アニメ『ジャングル黒べえ』の最終回ってどうだった?
2021年5月6日 更新

アニメ『ジャングル黒べえ』の最終回ってどうだった?

子供のときに観てたけど、最終回ってどんなだったっけ?そんな作品ってけっこうありますよね。そんな方のために、最終回のあらすじをお届けします。これであなたも思い出せるはず?『ジャングル黒べえ』はこんな感じでした。ウラウラ、ベッカンコー!

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『ジャングル黒べえ』

制作:東京ムービー
放送期間:1973年3月2日から1973年9月28日
放送時間:金曜19:00から19:30
放送局:NETテレビ系列(今のテレビ朝日)系列
放送話数:全31回(62話)
主題歌:「ジャングル黒べえの歌」大杉久美子

スタッフ

原作:藤子不二雄
演出:出崎統
脚本:小田健也(最終回担当)ほか
絵コンテ:さきまくら(最終回担当)ほか
美術監督:瀧池昇
音楽:三沢郷

キャスト

黒べえ:肝付兼太
赤べえ:桂玲子

シシ男:杉山佳寿子

ガック:山本嘉子

『ジャングル黒べえ』とは

黒べえは、アフリカのピリミー族の大酋長の息子。飛行機につかまって日本にやってきたが、日本上空でお腹が空いて落下。助けてくれたシシ男に恩返しするため居候を始める…。

藤子不二雄の原作であるが、アニメ企画が先行していたという珍しい作品(演出の出崎統はインタビューで、東京ムービーの企画室が作ったと思うと答えている)。
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『ジャングル黒べえ』の最終回

第62話「大魔法で仲なおりの巻」

ママ「おやつよー!おやつですよー!」
走るパオパオ(黒べえのペット)を追い越すふたつの影。それは黒べえと弟の赤べえだった。テーブルの上のドーナツを奪い合うようにして食べるふたり。最後の一個を赤べえが奪い、それを庭の木の上まで追いかける黒べえ。
黒べえ「弟のくせに生意気!兄貴、弟より偉い!これ、ジャングルの掟!」
赤べえから奪って、食べる黒べえ。ふたりの槍を使ったケンカが始まった。すると赤べえの槍が折れてしまった。
黒べえ「うわあ、しまった。赤べえ、命よりも大事な槍を折ってしまった」
赤べえは泣きながら去って行った。

ママ「黒べえさん!お兄さんのくせになんです。はやく赤べえさんに謝ってらっしゃい」
シシ男「僕も黒べえがちょっとやりすぎたと思うなー」
自分は悪くない、弟のくせに生意気だったと言う黒べえ。それをガック(黒べえのライバル)が電柱の影から見ていた。

泣きながら走っている赤べえ。それにガックが声をかける。
ガック「お兄さんの黒べえにいじめられたんでございますね。大事な槍をこんなにされちゃってからに。槍はジャングルの魂でございますものねえ」
頷く赤べえ。力になると言うガック。
ガック「ふたりはこれから味方同士よ」

ガックは大酋長を魔法で呼んで言いつけることにした。だが魔法で出てきたのは金色の壺だった。手紙が貼ってある。
ベック「大酋長、いま忙しくて出かけられない。この壺の煙をベッカンコの神にかけよ。ベッカンコの神、大酋長の代わりする」
喜んだ赤べえは、それを持って去った。

赤べえは、その壺をベッカンコの神の像の前に置いた。煙が出て、それを浴びた像は喋り出す。
大酋長「赤べえ、お前か、わしを呼んだのは。どうした、何があったんだ?」
泣いて事情を訴える赤べえ。
大酋長「なに?黒べえがいじめて、そのうえ槍を?よーしわかった。ウラ―、黒べえ、ちょっとこっちゃあ来い!」
昼寝していた黒べえは起きる。
黒べえ「そのお声は大酋長!」
大酋長「そうじゃ、神に代わって大酋長が弟をいじめたお前を叱りにきた!」

