『メガロマン』
放送期間:1979年5月7日から1979年12月24日
放送時間:月曜19:00から19:30
放送局:フジテレビ系列
放送話数:全31話
主題歌:「行け! 行け! メガロマン」水木一郎
スタッフ
監督:東條昭平(最終回担当)ほか
脚本:田村多津夫、富田祐弘(最終回担当)ほか
特殊効果:高野清一(最終回担当)ほか
美術:高橋昭彦
音楽:横山菁児
キャスト
獅子堂剛: 川津祐介
獅子堂マリ: 高林由紀子
高嶺ラン:杉まどか
由利兵介:保積ぺぺ
猿 一平:橋満耕司
『メガロマン』とは
たてがみ族のローズマリー(マリ)は、獅子堂剛との間に生まれたたかしにメガロンブレスレットを渡す。この力により、たかしはメガロマンに変身できるのだ。
一方、黒星族のスメラー総統に育てられたダガーは、じつはたかしの双子の兄弟で…。
『メガロマン』の最終回
第31話「宿命の対決!メガロマン対仮面怪獣ダガー」
一方、地球の黒星族の基地にいる獅子堂マリ(たかしの母)と高嶺ラン。隠れているふたりの目の前にはダガー総統がいる。
ダガー「基地の中にもうひとり侵入したようだ。すぐに探し出せ!」
兵士に命じる。
ラン「おばさま…」
マリ「あの男がダガー。似ている…たかしに」
ふたりは脱出するが、いつの間にかマリは消えていた。
メガロマンは怪獣デスパーをメガロン・ファイヤーで倒した。
元の姿に戻ったたかしの前に、由利兵介と猿 一平が現れる。そこへランも。たかしたちは表情が暗い。
たかし「じつは…先生が…」
先生とはランの父、壮源のこと。前話で敵の科学者ベーロックと相討ちになって死んでいた。
ラン「おもいっきり泣いたわ。もう涙は出ないわ」
笑顔を見せるラン。
ラン「何も言わないで。お父さん、あたしの戦いを見ていてくれるわ。たかし。それより、おばさまが基地の中にいるのよ。急がないと」
基地内。
ダガー「ベーロックも倒れた。残るはこのダガーと数人の兵士たちか。だが勝負はまだだ。メガロマンさえ倒せばこの地球は黒星族のものとなる。ロゼッタ星も奪い返してやる!」
それをマリが見ていた。
再び基地に入るたかしたち4人。ふたてに別れて探すことにする。たかしはランと一緒。
ラン「おばさま、あたしと一緒に逃げなかったのはダガーを見たからだわ!」
たかし「ダガーを?」
マリはダガーの前に姿を表す。
マリ「ひろし!」
ダガー「お前は獅子堂たかしの?」
マリ「母です」
ダガー「メガロマンに代わって降伏にきたか?」
マリ「あなたの首筋にはバラの花の形をしたアザがあるはず」
ダガー「なぜそれを!?」
マリ「やはり!あるのですね!」
マリはダガーに「あなたは行方不明になった私の息子、獅子堂ひろしです」と言う。「まさか黒星族に育てられていたとは…」
ダガー「この俺が…獅子堂たかしの兄弟だというのか。ははははは!」
笑いながら去る。
ダガー「反乱軍の首謀者・獅子堂剛。よーく聞け。メガロマンの母親は我々が抑えている。すぐに降伏しろ!」
剛「お前は?」
ダガー「黒星族の総統、ダガーだ」
剛「ダガー。お前が総統になっていたのか」
ダガー「その宇宙艇を指示する場所に着陸させるんだ。さもないとメガロマンの母親の命はないぞ」
剛「ダガー、きいてくれ。信じられないだろうがメガロマンの母親は、お前にとっても母親なんだ。
ダガー「あの女もそう言っていた。俺が獅子堂たかしと兄弟だと。この首筋にあるバラの花の形をしたあざが証拠だとな」
剛「そうなんだ。お前は幼いころ行方不明になった私達の息子なんだ」
ダガー「それがなんだというんだ!俺には父もない。母もない。まして兄弟もない。俺は黒星族の総統に育てられ、いまはこの俺が総統だ。獅子堂剛、あの女の命を助けたければ指示に従え!」
剛「お前は自分の母親と知っていて、その母親をおとりに使おうというのか。ひろし!お前は私の息子なんだ。よく聞くんだ、ひろし」
ダガー「だまれ!」
ダガーは金のマスクをかぶる。
ダガー「俺は黒星族の総統ダガーだ!地球を征服するためにその宇宙艇が必要なんだ。着陸する場所を指示する!」
