この駅に着くと、いつも何となく胸騒ぎがする。

 

 

重粒子線治療が終了してから、あっという間に9ヶ月が過ぎた事になる。

早いなあとつくづく思う。

3月11日に6ヶ月間、服用し続けた抗がん剤からやっと解放されたものの、常に倦怠感は付き纏い、一日たりとも爽快感を味わい知る事はなかった。

 

私の自律神経は、何か行動しょうとする、その都度都度に、いつもシーソーの様にゆれ動いていた。

 

その抗がん剤が終了しての、初めての検査であるから、どうも落ち着かない。

 

 

血液検査を済ませて、MRIの検査になる。

あたかも電気太鼓が乱打され、鳴り響くドームの中へ横たわるようだ。

「息を吸って,吐いて,そのまま止めて」。

この約40分間が長かった。

 

診察室で映像を見ながら、医師から説明を受ける。

白く光る癌細胞が浮かび上がる。

丸く小さな形だ。

「全く大きくなってもないし、肝臓への転移も見られない。非常に順調です。」

「しかし、この小さな目に見える塊の中に、癌は生きてるかもしれないし、増殖能力を失っているかも知れない。その正確な判断は、生検検査をするしかないが、今しばらくは3ヶ月の定期検査を続けることが最善策である」との結論だった。

文京区にある大学病院で、膵炎で入院した際、そこで偶然見つかった癌の早期発見と、実効性のある重粒子線治療に驚きと感謝である。

 

そうと決まれば、次は舞台の準備だ。

沸々と闘志が漲ってくる。