大酋長に告げ口したな、と赤べえを殴る黒べえ。また赤べえは泣き出す。大酋長は黒べえに、槍を元通りにするまで許さんぞ!と言った。
黒べえはプラモデルを作っていたシシ男から接着剤を奪い、それで槍をつないだ。しかしくっつかない。

大酋長は、赤べえの槍を直すまで家に帰ってきてはいかんぞと言った。それを聞いて喜ぶ赤べえ。

空地の土管の上。お腹が空いたが、槍が直せないのでご飯を食べに帰れない黒べえ。泣き出す。

そこへベックが現れた。どんなものでもくっついて離れなくなってしまう「どんぴったん草」を持っている。これは大事な物だから、黒べえも大事なものをあげないと渡さないと言う。

夜。家に戻ってきたが大酋長がいるので家に入れない黒べえ。地面に穴を掘って、大事なものを取りに行った。
ベック「黒べえの『大事なもの」っていったいなんでしょうか?お楽しみ。ふっふっふ」

戻ってきた黒べえが抱えていたのはシシ男だった
黒べえ「黒べえの一番大事なもの、これ。シシ男!」
こんなもの貰っても何にもならない、と言うベック。

ベック「いいこと思いつきましたよ」
木製バットを取り出し、これでシシ男のお尻を100回叩けば草をあげると言う。迫るベック。たじろぐ黒べえ。

シシ男はベックからバットを奪い、それを黒べえに渡した。
シシ男「黒べえ、しかたないよ。ぼくを叩いていいよ」
お尻をつき出す。
シシ男「さあ、はやくやれ!」
黒べえ「シシ男、勘弁!黒べえ感謝する!」
バットを振り下ろす黒べえ。

しかしバットはお尻に当たる前に止まった。
黒べえ「黒べえ、どうすればいいか!」
泣き出す黒べえ。赤べえも。

ガックも貰い泣き。
ガック「どんぴったんはいらねえのかよ、ばかばかー!」
草を投げ捨てて去って行く。
それを拾って大喜びする赤べえ。
大酋長「黒べえよ、わしはそろそろ帰るぞ。眠くなったわい」
黒べえは大酋長に尋ねる。
黒べえ「黒べえ、赤べえとケンカしたくない。どうすればいいか?」
大酋長「それならば、仲なおりの魔法つかえばよろしい!おやすみ、黒べえ」

そんな魔法知らないという黒べえだが、ものは試しとやってみる。
黒べえ「ウラウラウラウラ!仲なおり仲なおり!ベッカンコー!」
すると葉っぱが輝き出し、ぼわんと煙が出て町中に広がった。

次の日の朝。身体がくっついて歩いているシシ男やその友人たち。「こりゃどうなってんの!」「くっついて離れないよ」「誰か助けて!」
ママ「これきっと黒べえさんの魔法の失敗よ!」

その行列に同じくくっついている黒べえ。
黒べえ「ウラウラ―!失敗、違う!これ、仲なおりの魔法!大成功!みんな仲良くくっついた!ウラウラー!」

その後の『ジャングル黒べえ』

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演出(全話演出)は出崎統でした。1970年『あしたのジョー』、1973年『エースをねらえ!』など劇画タッチの作品で有名ですが、本当はこういうギャグ作品が好きだったそうです。なお絵コンテ担当のさきまくらとは、同氏の別名のひとつです。
2011年、61歳の若さで他界されました。

黒人差別の問題(出崎統はインタビューで「黒い人が出ているというだけで埋もれて表に出て来られない可哀想な作品」と評していました)で長らくソフト化されませんでしたが、2015年に初回限定生産としてDVD-BOXが発売されています。

なお全61話と表記している資料も多いのですが、これは第25回放送「黒べえピリミーへ行くの巻」が前編後編とつながっているためです。
本記事ではDVD-BOXでのクレジットと同じ全62話といたしました。
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