特撮『ジャンボーグA』の最終回ってどうだった?
2020年12月20日 更新

特撮『ジャンボーグA』の最終回ってどうだった?

子供のときに観てたけど、最終回ってどんなだったっけ?そんな作品ってけっこうありますよね。そんな方のために、最終回のあらすじをお届けします。これであなたも思い出せるはず?『ジャンボーグA』はこんな感じでした。

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『ジャンボーグA』

制作:円谷プロ、毎日放送
放送期間:1973年1月17日から1973年12月29日
放送時間:土曜19:00から19:30(途中から移動)
放送局:NET(今のテレビ朝日)系列
放送話数:全50話
主題歌:「ジャンボーグA」谷あきら(子門真人)

スタッフ

監督:大木淳
脚本:山浦弘靖
美術:大沢哲三、菅野幸光
特殊技術:佐川和夫、吉村善之
音楽:菊池俊輔

キャスト

立花ナオキ:立花直樹

立花和也:香山高寛
立花茂子:桜田千枝子

村上浩:和崎俊哉
熊井五郎:丸岡将一郎
安田秀彦:杉山元
野村せつ子:加瀬麗子

デモンゴーネの声:田中信夫、加川友里

ナレーター:浦野光

『ジャンボーグA』とは

グロース星人が巨大怪獣を使って地球侵略を開始した。宇宙の平和を願うエメラルド星人は、地球を守るため立花ナオキに巨大ロボット・ジャンボーグAを与えた。民間航空のパイロットであるナオキは、小型プロペラ機から変身するジャンボーグAに乗り、戦死した兄の仇を討つために戦う。
なお途中から2号ロボットとして、車から変身するジャンボーグ9が登場する。

日本テレビ系列の『ファイヤーマン』、TBS系列の『ウルトラマンタロウ』と共に、円谷プロ創立10周年記念番組として制作された。

『ジャンボーグA』の最終回

第50話「トウキョウ最後の日」

ナレーション「楽しいクリスマスも終わり、東京は慌ただしい歳末風景に彩られていた。その東京に、想像を絶する奇怪な事件が起ころうとは」

夜。にぎわっている商店街の中を、たくさんの購入した箱を重ねて持って、ナオキと和也が歩いている。おもちゃに興味をひかれて、ナオキが止めるにもかかわらずおもちゃ屋に入る和也。その時、夜だったのに月がまぶしく光り、昼間のように明るくなった…。

PAT基地。
熊井「隊長!都内の温度は摂氏40度近いそうです」
しかしその異常は東京だけだった。他の都市では綺麗な満月が見えるという。ナオキと和也がやって来た。
ナオキ「隊長!都心は大変な騒ぎですよ。月に何か異変でもあったんですか?」
村上隊長は熊井隊員と安田隊員に、宇宙空間も飛べる戦闘機ハンターQで調査するよう命じた。

月へ向けて出発したハンターQは、月面の一点から東京めがけて強力な光線が発射されているのを見た。低空飛行し、光線を発射している装置を発見する。それは太陽光線を集めて東京へ向けて発射しているのだった。

都内では気温が50度を超えて、いたるところで爆発による火災が起こっていた。
村上隊長「これでわかったぞ。グロース星人め、とてつもない作戦で東京を焼き払うつもりらしい。ちくしょう。ハンターQ、ハンターQ、ただちに攻撃を開始しろ!」

光線発射装置に攻撃するハンターQ。するとデモンゴーネ(グロース星人の総司令官)が現れた。腰のベルトからビームを発射し、ハンターQはそれを避ける。反撃するが杖の先から出たビームに被弾して、月面に不時着。

PAT基地。ハンターQの酸素はあと12時間しかもなかった。村上隊長は野村隊員と共に救助に向かう。
ナオキ(…よおし、俺も行くぞ!)

セスナ機(名前はジャンセスナ)で飛行場から飛び立ったナオキ。ジャンファイトの掛け声で、ジャンセスナはロボットであるジャンボーグAに変身した。

月面。村上隊長と野村隊員の乗ったジェットコンドルがハンターQ救出に到着する。だがデモンゴーネが襲ってきた。応戦し、杖からの光線もよけるが激しい攻撃はとまらない。
村上隊長「くそう。これじゃ救出作戦も不可能だな」
そこへジャンボーグAが飛んできた。
ナオキ「デモンゴーネはこっちが引き受けたぜ!」
肉弾戦が始まった。その隙に熊井隊員と安田隊員はカプセルで脱出し、ジェットコンドルに救出された。
戦いは続いている。
ナオキ「どんなもんだ。くたばれ、デモンゴーネ!」
ジャンボーグAは腹からジャンサーベルを取り出した。だがそれを振り上げた時、光線発射装置が作動する。ナオキは光で目がくらみ、ジャンボーグAは熱により火に包まれてしまう。

