特撮『魔人ハンター ミツルギ』の最終回ってどうだった?
2020年12月19日 更新

特撮『魔人ハンター ミツルギ』の最終回ってどうだった?

子供のときに観てたけど、最終回ってどんなだったっけ?そんな作品ってけっこうありますよね。そんな方のために、最終回のあらすじをお届けします。これであなたも思い出せるはず?『魔人ハンター ミツルギ』はこんな感じでした。驚愕のアニクリエーション!

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『魔人ハンター ミツルギ』

制作:フジテレビ、国際放映
放送期間:1973年1月8日から1973年3月26日
放送時間:月曜19:00から19:30
放送局:フジテレビ系列
放送話数:全12話
主題歌:「走れ!嵐の中を」水上勉

スタッフ

監督:香月一郎
脚本:新井光
美術:筒井増男
日本アニクリエーションプロ:中村武雄、山下宏、平田礼一
音楽:鈴木征一

キャスト

ミツルギ銀河:水木襄
ミツルギ彗星:佐久間亮
ミツルギ月光:林由里

長老:緒方燐作

ナレーター:伊武正己

『魔人ハンター ミツルギ』とは

宇宙からやってきた魔人サソリは忍者軍団と巨大怪獣で徳川家康の幕府を倒し、天下を手に入れようとしていた。
ミツルギ一族の長老・道半は、銀河、彗星、月光のミツルギ三兄妹に日本の平和を守るよう命じ、智・仁・愛の刀を授けた。兄妹は刀の力で巨大神ミツルギに合体変身して戦う。


ミツルギと怪獣の戦闘シーンにストップモーション・アニメーションを使った(ただしすべてではない)稀な作品。この手法を「アニクリエーション」と称していた。

『魔人ハンター ミツルギ』の最終回

第12話「サソリ軍団全滅作戦」

地球を回る月の軌道が狂い始めた。それは魔人サソリの仕業だった。
長老「なにごとかとんでもないことを企んどるに違いない」

按摩が歩いている。声をかけられて老中の屋敷に入った。老中の身体を揉み始めるが、その表情が一転し老中を殺害する。その死体の首には赤いサソリの印が。

銀河「しまった、遅かったか!」
屋敷に到着した銀河たち3人と、魔人サソリの配下である忍者との戦い。

魔人サソリが怪獣マグネッシーを出現させた。その磁力で刀が奪われそうになる。
銀河「魔人サソリめ。強力な磁力を持つ怪獣を使って、俺たちの剣を吸い取ってしまおうという算段だな」
3本の刀がないと巨大神ミツルギにはなれない。彼らは長老に相談することにした。

一方、魔人サソリの配下の忍者たち。リーダー格の赤いマスクの忍者が、老中の暗殺は続けなければならないと言う。魔人サソリは全員殺せと命令したのだ。
リーダー格「特殊な金属でできている我々の刀には磁力は働かない。思う存分切りまくれ!」

銀河たち3人は長老といる。
銀河「ミツルギ一族に伝わる、もうひとつの守護神ですか?」
長老「黄金の仏像じゃ。ミツルギすらもかなわぬ強敵が現れたとき、必死の祈りによって出現すると言われておる」
銀河「しかし、黄金の仏像に出現を祈り、それが輝いた時はただちに祈った者は命を絶たれるとも言い伝えられております」
長老「この老いぼれの命と引き換えに大勢の人々が助かると思えば、決して惜しくはない」

老中が乗った駕籠が襲われた。周囲を警護していた侍たちは殺され、駕籠ごと奪われる。最初に殺された老中の息子も仇を取ろうとひとりで挑むが、あっけなく捕らわれてしまった。

銀河たち3人が駆けつけた。息がまだあった者に事情を聴き、追跡を開始する。

山道を進むサソリ忍者たちをみつけた。戦いが始まる。彗星が駕籠を開けると、そこには誰もいない。図られたことを知り、3人は分かれて老中を探すことにする。

銀河が老中を発見した。2人を呼ぶが、月光はこない。彗星とふたりで救助に行く。

リーダー格が刀を抜いて老中を殺そうとする。だが転がって逃げ、その姿は銀河に変わった。老中の息子も彗星に変わる。戦いが始まるが、そこへマグネッシーが現れて、ふたりの剣は磁力で奪われそうになる。

