注) この色の文字は登場人物のセリフとナレーション、この色の文字はオパールの勝手な感想です

 第66話

階段から落ちた柳子は流産した、柳子自身も危険な状態で、手術することになった。輸血が必要になり、柳子と同じO型の一也が輸血を申し出る。
「ふざけるな、貴様の血で柳子を汚されてたまるか。柳子は私の妻だ、野良犬の血で汚されてたまるかと言ってるんだ。貴様帰れ」
と圭吾。
「圭吾さん、柳子さんを死なす気ですか」
と圭吾を止める貴久子。
「天堂さん、お願いします。柳子さんを助けてやって下さい」
と貴久子は言い、頷く一也。
「いくらでもぬいてくれ、俺の命はどうなっても構わん。俺の命はこの人に貰ったものだ。この人をこの人を助けてくれ」
と採血されながら、一也は思う。

柳子の様態は峠は越えたが、母体を守る為に子宮を取ってしまったと告げる医者。本人の耳には、しばらく入れないでくれ、時期を見て自分から話すと、医者に頼む貴久子。圭吾はもう柳子は後継ぎは産めないのか、どうしてだと一人で騒ぐ。結果はどうなったと聞く一也に、圭吾は助かったと言うが、
「喜ぶべきか、悲しむべきか。貴様のお陰で柳子の命だけは助かった。礼を言わせて貰うよ」
「それじゃあ、お腹の子は?」
「駄目だった」
と圭吾。
「貴様のせいだぞ。貴様がなんだかんだと私達に立てつくから、こういう事になったんだぞ」
あのー、それは違うでしょ、人のせいにするんじゃないよ圭吾さん。自分のせいで柳子は階段から落ちて、流産したんでしょう。貴方のせいなんですけど…。圭吾さん。( ̄0 ̄;
「残念な事したな。亡き男爵の血を引くりっぱな子を期待していたんだ」
と一也。そこに、琴子が来た。一也が輸血して、柳子が助かったと知ってお礼を言い、圭吾を睨んで病室に入る琴子。圭吾は病室のドアの前で、
「柳子、どうする。もう後継ぎは出来ないんだ。どうすればいい、どうすればいい」
と呟き、立ち去る。

翌朝、柳子の目が覚めた。喜ぶ貴久子と琴子。
「赤ちゃんは、私の赤ちゃんは?」
と聞く柳子。黙って首を横に振る貴久子。駄目だったと知って
「どうして、私の命なんてどうでもよかったのに。罪人は私なのに、赤ちゃんに罪は無いのに。赤ちゃんを返して、私の赤ちゃんを返して。私の命を引き換えに、赤ちゃんを返して…」
と柳子は泣き叫ぶ。
うう、可哀想な柳子さん。(T_T)辛いですよね。

充分に柳子は償っている自分を責めるなと貴久子は慰める。そこに、圭吾が入って来た。圭吾を見て柳子は、
「出てって、貴方が赤ちゃんを殺したの、出てって」
と泣き叫ぶ。言うとおりにしてくれと貴久子に言われ、圭吾は出て行く。

もう少しで多摩川堤防の工事が完成する所まで来た。そこに、ピストルが片岡元の物だという証拠を掴んだという弁護士からの電話が入った。喜ぶ一也と飛田組の小池。英次も飛田組で働いていた。

これはきっと天罰なのだ。柳子は何度も何度もそう自分に、言い聞かせていた。一也に輸血した時のことを思い出す柳子。そこに、一也がお見舞いに来た。
「貴方のお陰です。本当にありがとう」
とお礼を言う柳子。
「昔のお返しをしただけさ」
「昔の?私も今そのことを考えていたんです。貴方に私の血を差し上げたあの時のこと」
「8年になるな」
「その間に、私何度貴方に救われたでしょう」
と柳子。お見舞いの花を柳子に渡す一也。一也が面倒を見ている子供達も、いつも柳子のお見舞いに来ていた。子供達をりっぱに育て上げていきたいと一也は言う。今回の不幸は忘れて、またりっぱな赤ちゃんを作れと一也は柳子に言うが、柳子は
「私にはもう、主人の子供を作る気は無くなりました」
と言う。何故と聞く一也に、何故かしらと柳子。そこに、子供達が柳子のお見舞いに来た。