火は消えたもののジャンボーグAに力はない。デモンゴーネに崖から落とされてしまい、起き上がれないジャンボーグA。ナオキもダメージを受けている。高笑いするデモンゴーネ。ジャンボーグAは渾身の力を振り絞り、空を飛んで脱出し。
デモンゴーネ「これでジャンボーグAは二度と戦えまい。残るはジャンボーグ9、ただひとり!
紫の煙の中に消えて行く。

地球。ぼろぼろになって家に戻ってきたナオキは床に倒れる。

荷物を抱えて避難している東京の人々。

ナレーション「月が西の空に沈み、東京にはつかの間の冬空が戻ってきた。

PAT基地。電話を切る村井隊員。
村井「隊長、正午現在の都心の気温は3度だそうです」
村上隊長「そうか。しかしあと数時間すれば東の空に満月が昇る」
安田「ちっ。すると今度こそ東京は焼き払われる…。隊長!何か、何か打つ手はないんですか!」
村上隊長は隊員たちに「諦めるのはまだはやい」と言った。「たとえ勝ち目がなくても命を賭して戦うのがPAT魂だ」。
熊井「隊長、わかりました。やりましょう!」
野村「こうなったら、特攻作戦だわ」
村上隊長「うん、その意気だ。みんな、俺に命をくれ」
うなずく隊員たち。

ベッドに寝かされているナオキと、看病をしている茂子(ナオキの義姉。和也の母)。和也がやってくる。
和也「村上さんたち、死ぬ気でもう一度、月へ行くらしいよ!」
それを聞いて驚くナオキと茂子。
和也「ちくしょう!どうしてジャンボーグ9は空を飛べないんだ!9が月へ行けたらPATは死なずに済むのに!ちくしょう!」
ナオキ(…和也の言う通りだ。9さえ…空を飛べたら…9さえ…そうだ!いい手があるぞ)
ナオキはおもちゃ屋で見た、人形を紐で吊ったくるくる回るおもちゃを思い出していた。
ナオキ(…PAT基地には、観測用の大型宇宙ロケットがある。あのロケットを使えば、月まで飛べるかも。いや、待てナオキ。月まで飛べても帰りはどうなる。9は自力で地球へ戻ることはできないぞ。ということはつまり…俺は永久に…。なあに、生きて帰れなくたっていい。デモンゴーネをやっつけて兄の仇を討つためなら…喜んで死んでやる!喜んで!)
ナオキはトイレに行くと嘘を言って部屋を出た。

ナオキ(…姉さん。どうかいつまでも…お元気で。…和也。しっかり勉強して、兄貴に負けない立派なPAT隊員になれよ。いいな)
PAT基地に侵入したナオキは科学者たちを気絶させて、大型宇宙ロケットのコントロールを奪った。
ナオキ「発射まで、あと5分だ。急がなくちゃ」

車(名前はジャンカー)を走らせていたナオキは、山道でそれを止める。
ナオキ(…頼むぜ、9。うまくやってくれよ)

ナオキ「ジャンファイト!ツーダッシュ!」
ジャンカーはジャンボーグ9に変身した。

ジャンプして、発射された大型宇宙ロケットにうつぶせに乗る。そして宇宙へ飛んだ。同じく月へ向かっている、村上隊長たちの戦闘機を抜き去る。
ナオキ「さよならPAT、あとはまかせるぜ。さよなら。東京じゃそろそろ月が昇る時間だ」

輝いている月。家々とビル群が爆発して炎上する。

デモンゴーネ「あと1時間たらずで東京は火の海さ。ハハハ、アッハッハッ!…はっ、ジャンボーグ9!」

大型宇宙ロケットから分離したジャンボーグ9は月に降り立った。
ナオキ「デモンゴーネめ!今度こそ息の根を止めてやる!」
デモンゴーネ「ぬーっ!それはこっちの言うセリフさ!覚悟をし!」
戦いが始まった。杖から出るビームをよけるジャンボーグ9。しかし光線装置が身体を照らす。熱で焼かれてしまう。
ナオキ「くそう、しっかりしろナオキ。どうせ捨てた命じゃないか。戦え!ひるむなナオキ!クロスショット!」
その必殺技は光線装置を破壊した。