長老「なにとぞ3人の兄妹を助けたまえ!江戸の人々を助けたまえ!我がミツルギ一族の巨大仏よ!なにとぞ御姿を現したまえ!」

木にしがみついて磁力に耐えている銀河と彗星。そこに月光が合流した。猪の罠であるとらばさみに足を挟まれていたのだ。
 (2240837)

必死にこらえていたが、マグネッシーの磁力のために吸い込まれていく3人。

一心不乱に祈っている長老。そのとき稲妻がマグネッシーに落ちた。
銀河「よし、今のうちだ。いくぞ。ミツルギ参上!智!」
彗星「仁!」
月光「愛!」
ミツルギが現れて、マグネッシーとの戦い。磁力攻撃を受けて剣と楯を奪われ、ミツルギもまた引き寄せられていくが、岩にしがみついて耐える。

祈る長老。地面が割れて黄金の巨大仏像が現れた。爆発が起きて、長老は死ぬ。

黄金の仏像がマグネッシーから磁力を奪った。マグネッシーの身体から出て来た剣と楯を手にして攻撃するミツルギ。逃げるマグネッシーにミサイルを発射。当たって大爆発。

元に戻った3人。
銀河「今度は魔人サソリの番だ」
彗星「やつは力を使い果たして弱ってるぞ」
空から岩が降ってくる。魔人サソリが現れた。周囲で爆発が起き、倒れる3人。

黄金の仏像の両目が光った。魔人サソリを囲む、丸い火の輪が現れた。
銀河「魔人サソリめ…苦しめ!苦しめ!もっと苦しめ!」

銀河「よし、いまだ!」
3人は駆け寄り魔人サソリの胸に刀を突き刺す。不気味な笑い声。銀河は手榴弾を投げた。魔人サソリは爆発炎上する。
3人「やったー!やったやったー!」
跳ねて大喜びする3人。

服部半蔵「これからあなた方はどこへ行くのです?」
銀河「ミツルギの里へ帰ります。
服部半蔵「三兄妹とも、元気でな。また会おう」
うなずく3人。横を見ると長老の墓がある。

ナレ-ション「宇宙からやって来た恐るべき侵略者、魔人サソリとその軍団は全滅した。ミツルギ一族の長老・道半は伝説の巨大仏出現を祈りその命と引き換えに銀河・彗星・月光の3人を救った。道半は3人と共に江戸の人々を、いや日本を救ったのだ。しかしこの広い宇宙のどこかからふたたび第二第三の魔人サソリがやってきて地球征服の陰謀を企むとき、そのときは平和を保ち、人々の安全を守るために彼らは影のように我々の前に現れるであろう。つかのまの休養を取るためにミツルギ三兄妹は人々の幸せを祈りながら帰って行く」
夕日の中に消えていく3人。
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その後の『魔人ハンター ミツルギ』

江戸時代なのにヘルメットを被っていたり手榴弾を使ったりと突っ込みどころが多い作品なのですが、やはり「アニクリエーション」と名付けられたストップモーション・アニメ―ション(以下ストップモーション)にふれずにはいられません。

ストップモーション自体は映画の最初期からあった技法なのですが、その歴史を語る上で1933年の『キングコング』は欠かせない1本でしょう。特撮を担当したのはウィリス・オブライエン。

この『キングコング』はたくさんの人々に衝撃を与え、その中にはレイ・ハリーハウゼンもいました。オブライエンの元で働き、特に1973年『シンドバッド黄金の航海』におけるカーリーとの戦闘シーンはいまみても感動的です。

The Golden Voyage of Sinbad (1974) - Battle with Kali

さて『キングコング』に衝撃を受けた人々の中には、あの円谷英二もいたのです。日本の特撮の父で、《ウルトラマンシリーズ》等でミドルエッジ世代には神様と言っても過言ではない人物ですね。

と、かなり遠回りになりましたが円谷英二が1954年に特殊技術を担当した『ゴジラ』の話です。じつは『ゴジラ』も、ストップモーションで撮るという案がありました。しかし、少しづつ動かして撮影するにはあまりにも時間がかかりすぎるということで断念。

もし日本の特撮の祖とも言える『ゴジラ』が着ぐるみではなくストップモーションで撮影されていたら…?日本の特撮史はまったく別なものになっていたかもしれません。

『魔人ハンター ミツルギ』は、その大変な労力がかかるストップモーションに果敢に挑んだ作品として、特撮史に名を刻んだと言ってもいいでしょう。…ちなみに撮影が間に合わず、人形を手で動かして撮影もしています。
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