10日後、柳子は退院して琴子に付き添われて、家に戻って来た。すっかり柳子の顔色がよくなって安心する貴久子。景清の仏前に退院の報告をする柳子。昔に戻ったようだと貴久子は言う。そこに、圭吾が華族会館建設の目的で寄付を集めた熊谷夫人達が、圭吾を訪ねて来た。圭吾は留守だった。彼らは圭吾をペテンだと言い、今すぐお金を返せと言う。来るべき時が来た。それは紛れもなく、朝倉家崩壊の前兆であった。

一人書斎で、柳子は離婚届を書き始めた。そこに圭吾が帰って来た。
「今離婚届にサインを済ませました。貴方も今すぐサインをして下さい」
「何だと」
とうとうというかやっと離婚を決意しましたね、柳子さん。赤ちゃんを駄目にされて、柳子が止めたにもかかわらず詐欺まがいのことをして、もうどうしようもないですね、圭吾さん。いつまでも自分のやって来た道に固執する辺り、圭吾は意地っ張りだと思ったけど、それを通り越して偏執狂っぽいかなあって思ってしまいました。お金=華族の誇りって考えが違うってことに、いい加減気がつけよぉぉっていつも思ってるんですが、無理?(^_^;)ラストが近いので、もうそろそろ気づいて下さい、圭吾さん。(;^_^A

 第67話

「何を血迷っているんだ」
柳子から離婚を言われて、圭吾は離婚届を破る。
「いくら破いても何度でも書き直します」
「君はそんなに私と別れたいのか?何故だ、ん、何故だ?」
「赤ちゃんが死んでしまったのは、神様が私達に与えられた天罰です。今まで行なって来た数々の罪に対する罰なんです。私はもう罪を犯したくありません」
柳子は、圭吾が寄付金をすぐに返さないと詐欺になると、弁護士に聞いたと言う。
「何が詐欺なもんか。私は誠意を持って寄付金を集めただけだ」
「じゃあ今そのお金はどこにあるんですか?」
「金は全部小豆相場に注ぎ込んだ。最後の大勝負だ、必ず勝ってみせる」
はあ?小豆相場。(^_^;)なんじゃそりゃーっと思わずオパールは叫びそうになりました。最後は博打みたいなことに頼るなんて、この人一体…。そんなことでは、事業家としては完全に失格ですよね。(;^_^A

「やはり、華族会館建設は嘘だったんですね」
嘘ではない、必ず相場で儲けて必ず建てる、お金を2倍にも3倍にもしてみせると言う圭吾。
あのー、それってギャンブルにはまってる借金大王の言訳の常套句なんですが…。(^_^;)
「刑務所の中で誇りを泥まみれにしながら、お金を数えるんですか」
「うるさい黙れ、貴様」
「わかりました、もう一切口出しはしません。だから、この場で離婚して下さい。お願いです」
別れてどうするんだと圭吾。
「私なりに朝倉の名に恥じぬように、生きるつもりです」
「嘘だ天堂だろうそうだな。あの男が帰って来たあの日以来、お前の心の中には絶えずあの男が居た、そうだろう、裏切り者、売女!」
と圭吾はまた柳子に乱暴をしようとする。
またー、暴力。┐( -"-)┌最近、柳子に対する言葉使いも乱暴だし、元華族様でしょう圭吾さん。(^_^;)

「どうぞ、好きなだけお打ちなさい。どんなことをされても、私の気持ちは変わりません」
と柳子。圭吾は柳子を抱きしめて、考え直してくれ、頼む、柳子を愛してるんだと言い、

