Dr.ピカソの元編集長・トダカユースケ氏にかつての『エロ本業界』を聞いてみた!
2021年11月17日 更新

Dr.ピカソの元編集長・トダカユースケ氏にかつての『エロ本業界』を聞いてみた!

男性誌「Dr.ピカソ」で二代目編集長・トダカユースケ氏に直撃インタビュー!『エロ本業界』に関するかつての状況や裏話まで色々と伺いました!

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村西監督がダイヤモンド映像を興して、代々木上原に通称「ダイヤモンド御殿」という事務所兼自宅の豪邸を持っていた時があります。よく宣伝写真素材をもらいに行ってたのですが、村西監督以下スタッフ、女優たちが共同生活をしていて驚いたのを思い出します。写真を選んでいたら、ご飯を一緒に食べないかって彼らと一緒に御飯を食べたりしたのもいい思い出です。

個人的な感想となりますが、あの業界のことを描くのはいいのですが、村西監督のサクセスストーリーだけになっちゃうと困るかなあと思ってます。やはりあの世界は闇の部分が圧倒的に大きかったはずです。ドラマの制作陣は、「女性の開放」的なイメージを打ち出してはいますが、ちょっと言い訳にしか聞こえないかな、なんて思っちゃいますね。なにしろ業界のダークな部分もそれなりに知っているので。

またあのドラマは村西監督、黒木香さんだけが実名(二人とも芸名ではありますが)になっているのも不思議だなあと。二人をイメージできる完全フィクションでもよかったのではと思ったりしましたね。「全裸監督」はシーズン2も制作されるそうですが、次はあの業界の闇の部分と、村西監督が落ちていく部分が描かれるんじゃないかと想像してはいます。不用意に単純化させたサクセスストーリーにだけはしてほしくないなあとは思っています。アダルトビデオに出演した女性たちは、すべて好き好んで出ていたわけでもないですからね。やっぱり業界自体ダークな世界だったと思いますよ。

NETFLIXオリジナル作品「全裸監督」

NETFLIXオリジナル作品「全裸監督」

「エロ」の現場で長らく働かれていたトダカユースケ氏。想い出深いエピソードを教えて下さい!

ちょっと羨ましがられるかもしれないですが、80年代後半辺りのモデルプロダクションはけっこういい加減で、マネージャーが撮影現場に来ないことも多々ありました。現場も全般的に緩くモデルたちもフランクな人が多かったと思います。撮影が終わると食事に行ったりお酒も入ったり、個人的に仲良くなったモデルさんも多かったですね。

雑誌の企画に人気AV女優とテレフォンデートというのがあって、指定日の一定の時間帯に電話をすると女優さんとお話しが出来るというのがありました。これはもう大人気で、編集部に女優さんが来るわけですが、この程度の企画だとマネージャーが来るわけでもないんですよ。女優さんが直接編集部まで来る。

当日って編集部のあるビルの1階に出待ちをするファンがたくさんいて、プレゼントを渡したりするんですよね。お菓子や手紙(濃厚なラブレター)、中には指輪、宝石などを渡すファンもいましたね。お菓子なんかは編集部員たちと食べたり、濃厚なラブレターはみんなで見せあって大笑いしたり(笑) その後はみんなでご飯食べに行って、朝までカラオケなんてのもけっこうありましたね。

「Dr.ピカソ創刊2号」

「Dr.ピカソ創刊2号」

via トダカユースケ氏ご提供

英知出版は宇宙企画と系列だったんですけど、当時のAVには専属女優契約というのがあって、高額な契約料で女優を抱え込むスタイルが主流でした。英知出版は宇宙企画専属女優を優先的に撮影できる権利が与えられていました。そうした女優さんは私たちからすればお姫様扱いとなります。

ふらりと会社に遊びにでも来たら、もう下僕と化して仕事もホッ散らかしてお付き合いすることになるんです。大抵はご飯食べに行ったりカラオケに行ったりって感じでした。アダルトビデオに出演するというセンシティブな仕事ですし、ご機嫌を損なうわけにはいきません。当時、私がビデオボーイ編集部にいた頃、宇宙少女と言われた小森愛というAV女優はアルバイトで働いていましたね。デスクも隣です。いわゆる同僚でした(笑)

今では仕事が終わってプライベートで単独でお酒を飲みに行くなんてそうそうないかと思います。昔が緩かっただけです。アダルトビデオの女優さんたちに対する社会的バッシングというか、色物で見られる風潮は強かったので、いかに彼女たちを精神的に和らげるためのケアに、出版社もモデルプロダクションもかなり気を使っていました。

小森愛「美少女伝説」

小森愛「美少女伝説」

via トダカユースケ氏ご提供

当時の女優さんにまつわるエピソードで、ここで話せるモノがあれば聞かせて下さい!

今でこそ豊胸手術って普通に行われてたり、技術の進歩で豊胸しているかどうかなんて分からなくなってたりしますが、昔は豊胸手術してる人に対しての悪いイメージってあったんですよ。この胸は入れてるよ! いや入れてない! なんて、グラビア見ながら部室論議とかやってたでしょ? 今で言うまさに中2病ですよ(笑)

不慮の死を遂げた飯島愛というタレントがいました。彼女はアダルトビデオからのし上がって、大人気タレントになった唯一と言っていい人だったと思います。彼女のデビュー当時、担当してた雑誌の表紙撮影の時の話なんですが、彼女は現場で常に胸を自分でモミモミしてるんですよ。もうひっきりなしに両手を使って自分のオッパイを揉んでいる。

スタッフは何してるんだろうって思うじゃないですか、すると愛ちゃんが「いやあ、マメに揉んでないと固まっちゃうんだよねえ」って(笑) ホンマかいなって思いながら、みんなと爆笑したのを思い出します。愛ちゃんが豊胸手術をしていたのは周知の事実でしたから、誰も特に意識してなかったんですけど、当時の豊胸手術の技術ってかなり低かったんでしょうね。たぶん生理食塩水パック的なものを脇の下から入れるのが一般的だったはずです。それがズレるらしいんですよね。形を保つためにもう常にモミモミ、モミモミ(笑)

トダカユースケ氏ご提供 (2157469)

via トダカユースケ氏ご提供

また、ある新人のアダルトビデオ女優さんを海外ロケに連れて行った時ですが、ちょっとメンタルが弱い子で、スタッフとコミュニケーションもとれないものだから、どんどんダウナーになってきて、食事の時などもこれは普段東京で食べているものと違うので食べれないなんて言い始めて、全員顔面蒼白みたいなことがありました。マネージャーさんも責任感じちゃって対処しますって言うと、夜モデルの部屋に入って翌朝まで一緒に過ごしたんですよ。そうしたら、その日からモデルさんスッキリした顔で突如元気になっちゃって(笑)結果的にいい仕事になったのですが、その夜にモデルとマネージャーにいったい何があったかなんて、野暮だから書きませんよ。そういうことー!って感じでした(笑)

《告知》トダカユースケ氏によるコラムが連載開始!業界の”裏事情”が聞けるかも!?

2020年より、本稿でお話を伺ったトダカユースケ氏のコラムが連載されます!
エロだけでなく、様々な業界でお仕事、交流をされてきた同氏。

懐かしいあの頃。僕たち私たちが触れてきた情報の裏事情が聞けるかも知れません!
一般人では知り得ないネタを語ってくれます。実際に起こっていた事件や笑い話をまとめたコラム。お楽しみに!!
トダカユースケ氏

トダカユースケ氏

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