表、Jガイルズ・バンド

初期のメンバーの面構えを見ると一目瞭然!危険な香りがプンプンするJガイルズ・バンド。触ると火傷をしそうなホットなライブが売りでした。徐々に洗礼されていき、世界的な大ヒットも飛ばすようになりますが、ブレークする前が面白いというバンドの代表格でもあります。

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Jガイルズ・バンド誕生

The J. Geils Band

The J. Geils Band

活動期間:1967年 - 1986年
     1999年・2006年・2009年
J.ガイルズ・バンドといえは、一般的にはやはりこの曲「堕ちた天使」でしょう。
当時はイントロを聞くと題名は知らなくとも誰もが聞き覚えがあるというほど、世界的に大ヒットしました。
因みに、原題の「Centerfold(センターフォールド)」とは「中央見開き、又は折り込みページの(ヌード)写真」の意味で、歌詞は憧れの女性が男性誌の見開きページに載っていることにショックを受けた少年の物語となっています。

J Geils Band - Centerfold

J.ガイルズ・バンドの歴史は長く、ボストンで1968年に結成されました。母体となったのは、1965年頃から活動していたジェローム・ガイルズ(ギター)とマジック・ディック(ブルース・ハープ)、ダニー・クライン(ベース)からなるJ.ガイルズ・ブルース・バンドです。
そこにDJとしても活動していたピーター・ウルフ(ヴォーカル)が参加。さらにスティーブン・ジョー・ブラッド(ドラムス)とセス・ジャストマン(キーボード)が加わって、J.ガイルズ・バンドとして活動を開始します。

デビュー当時の音楽性は先の「堕ちた天使」とは全く違い、簡単に言うとR&B色の濃いロックンロールといったところです。
そのためアメリカのローリング・ストーンズと評されていました。
デビュー! - The J. Geils Band

デビュー! - The J. Geils Band

1970年リリース

【収録曲】
1. ウエイト -
2. アイス・ブレイカー -
3. クルージン・フォー・ア・ラヴ -
4. ハード・ドライヴィン・マン -
5. サーヴズ・ユー・ライト・トゥ・サファー -
6. ホームワーク -
7. ルック・アト・ザ・パース -
8. ホワッツ・ユア・ハリー -
9. オン・ボロウド・タイム -
10. パック・フェア・アンド・スクエア -
11. スノー・コーン
記念すべきデビュー・アルバムは全米195位とセールス的には惨敗でしたが、内容は、これはもう最高のロックンロール、R&B・アルバムに仕上がっています。
アルバムの半分はオーティス・ラッシュ、ジョン・リー・フッカー、アルバート・コリンズ、スモーキー・ロビンソンらのR&B、ブルースのカバー・ソングとなっています。

THE J. GEILS BAND - Wait

デビューのきっかけは、60年代ロックの登竜門であり、いくつもの名演奏が繰り広げられたライブ・ハウス「フィルモア・イースト」での活動です。

フィルモアのオーナー、ビル・グレアムはフィルモアのハウス・バンドとして大事に育て、Jガイルズ・バンド最初のライブの際に以下のようなコメントをしています。
「よく聴け、このバンドはわたしが個人的に招聘したんだ。まだ演奏は聴いたことはないが、このバンドについては良い噂しか聞かされていない。どうやら客席の中には、ブラック・サバスにしか興味がない向きもあるようだ。ブラック・サバスにしか興味がなく、このバンドにチャンスを与えてやるだけの忍耐力は持ち合わせていないというお客さんは、申し訳ないがこの会場から出ていってくれないか?入場券を返してもいいし、半券をわたして、ブラック・サバスの出番に再入場できるようにしてもいい。でもとりあえず静かにして、このバンドにチャンスをやってほしいんだ」

バンドの顔

Jガイルズ・バンドにはバンドの顔が2人います。
1人は、曲と曲の合間にもマシンガン・トークで盛り上げることの出来る、歌って踊れるエンターティナー、ボーカルのピーター・ウルフです。
そしてもう1人は、ブルース・ハープのマジック・ディックです。
もともとピーター・ウルフがいない状態で活動していたわけですから、演奏力は確かでした。中でもマジック・ディックのブルース・ハープは印象的です。
モーニング・アフター - The Morning After

モーニング・アフター - The Morning After

1971年リリース
直系のブルーズ・コピーもあったファースト作と比較すると、ぐっとR&B、ソウル寄りに舵を切ったセカンド作です。彼らの音はブラスを抜いたビッグ・バンドと言えるような編成をベースにしていて、ブルーズ・ハープにしても、ピアノにしても性急なビートに合わせて乱舞します。一種脅迫的なビートにお客さんを乗せた上で、ピーター・ウルフのマシンガン・ボイスがたたみかけます。ウルフの声は特異です。打楽器のような性急さがあって、ヘタなラップより強力です。ウルフの個性を際立たせる意味合いでこのスタイルが完成したのでしょうね。

J Geils Band - Looking for a Love

1972年には、3枚目のアルバムにして初のライブ・アルバムを発表します。
やはり、これですね。Jガイルズ・バンドはライブで聞くべきとの思いを強くする1枚です。
フル・ハウス - "Live" Full House

フル・ハウス - "Live" Full House

1972年リリース
アルバム・ジャケットのセンスもいいですね。
ジャケットに描かれているカードをよく見ると「フル・ハウス」というタイトルながら役が出来ておらずクイーンがウインクしているところが、なんともシャレています。
上手く相手を騙せたということなのでしょうね。

そして、ライブバンドの本領発揮となる2枚目のライブ・アルバムは、1976年に発売されます。
ライブの魅力がたっぷり入った「狼から一撃 - Blow Your Face Out 」がそれです。
狼から一撃 - Blow Your Face Out

狼から一撃 - Blow Your Face Out

1976年リリース
「FULL HOUSE」が初期ライブの傑作なら(本当に傑作です)これは彼等がもっともノッていて、しかもコマーシャルになる前の絶頂期のライブ。
”GOOD BE BACK HOME~ DO YOU WANNA DANCE?”というピーターのMCに地元ボストンは興奮の渦へ。バンドだけでなく観客をも巻き込みライブもどんどんヒートアップ!! 演奏が走ろうが(しかも凄いことに走る時にはメンバー全員が一緒に走り出す)なんだろうがお構いなし。とにかく熱い熱い。 
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