21世紀の「JFK」と言えば阪神タイガーズですが、20世紀では大ヒット映画の事でした。
2017年1月31日 更新

21世紀の「JFK」と言えば阪神タイガーズですが、20世紀では大ヒット映画の事でした。

ケネディ暗殺事件の真実に迫った力作。本格社会派作品。オリヴァー・ストーンの代表作の一つに挙げられます。

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異常なマスコミの報道

オリバー・ストーン監督

オリバー・ストーン監督

オリバー・ストーン監督は、1993年の30年に合わせたのかはわからないが、機が熟したとみて、1991年にはJFKのシナリオの第一草稿も出来、JFKの撮影を開始している。
話題作ではよく製作の進行に合わせて、宣伝も兼ねて、製作現場の情報もコンタクトをとり、報道機関が取材するのであるが、「JFK」については、なんと、シナリオの草稿段階のものが、コピーされ盗まれて、新聞社に渡り、その草稿について、作品攻撃することから、論争の火ぶたが切って落とされたのだった。
NYタイムズ

NYタイムズ

ニューヨーク・タイムズは社説で『JFK』に対する反論を掲げ、注釈を加えながら、特定の立場で、この映画を攻撃し、特集を組み、編集人宛にきた『JFK』を非難する投書を載せ、好意的な反応は無限に採用を遅らせた。
JFK―ケネディ暗殺犯を追え

JFK―ケネディ暗殺犯を追え

1991年5月19日ワシントンポストに発表された”不思議の国のダラス”と題した署名入りの記事であった。署名者は、ジョージ・ラードナー・Jrである。この記事以降一年間というもの、全アメリカはほとんどのマスコミが動員された感 があった、批判の掲載に対してその反批判が繰り返され、著名な人物(元合衆国大統領)や著名なケネディ暗殺研究者(単独犯行批判者)のほとんど統べてがこの論争に加わった。一本の映画の製作がついにはケネディ暗殺事件の真相究明の場にまで発展したのであった。論争の原点はその主なストーリーの元になっている、ニューオリンズ地方検事ジム・ギャリソンの著書”JFK・ケネディ暗殺犯を追え”の評価に起因する。さらにはその著書の元になっている「クレイ・ショー裁判」の評価も巻き込み、ウオーレン委員会の評価おも含めて論争されたのである。

監督本人は、話題作りは意図していないと発言

星条旗

星条旗

批判に対し、ストーン監督は朝日新聞のインタビューで、「衝撃を意図したわけではない。良い映画を作りたかっただけだ。論争を呼ぶためには、娯楽性も含め秀作でなければならない。台本が事前に漏れ、マスコミは完成前から批判的だった。ニクソン、フォード両元大統領も否定したが、観客の多くは“待てよ”と思ってくれたのでは」と応えています。また、1992年1月の講演では、「だれもが納得できる事件の説明は、まだなされていない。陰謀説は一つの仮説であり、私は歴史をいま一度、再検討するきっかけにしたかっただけだ」と述べています。さすが。

やっぱり、アメリカという国には、その社会の裏に国家権力よりも大きな力をもった「何ものか」が存在するのではないか、ということを強く感じます。

アカデミー賞受賞

マスコミには大々的なキャンペーンの如く、批判された本作ですが、映画界には評価されました。
アカデミー賞の作品賞、助演男優賞、脚色賞、作曲賞、撮影賞、編集賞等を受賞しています。

その年の他作品を考えると、かなりの評価と言えます。
他作品とは、「ターミネーター2」や「羊たちの沈黙」、「美女と野獣」等でした。

オリバー・ストーン監督は映画以外にも社会的な活動や発言も

広島の平和記念公園でのオリバーストーン

広島の平和記念公園でのオリバーストーン

映画「プラトーン」や「JFK」で知られるアメリカの映画監督、オリバー・ストーン氏が5日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆ドームや原爆の子の像などを見学し、原爆慰霊碑に献花した。6日に同公園で行われる平和記念式典に参列する。

 ストーン氏は広島入りした4日には原爆資料館も見学。「広島を忘れてはいけない。正しく記憶されなければならない」と感想を述べていた。

 日本滞在中は、原爆投下など米現代史の内実に迫る本を共同執筆した歴史学者、ピーター・カズニック氏らと行動を共にし、9日には長崎の平和祈念式典にも出席する予定。
2013年8月に来日されました。
普天間飛行場見つめるオリバー・ストーン

普天間飛行場見つめるオリバー・ストーン

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