「子供も死んで、私達は二人だけじゃないか。もうこれっきり後継ぎは出来ない。朝倉家は君と私が最後なんだよ、柳子。君に子供が出来なくなった今、私達二人が朝倉家を再興しないで一体誰がやってくれると言うんだ」
と圭吾は、柳子が子供を産めなくなった事をばらしてしまう。
「そんな…」
柳子は、赤ちゃんを産めないのは本当かと、貴久子に聞く。
「本当です」
と貴久子。
「柳子さん、朝倉家もこれで終わりかと思うと、私の胸も張り裂けそう。でも耐えなければ。人は生きて行く限り、どんな苦しみにでも耐えなければ」
と柳子の手を握り締めて貴久子は言う。
「やはり、天罰が下ったんですね」
「貴方がそう思うのなら、きっとそうなのでしょう。私も貴方と一緒に喜んで、その罰を受けますよ。それが私達の誇り、朝倉の誇り」
と貴久子。貴久子に抱き付いて泣く柳子。
あちゃー、柳子にばらしちゃうなんて、圭吾さん(>_<)。しかし、柳子に離婚を言い出されて、暴力をふるって駄目なら今度は泣き落としとは、未練たらしいですね。( ̄0 ̄;

柳子は、聖ミカエル教会に来ていた。流産し二度と子供を産めないという神が下された天罰を喜んで受けると、柳子は誓っていた。これからは、決して涙も流さないし恨まない、その代り新しい力を新しい生きて行く道を教えてくれ、誇りある人間への世界に導いて欲しいと祈る柳子。そこに、服を盗まれたと英次達が、他の孤児達を追いかけて来た。それが本当なら服を返しなさいと柳子は言うが、首を横に振って服を返さない孤児達。英次達とその孤児達はケンカを始める。
「止めなさい、神様が見てらっしゃるでしょう。君達、神様の前で嘘つくとばちが当たるのよ。返しなさい、きちんと謝りなさい」
と柳子が言うと、その孤児達は服を返して謝る。柳子はすっかり子供達と仲良くなった。

柳子は自分の服を、子供達の為にミシンで縫い直した。「なすび」に服を持って行く柳子。英次が舎弟が4人増えたと、昨日服を盗った孤児達を連れて来た。ここで面倒を見て欲しいと英次。まとめて面倒を見ると言う一也。

小豆相場が急落して、圭吾は新たな資金集めに奔走していた。柳子は子供達を朝倉家に連れて来た。子供達がいっぱいで、朝倉家はにぎやかだった。そこへ圭吾が帰って来て、杉山が警察に捕まったと言う。弁護士の深沢は、寄付で集めたお金を目的以外に使うのは詐欺だ、小豆相場でお金を失って返済出来ないのは詐欺だと言う。杉山は別件で逮捕され、圭吾のことをじっくり調べていると弁護士は言う。何とか出来ないのかと深沢弁護士に食ってかかる圭吾だが自首して欲しいと柳子は言う。
「私がご一緒します。朝倉家の名誉にかけて、自首をして下さい」
と深沢も言う。そんな深沢を帰れ、老いぼれと罵る圭吾。深沢弁護士は、悲しそうな顔をして言う。
「奥様、私の役目はもう終わったようです。朝倉さん、貴方は今保釈中の身です。今度こそ実刑は免れようがありません。ご覚悟を」
と、景清の写真に一礼して、部屋を出て行く深沢弁護士。

「先生、長い間ありがとうございました」
と深沢を玄関まで送り、お礼を言う柳子。
「男爵様の残されたこの屋敷も、今度ばかりは無事に済まないと思います。奥様、どうかこれからも気を強くお持ちになって生きて行って下さい」
と深沢は言う。また、雄介の方は必ず無罪を勝ち取って見せると、深沢は帰って行く。
あんなに、忠告してくれた深沢弁護士にも、「老いぼれ」とか罵っちゃう圭吾。もう完全に救いようがないです。(^_^;)深沢さんも哀しそうでしたね。
一人残された圭吾は、不安?に慄いていた。