基地内。たかしはマリを発見した。そこへダガーが現れる。
ダガー「待っていたぞ、獅子堂たかし。母親を助けたければブレスレットを渡せ」
現れた手下がマリに刃を向ける。
たかし「わかった。言うとおりにしよう」
ブレスレットを外して渡す。
ダガー「お前は自分の命が惜しくはないのか。自分を犠牲にしてまで母親を助けたいのか。許せん!お前たち親子の絆をいまこの俺が断ち切ってやる!死ねい、獅子堂たかし!」
たかしを攻撃する。
そこへ、マリが持つペンダントのエネルギー反応を頼りにランたちがやってきた。牢屋に裏から入りマリを救出する。
逃げようとするダガーだが、たかしの攻撃により金のマスクが割れて素顔が現れる。その顔を見て自分にそっくりで驚く。
ダガー「おのれ…覚えていろメガロマン。必ず息の音をとめてやる」
ダガーは去った。
たかしたちとマリたちが合流。
兵介「たかし、兵士ももうほとんどいないはずだ。いまこそダガーの息の根を止めるんだい。行こう」
それをマリがとめる。
マリ「たかし、待って。お前に話さなければならないことがあります。ダガーは…お前の弟です。ふたごの弟の、ひろしです」
驚くたかし。
マリ「お前たちは3歳の頃、黒星族に襲われてその戦いの最中に行方不明になったのです。死んだものと思っていました。でも生きていた。黒星族に育てられて生きていたんです」
たかし「…かあさん」
マリ「たかし。戦いは避けてください。なんとかひろしを説得してください」
ダガー「取る道はひとつ!このダガーが怪獣となってメガロマンを必ず倒してやる!たとえ差し違えようと必ず倒してやる!
椅子に座りスイッチを入れた。
ダガー「はははは。俺は黒星族のダガー総統だ!はははは!」
地上に仮面怪獣ダガーが現れた。
ダガー「メガロマンさえいなければ、この地球は俺のものになっていた!」
剣を振るう。その先から光線が出て、当たったものが爆発する。
ダガー「こんな地球など叩き壊してやる!」
逃げる人々。町が破壊されている。その様子をたかしたちが見ている。
マリ「あそこで暴れているのは怪獣です。地球を破壊する、怪獣です。いいのですか。あの怪獣にこれ以上悪事を続けさせても。メガロマン、行きなさい!」
だが動こうとしないたかし。
マリ「行きなさい!行きなさい!メガロマン!」
町を破壊しているダガー。
たかし「これ以上、悪事を続けさせることはできない…」
走り出すたかし。
マリ(…許しておくれ…ひろし)
仮面怪獣ダガーの前にたかしが現れた。
ダガー「待っていたぞ、メガロマン!」
たかし「メガローン!」
メガロマンに変身する。
ダガー「メガロマン、決着をつけてやる!」
戦いが始まった。
メガロマン「やめろ、ひろし!」
ダガー「俺はダガーだ!」
メガロマン「どうして俺たちが戦わなければならないんだ!」
ラン「やめて!あなたたち兄弟よ!お母さんの目の前で!やめてー!」
メガロマンの剣がダガーを切った。
ダガー「さすが俺の兄貴だ…」
倒れる。
メガロマン「ひろし…!」
地面に倒れているダガー。かたわらにはたかしがいる。マリがやってきた。ダガーを抱き起こす。
マリ「ひろし!」
ダガー「俺は…ひろしじゃない…」
マリ「ひろしです。あなたは…あなたは私の息子のひろしです」
ダガー「俺は黒星族のダガーだ…俺は…俺は…」
そして息絶えた。
夕日の前に立つ獅子堂剛、マリ、たかし。
剛「地球にもロゼッタ星にも平和がよみがえった。だがこの平和を戦い取るためにみんながどれだけの悲しみや苦しみを乗り越えてきたか。それを忘れてはならない」
マリ「その苦しみや悲しみを忘れないことが、この平和を守り続けていくのですね」
ナレーション「また平和を破壊するものが現れたなら、力の限り戦う。だがいつまでも続いて欲しい。メガロマンにならなくてもすむ平和が。さらば、メガロマン」
たかし、ラン、兵介、一平の姿。そしてたかしの表情のアップ。
その後の『メガロマン』
しかしファミリー劇場などのCS番組では何度か放送されています。
ちなみに書籍『東宝特撮全怪獣図鑑』にも、同氏の了解を得られずに『メガロマン』は掲載されていないそうです。