【最終回】ドラマ『サイコメトラーEIJI』【ネタばれ】

沢木の予言

他人をマインドコントロール出来る犯罪者、沢木に呼び出された志摩は、沢木が監獄されている刑務所へ向かう。そこで志摩は沢木にこれから一週間、志摩の周りの人間関係は彼女の行動によって全て壊される、と予言する。そして志摩は自分に助けを求め、あの場所で再会すると不気味に笑う沢木。
沢木の言葉が気になった志摩は、周りの人間に優しくしようと努め始めるのだが…。

その頃映児と章吉は、教師の渡辺から今のままでは進級できないと言われていた。留年をしたら仕送りが止められる章吉は気が気でないが、そんな事情を知らない映児は留年くらいどうってことないとどこ吹く風。サイコメトリーで追試試験のカンニングをすることを章吉から提案されるも断る。二人の間に見えない亀裂が入り始めていた。

志摩の親切により狂いだす歯車

志摩はいつも自分に厳しく接する上司の羽根山の取れたボタンをつける。そんな志摩に驚く羽根山ら同僚たち。しかし、志摩が夫のボタンを付けたことを知った羽根山の妻は面白くない。その日は羽根山夫婦の結婚記念日だったのだ。
羽根山夫婦は結婚記念日のお祝いに中華屋へ。同じ頃志摩も映児、章吉、祐介、恵美といつもの面々を連れて近くの中華屋へ来ていた。捜査を手伝っていないのに、奢ると申し出る志摩に戸惑う映児達。
特に章吉は、志摩が自分の悪事を知っているのではないかと落ち着かない。
実は章吉は、進級がかかった追試試験のテスト用紙を盗んでいたのだ。

帰り道、志摩は羽根山の妻が死んだことを知る。羽根山夫婦が行った中華屋が入っているビルから転落したのだ。最初は自殺だと思われていたその死だったが…。

壊れた友情

志摩の態度がいつもと違う事から、映児と志摩が自分がテストの問題用紙を盗んだことを知っているのではと勘繰る章吉。彼は映児が自分と祐介との約束を破り、サイコメトリーの力を羽根山の妻の事件で使ったことも良く思っていなかった。映児に絶交宣言する章吉。タイミング悪く志摩がまた映児に力を貸してほしいと頼みに来る。呆れた章吉は映児の元から去って行った。映児は自分の能力を責め、自ら自分の左手を傷つけた。

追い打ちをかけるように、映児が教師の渡辺に章吉を進学させてほしいと頼みに行った姿を、章吉は自分の事をチクりに行ったのだと誤解してしまう。映児を殴る章吉。二人の友情はこのまま終わってしまうのか。

羽根山警部の逮捕、そして怒る連続殺人

羽根山は妻の葬式の最中に、自分が妻を殺した記憶が蘇り「俺が殺した」と叫ぶ。逮捕された羽根山は、沢木と同じ刑務所に入ることに。そこで志摩は沢木に、自分が言った通り志摩の行動ですべての人間関係が壊れていったと不敵に笑う。羽根山夫婦の喧嘩の一因が自分の行動によるものだと知っている志摩は動揺を隠せない。自分が真実を追う事で、傷つく人たちがいることに苦悩する志摩。

そんな彼女をあざ笑うかのように、沢木と羽根山が収監されている刑務所から脱走事件が起き、羽根山は逃走。沢木は十字に縛られている状態で死んでいるが見つかる。
その後沢木と同じ方法で、教師の渡辺も殺される。警察は羽根山を疑うと同時に、渡辺から脅されていた章吉にも捜査の手が及ぶ。

真犯人は恵美？

渡辺は死ぬ直前に、答案用紙を盗んだ章吉を脅し、章吉の親からお金を巻き上げようとしていた。偶然その姿を章吉の同級生が見ていたことで事情聴取された章吉は、また映児が告げ口したのだと思い込む。
しかし、渡辺が学校への報告書に答案用紙を盗んだ犯人は映児だと書いていたことで、映児も事情聴取をされる。妹の恵美は、兄の無実を証明するために、志摩に捜査の協力を申し込む。実は恵美は最近サイコメトリーを使えるようになっていたのだ。
恵美の協力で、犯人がいると思われる教会に向かう志摩と映児。教会に着いた志摩は、十字架に縛られている羽根山の死体だった。悲しむ間もなく、何者かに襲われる志摩だったが、その正体は協力者のはずの恵美だった。

教会の外で待機していた映児は志摩の悲鳴で慌てて中に入り、志摩を襲う恵美の姿を見て驚愕する。「全てお兄ちゃんのために殺した」という恵美にショックを受けるも、先に志摩を帰らせた映児は恵美をサイコメトリーする。そこで映児が見たものは、恵美が殺人を犯す姿と、毎日匿名の手紙をもらっている姿だった。その手紙には何も書いていない。それが何を意味するのか…。

沢木との最後の戦い

何もかも自分のせいだと責め、警察に辞表を出した志摩の元に死んだはずの沢木が現れる。マインドコントロールで死んだと思わせていたのだ。沢木は志摩に結婚しようとプロポーズするが、そこへ映児がやって来て沢木を殴りつける。恵美に匿名の手紙を出し続けていたのは沢木で、なにも書いていない便せんに自分が犯した殺人の残留思念を残していたのだ。まともにその残留思念を受けてしまった恵美は、沢木の犯行が自分の犯行だと思い込んでしまったのである。

沢木は志摩をマインドコントロールして映児を殺そうとするが、それを利用した二人に追い込まれ、死闘の末建物から転落、死亡する。（しかし物語内では沢木が死んだと明言していない）
志摩は何故自分の芝居に沢木は気づかなかったのか疑問だったが、映児は沢木が志摩の事が好きだったからだろうと答えるのだった。

映児と章吉の友情は？

映児にテストの答案用紙を盗んだ罪を被せたまま、進級を懸けた追試試験に挑む章吉。「カーテンをしめろ」と自分の机に書いてあるのを見つけた章吉が教室のカーテンを閉めると、一面がカンニング用紙になっていた。驚く章吉は「三人一緒に進級するべ」という映児のメッセージを見つけ、その友情に感動する。そして自分が答案用紙を盗んだことを告白、笑顔で教室を飛び出すのだった。

結局無事に進級出来たのは優等生の祐介のみ。映児と章吉は仲良く留年だ。それでも三人の友情はこれからも変わらずに続いて行く。