 第68話

お酒では何も解決できない、お酒を飲むのは辞めてくれ、残されたわずかな時間で話そうと、柳子は圭吾に言う。
「もう全ては終わりです。お分かりになってらっしゃるんでしょう、本当は」
「全てが終わり、朝倉が終わり、君の愛も終わったか」
と圭吾は泣き笑いをする。
「柳子、私は君を愛している、愛し続けている、何もかも終わっても私は君を愛している」
一緒に戦って来たのに、どうして心変わりしたのかと、圭吾は柳子に聞く。
「貴方より少し早く間違いに気づいたからですわ。出来ることなら貴方と同時に同じ時間に目覚めたかったけれど」
と柳子。圭吾は何に目覚めるのだと聞く。
「君は前に言ったね、華族の誇りなどドブに捨てた方がマシだと。華族の長い長い美しい伝統など何の価値もないと。目覚めるとは、そういうことなのかね」
「人の命を犠牲にしてまで、守るべきではないと言ったんです」
と柳子。圭吾は違うと言う。
「そんな目覚めなら、永遠に来ない方がマシだ。人の命に代えても守らなければならない物はある。この世の中にそれは必ずある、それが誇りだ、それが華族の心だ。でなければ、日本は日本人は平等というまやかしの中で、どこまでも卑しくどこまでも醜く成り下がってしまう。豚は死ぬべきだ。そして、華族の心こそ永遠に生き続けるべきだ」
と圭吾。自分も同行するから、潔く法の裁きを受けようという柳子に、自首はしない自分の幕は自分で引くと圭吾。
「男爵とも最後の話をしたいしな、一人にしておくれ」
と圭吾。そっと部屋を出て行こうとする柳子に、圭吾は
「ごきげんよう」
と頭を下げる。
「ごきげんよう」
柳子も言う。

うーん、圭吾さん自分が破滅の道に向かって進んでいることを知っていた?しかし、人の命より大事な誇りって…。「豚は死ぬべき」って論理もいまいちオパールには理解出来ませんが(;^_^A 。華族の誇りを何よりも大事にする気持ちはわかるのですが…。

柳子の中に、突然夫圭吾への憐れみが突き上げて来た。かと言って今となって、何をしてあげられるだろう。さようなら、圭吾さん、さようなら、私の夫。
柳子はピアノを弾く。
「柳子…」
圭吾は引出しからピストルを取り出し、
「君の全てを愛していた」
と呟く。

圭吾が「なすび」に来た。圭吾はピストルを取り出し、一也に銃口を向ける。
「天堂、貴様のお陰で何もかも失った」
「憎いか?」
「男には生涯憎み合う相手が一人居る。天堂、それが貴様だ」
「撃ちたきゃ、撃て」
この後に及んで、一也を道連れにしようとしている?圭吾。潔くないなあ。(^_^;)
一也は目をつぶる。引き金を引こうとする圭吾。そこに、子供達が二階から下りて来た。子供達と一也のやりとりを見て、圭吾はいなくなってしまった。
あれ?子供達を見て、一也を殺せなくなった?

その夜、朝倉圭吾は東京から姿を消した。

琴子から、雄介が帰って来ると聞いて喜ぶ柳子。圭吾はどこに居るんだろう、もう帰って来ないだろうと琴子は言う。
「一緒に行くべきだった」
と小声で呟く柳子。柳子は、林の中をさ迷う圭吾を思い浮かべる。

琴子が飛田組へ帰ると、雄介が戻っていた。喜んで泣きながら、雄介にしがみ付く琴子。雄介が帰って来て、一也も飛田組のみんなも大喜びだった。一也は大きな借りが出来てしまったと言うが、一也がいい弁護士をつけてくれたお陰だ、貸し借りはないと雄介。「鐘の鳴る丘」でも何でも自分の好きな道を選んでくれと雄介は、一也に言う。

深沢弁護士は、圭吾と離婚できれば圭吾だけの責任問題になり、柳子や朝倉の屋敷には責任は及ばないと言うが、柳子は、圭吾だけの責任ではない自分にも責任があると言う。
「被害者の方には、何としても償いをしたいと思っています。朝倉家の土地、屋敷の事は覚悟が出来ています」
と柳子。そうですかと深沢。そこに、圭吾が自殺し、死体が赤城山の山中で見つかったとの知らせが入った。深沢が部屋を出て行くと、力なく崩れ落ちる柳子。

夫朝倉圭吾の自殺、あの夜姿を消して以、来覚悟をしていたことだった。夫圭吾は、自らの誇りにかけて、自ら舞台の幕を引いたのだ。昭和24年早春のことであった。

とうとう、自殺してしまいましたね、圭吾さんΣ(T▽T;) ぐわわぁぁ〜ん! 自業自得の感も拭えなくないのですが、圭吾は圭吾で自分の信じる華族の誇りを守ろうと、今までやってきたわけですしね。冥福を祈ります。そして、一人になった柳子さんはこれからどうなるのでしょう。