デモンゴーネは別な形態(男性型)に変身した。
デモンゴーネ「ジャンボーグ9よ。お前のおかげで、私の全生命をかけた作戦は失敗した。もはや私には、お前と刺し違えて死ぬしか道はない。さあ潔く死んでもらうぞ!」
ナオキ「いいとも。どうせ俺も生きては地球に帰れないんだ。喜んで相手になってやらあ!」
再び戦いが始まった。

デモンゴーネ「ジャンボーグ9、とどめだ!」
その手の剣で貫こうと腕を振り上げた時、ジャンボーグ9は光線発射装置の破片を手に取った。それでデモンゴーネの腹部を貫く。吹き出す緑色の血。

無音という演出のあと、デモンゴーグは何度も「デーモンー!」と叫びながら倒れた。その口からも緑色の血が噴き出す。そして溶けて、緑色の液体になってしまった。
月面から地球を見上げるジャンボーグ9。
ナオキ「…姉さん…和也…。俺はもう、二度と地球には帰れないんだ。俺は決して悲しくないぜ。こうして地球を見ながら死んでいけるんだもん。悲しくなんか…ははっ…あるもんか」

『月の砂漠』をゆっくりと歌い出すナオキ。
姉と和也の姿が浮かぶ。これまでの思い出が脳裏に浮かんでは消えていく。

その時、ジャンボーグ9衝撃が。
ナオキ「PATだ!」
ジャンボーグ9はPATの戦闘機にワイヤーで釣り上げられて、上昇する。
隊長「このまま地球へ戻るぞ!」
熊井隊員「9さんよ、今度という今度はお前さんの捨て身の戦法には頭が下がるぜ。お礼に地球まで連れてってやるからな!」

地球へ向けて飛ぶ戦闘機2機とジャンボーグ9。
ナオキ「ありがとうPAT、ありがとう」

家から飛び出した和也と姉。空を見上げる。
和也「ママ!ジャンボーグ9が帰ってくるよ。ほら!」

地球に戻ってきたジャンボーグ9。
ナオキ「クイックリターン!」
ジャンボーグ9は車の姿に戻った。

夜道を走る車。泣き笑い顔のナオキ。

立花家の餅つき風景。そこにPAT隊員たちも駆け付けた。

ナレーション「こうして地球には再び平和が戻りナオキたちは楽しいお正月を迎えようとしていた。だが果たしてグロース星人は地球侵略の野望を捨てたのだろうか」

不気味なグロース星の光景。
グロース星人の声「我々はいつか必ず地球を手に入れてみせる。必ず。必ず」

その後の『ジャンボーグA』

立花ナオキ役の立花直樹(本名は別です)は、のちに1976年『ザ・カゲスター』で主人公・姿影夫を演じています。

1974年に劇場版『ジャンボーグA&ジャイアント』がタイのプロダクションと合同で制作されているのですが、日本未公開。これはいわゆる「ウルトラマン訴訟」の作品のひとつです。

ご存じない方のために「ウルトラマン訴訟」を簡単に説明しますと、タイ人実業家ソンポテ氏のチャイヨープロダクションが、『ウルトラQ』から『ウルトラマンタロウ』までと『ジャンボーグA』の計7作品の「日本を除く全ての国において期限の定めなく独占的に利用許諾する」権利を持つと主張し、日本、タイ、中国、アメリカで円谷プロと訴訟になっているのです。

この一連の訴訟はなんと1995年頃から最近まで続いていて、2020年9月21日にタイの最高裁が、タイ人実業家ソンポテ氏と制作会社の上訴を棄却して「円谷プロダクションが著作権を保有する」とあらためて確認し「円谷プロの著作権を侵害したとして損害賠償」を支払うよう命じました。
20 件

思い出を語ろう

     
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  • 2021/7/10 20:37

    ジャンボーグA本当は翌年1974年に作品
    第2弾制作予定だったの
    じゃタイトルはジャンボーグ9これは
    最高傑作だったかも
    円谷プロばか

    八丁堀 2020/12/23 01:25

    上記のコメントとは、逆で正解は、ジャンボーグAの途中回でジャンボーグ9が登場します。
    扱いは、2号扱いでナオキは、その時々で乗り換えます。

    さゆ 2020/12/21 14:03

    たちばななおきは サーファーショップを開業 そこで 覚えた 危ない薬で指名手配 彼の地元宇治で逮捕されました。店は彼の人柄で盛況だったそうです。 ちなみに カゲスターは打ち切りでした。

    ひろ 2020/12/21 08:42

    ジャンボーグ9は2号ロボットではなく、
    ジャンボーグAの前にきちんと番組があって、
    主人公でした。

    キカイダーと、キカイダー01でいえばキカイダーに
    あたります。

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