 第69話

圭吾が死んでしまった。
「お父様、申し訳ありません。どうしてもこのお屋敷を、手放さなくてはならなくなりました。お許し下さい」
と景清の仏前に謝る柳子。しかし、貴久子は柳子の処置は正しかった、朝倉家の責任だから朝倉家の全てを投げ出して、世の中の人にお詫びをしようと、景清も許してくれるだろうと言う。貴久子は巡礼の旅に出ると言う。柳子も一緒に行きたいと言うが、貴久子は別れを言った時の圭吾の顔は、苦しんでいるようには見えなかった、得意そうな満ち足りた顔をしていたと言う。
「柳子さん、貴方がもしまだご自分に罪があるとお思いな、私がそれを背負って歩きましょう。ですから、貴方は一日も早くこれからの生きる道を見つけて下さい」
はい、わかりましたと柳子は返事をする。
うーん、すっかりいい人になってしまいましたね、貴久子さん。「私がそれを背負って歩きましょう。」なんて…。(T_T)世間知らずの華族の奥様から、貴久子さんも精神的に自立した素敵な女性になってよかったです。

柳子は、琴子にしみじみと言う。この屋敷がなくなっても、私達の心には残ると言う。琴子はアメリカへ行き英語の勉強をし、帰ってきてから雄介にプロポーズすると言う。

貴久子は、朝倉家に嫁いで30年、こうしていると昨日のことのようだ、自分は幸せだったと言う。柳子と琴子が仲直りして、真剣に自分の道を歩き出そうとしていると、多いに喜ぶ。貴久子はきぬに今までありがとう、ご苦労だったと言うが、きぬはこれからもずっと貴久子に仕えたいと言う。ありがとうとお礼を言う貴久子。

多摩川堤防工事の完成まで、あと1日の所まで来た。雄介は一也にお礼を言う。一也も雄介に出会ってなかったら、どうなるかわからなかったとお礼を言う。一也はこの仕事が終わったら「鐘の鳴る丘」を作りに田舎に行くつもりだった。雄介は柳子も一緒に連れて行けばと言う。考える顔付きの一也。

一也は、柳子達が屋敷を手放すと知って、景清が築いた物全てが無くなってしまう、それでは圭吾の死が無駄になってしまうとと言い止める。
「確かにあの人は私を目の敵にしていました。ですが、それもひとえに朝倉家を守らんが為です。その気持ちは、私には痛いほどわかります。生れ落ちた場所と手段の選択の違っただけで、誇りを大切に思う気持ちに、変わりは無かった。朝倉家を守りきれなかったあの人の無念は、私の無念でもあるのです」
優しい一也。(^_^;)あれだけ嫌な目に遭わされたのに、圭吾の気持ちがわかるなんて。一也も圭吾も「誇り」を、「朝倉家」を大事に思う気持ちは、共通していたわけですものね。でも、景清の心の弟子というか後継者というか、景清の精神を受け継いでるのは、圭吾よりやっぱり一也だとオパールは思います。(*^▽^*)

もういいのだ、かえって心の重荷を下ろすことが出来たと柳子。
「天堂さん、私達は殿様が築かれた物が、全て無くなってしまったとは思っておりません。殿様のご意思、精神はしっかりと残されていますよ」
と貴久子は、景清の愛刀を一也に託す。
「殿様の愛刀です、朝倉家代々に伝わる物、お受けとり下さい」
「そんな」
「貴方にこそ、受け継いで頂きたいと私も思います」
と柳子。
「天堂さん、殿様の誇りを、貴方の中でしっかりと受け継いで下さい」
と貴久子。
今まで、貴久子さんのことはあまりいいこと書いて来なかったオパールですが、貴久子さんが話すと、なんというか威厳があるんですよね(^O^)。稲垣美穂子さんのセリフ使いの上手さなのかなあ、やっぱり華族の奥様の品格みたいのがあって。以前は、その威厳がなんか冷たく感じてたんですが、貴久子の気持ちが優しくなってからは、いいなあって密かに思ってます。と現金なオパール。(⌒∇⌒)
「ありがたく頂戴します」
と、一也は景清の愛刀を受け取る。

柳子は一也に、貴久子と琴子の行く末を話す。一也もタカとの約束の孤児院を作る為、東京を離れると言う。週末には発つと言う一也に、寂しくなると柳子。出発前に自分のピアノを子供達に聞かせてあげたいから、子供達を呼んでお別れパーティをやろうと言う柳子。柳子の寂しそうな後ろ姿を見て、一也は柳子にこれからどうするつもりなのかと聞く。
「もし、まだ何も決めていないのなら、俺と一緒に孤児達を育ててみないか」
きゃー、言ったー、一也君、待ってました。(^O^)
タカが最後に一也達に言い残そうとしたのは、きっと一也と柳子に自分の夢を託したんではないかと、一也は言う。
「私もあの子達を我が子のように可愛く思います。一緒にいると心が洗われるような気がします。あの子達の一人一人が、私の赤ちゃんの生まれ変わりのような気さえします」
と柳子は言う。
「それじゃあ、一緒にやろう、鐘の鳴る丘を」
一也は喜んで言う。でも、柳子は自分には無理だと言う。何故だと一也。
「私にはあの無垢な子供達を育てる自信がありません。それをするには、私はあまりにも罪深く汚れきっています」
「何を言うんだ。君はもう充分に罪の償いはしたじゃないか」
と一也。柳子は振り返って言う、
「いいえ、私には資格がありません。私には私なりの生き方があると思います。時間がかかるでしょうけど、それを探し出したいんです。ですから、そのお話はもう…」
と。
「そうか」
とがっくりしたような一也。
うーん、柳子さん断ってしまった。OKしないのかなあ。(-_-;)やっぱり、最後は一也と結ばれてほすぃよぉぉー。(^_^;)

玄関まで、一也を見送る柳子。刀を大事にすると一也。
「それじゃあ」
と別れを告げる一也。
「ごきげんよう」
と柳子。一也は朝倉家を去って行った。

そこに、圭吾が死ぬ前に書いた手紙が届いた。
「柳子、いつ間違ってしまったんだろうね、どこで違ってしまったんだろう。気がつくと、君は隣にいない。私は一人ぼっちだ、とても孤独だ。私は平等をいいことに、卑しい者達が美しい日本を日本の心を土足で踏みにじるのを許さなかった。誰もが小さな自由を叫び、大きな自由を失い、誇りを失い、礼節乱れ、目先の利益に血眼になって、ただ狂う。私はね、君と力を合わせてその醜悪を叩き潰したかった。それこそが華族の使命だと信じたからだ。そして、私は敗北した。何も司直の手を煩わすことはない。自分の人生の幕の下ろし方位は、心得ている。今日、茜色に輝く美しい雲を見た。私の生涯で見た恐らくもっとも美しい雲だったよ。そして、ふいに雲ばかりを追い掛けていたあの頃を思い出した。その雲間に君と過ごした美しい時間が見え隠れした。はあ、雲は美しいね。流れて行く雲は自由で誇らしげだ。誇りか・・・。そうだ、私も雲になる、雲になって真の誇りを探してみよう。愛する柳子、君に最後のプレゼントがある。机の引き出しに入っているよ、受け取ってくれたまえ」
机の引き出しを、柳子が開けると、そこには、圭吾がサインした離婚届と結婚指輪が。
「今日から君は自由だ、柳子。どうか君もあの雲のように自由に誇らしく生きてくれ、いつまでも誇りを持って美しく。ごきげんよう、柳子」
柳子は結婚指輪を外して、圭吾の結婚指輪の隣に置いた。
「ごきげんよう、貴方」
柳子は呟いた。

うーん、圭吾さん、言いたいこと、正論の部分もあるけど、違うんではない?ってこともありますね。圭吾流で朝倉家や華族の誇りを守りたかったのはわかるけど、「目先の利益に血眼になって、ただ狂う」の部分は、新橋の土地を片岡君と争ったり、詐欺まがいのことしてお金を集めた自分の行為だって、当てはまるのではないでしょうかねぇ、とまたまた突っ込むオパール。(^_^;)雲の写真を撮っていた頃の圭吾さんが、一番純粋だったと思います、懐かしいです。でも、最後は柳子を自由にしてくれていい所ありますね。ご冥福を祈ります。

 最終話

一也は、タカの墓に工事の完成といよいよ「鐘の鳴る丘」作りに取りかかる報告をしに来ていた。そこに、柳子が来た。貴久子がお遍路に出発したと告げる柳子、柳子も寂しくなるなと一也。そこに、子供達が来て柳子も一緒に田舎へ行こうと誘う。一也は柳子にも都合があるからと止める。
「ごめんね、おばちゃん、ね、行けないの、ごめんね」
と泣きながら柳子は去って行った。
うーん、子供達は柳子のこと「おばちゃん」って呼んでいるけど、柳子はまだ29歳だし「お姉さん」と呼んであげてなんて思っちゃったりするオパール。(^_^;)やっぱり「おばちゃん」が一般的なんでしょうかね?

その翌日、柳子のはからいで、飛田組の工事の完成と天堂と子供達の送別を兼ねたパーティが開かれた。それは、朝倉柳子と天堂一也の最後の別れのパーティでもあった。みんなに挨拶し、飛田組との争いのお詫びを言う柳子。今までのことはみんな水に流すと雄介。
「皆さんの健康と明日の為に、乾杯しましょう、乾杯」
と柳子の音頭で乾杯する一同。楽しそうに踊ったり、歓談する一同。

一也はその場を抜け出し、一人仏間に行き、景清の位牌と写真の前で拝みながら、亡き景清の姿を思い出していた。そこに、いつの間にか柳子が来ていた。
勝手に人の家を歩き回り仏間に入る一也。(^_^;)とまたまた、突っ込み。

雄介に、自分はアメリカに行くから帰って来るまで待っていてくれと琴子は言う。いつまでも待っていると雄介。

寝てしまった子供の一人を、ベッドに運ぶ一也と柳子。子供の寝顔を見て、どんな夢を見ているのだろうと柳子は言う。夢は田舎の高原に飛んでいると一也は言いながら、部屋を出て行こうとする。
「天堂さん、貴方どうして子供達の為に生きる決心をしたんですか?ご自分の幸せは考えないんですか?」
と聞く柳子。
「自分一人の幸せなんてな、ちっちゃなものさ。世の中みんなが幸せになれば、自然と自分も幸せになれるよ」
と言い、部屋を出て行く一也。寝言で、母親を呼びながら、柳子に抱き付く子供。柳子はその子を優しく抱きしめた。

そして、翌日聖ミカエル教会でお祈りをし、出かけようとする一也と子供達、そこに、柳子がやって来た。大喜びで
「本当に一緒に来るの」
と柳子に駆け寄る子供達。
「連れてってくれる?」
と笑顔で答える柳子。電車の中で、貴久子から届いた葉書を一也に見せる柳子。「鐘の鳴る丘」が完成したら、貴久子も呼び寄せようかと言う一也。喜ぶ柳子。今までの柳子と一也の数々の思い出のシーンが次々と出てくる。
これは、やっぱり最終回のサービス?でしょうね。(^_^;)

「幸せの丘」と名付けられた土地で、一生懸命働く一也、柳子と子供達。自然の中でカレーを食べる一同。子供達の笑顔を見て、柳子と一也も笑っている。鐘がどこかで鳴っている、一也にの横に立つ柳子。子供達も集まって来た。

長い嵐が去って、明るい日差しのもと、元気な子供達の顔があった。自分一人の幸せなんて小さな物だ、世の中みんなが幸せになれば自然と自分も幸せになる。それこそが人間の真の誇りなんだ。生まれ変わった朝倉柳子と天堂一也の新しい人生の旅立ちであった。

よかったですね、柳子さんも一也君も幸せになれて。(T_T)朝倉家の屋敷はなくなってしまったけど、景清の誇りは柳子と一也と子供達に受け継がれて行くのですね。ナレーションの後、エンディングの絵画風の絵になった時、最後の最後で、柳子達の「鐘のなる丘」と言うべき赤い屋根の建物が完成してましたね。終わってしまって寂しいけど、「華の嵐」よ永遠にあれ。ここまで、オパールの感想を読んでくださった方、本当にありがとうございました。m(_ _)m The end!


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