『自殺サークル』
2001年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 園子温
撮影 佐藤和人
音楽 長谷川智樹
出演 石橋凌/永瀬正敏/麿赤児/迫英雄/さとう珠緒/宝生舞/野村貴志/ROLLY/ジョシュア/辻岡正人/濱本康輔/ナガセケイ/嘉門洋子/森麻衣子/萩原明/金子貴俊/田中圭/螢雪次郎/余貴美子
《解説》
それではみなさんさようなら
新宿のプラットホーム、楽しげにおしゃべりをする女子高生の集団、電車がホームに入ってきた瞬間、彼女たち54人の女子高生たちが手をつないだまま飛び降りた、同じ頃、各地で集団自殺が次々と起こり始める、事件なのか事故なのか
現代の闇に潜む連鎖自殺の恐怖を描くミステリー、国内で流行しはじめた、集団自殺をテーマにした作品、監督・脚本は園子温、主演は石橋凌と永瀬正敏
《物語》
5月26日、新宿の駅のプラットホームから54人もの女子高生が飛び込み自殺、ある病院ではナースが飛び降り自殺、都市全体があちこちで集団自殺が勃発し始めた
刑事たちはそれを事件とするか事故とするか迷うばかり、そんな時にコーモリと名乗る女性からの電話が警察にかかり、刑事たちに集団自殺と関係ありそうなサイトの存在を知らせる
5月27日、捜査を開始する黒田刑事と渋沢刑事、病院での自殺現場にスポーツバッグが残され中には繋ぎ合わされた200人近い人間の皮が残されていた、ホームの現場にも同じ物があった
5月28日、またもや高校生の集団自殺が発生、校舎から飛び降り自殺をしたのだ、最後に飛び降りた生徒は自殺クラブと叫んで飛び降りた、警察の捜査も進まない
5月29日、ミツコの彼氏のマサが飛び降り自殺をし、下にいたミツコにぶつかった、マサの背中の皮が剥がされていてスポーツバッグの中の人間の皮と一致した
5月30日、突然、黒田を名指しして次回の集団自殺の日時を予告する電話が謎の子供からかかってくる、刑事たちは戸惑った、これはガセなのか本当なのか?
事件と感じた黒田は本格的な捜査に踏み切った、謎の子供に予告された日時と場所に張り込むその場では何も起こらず張り込みは終了、しかし子供の予告通り、都内のあちこちで壮絶な連鎖自殺が起こった
黒田もまた帰宅した家で待っていたのは家族全員の自殺現場だった、呆然とする黒田のもとに駆け付けた刑事たちの前に再び子供から電話が鳴る、謎のメッセージを受け取った黒田は突然に同僚の前で拳銃自殺
そんな最中、例のコーモリというハンドルネームの女性の田中清子が何者かの集団に拉致される、必死の捜査を続ける渋沢の前にコーモリの助けを求めるメッセージであっけなく犯人は姿を現し、ジェネシスなる人物を逮捕
こうして事態は収束するかに見えたが、その後も自殺者は増え続けた、そんな時に彼氏を自殺で亡くしたミツコが奇妙な発見をする
《感想》
オープニングで軽快な音楽と共に女子高生たちが駅のホームに集まってくるんです、当時の流行りのルーズソックスにミニスカートでね、そんな女子高生たちが隣の女子高生と手を取り合って一斉に飛び込むんです
54人の女子高生が一斉に自殺するものだからそのインパクトは凄いです、ホームで待つ乗客らは血しぶきを浴びて血塗れ、電車も血塗れで中にも血しぶきが飛び散るんです
病院ではナースが普通に宿直しているのですが、それじゃあ行くねと飛び降りるんです、ここで飛び降りたナースを演じるのがさとう珠緒と宝生舞
学校では屋上で昼食を食べている生徒たちが自殺の話しを話題にしていて、そのうちに1人が自殺すると言い出して、私も俺もと手を取り合って校舎から飛び降り自殺、生徒役に田中圭と金子貴俊が出演しています
壮絶な自殺シーンの連続で観る者を惹きつけます、まったく何がどうなっているのか分かりません、警察も事件なのか事故なのか見当もつきません
担当の黒田刑事を演じるのが石橋凌で奔走するのですが遂に自分の家族まで自殺してしまいます、家に帰ると全員死んでいるんです、そして壁にはメッセージが血文字で書かれているんです
部下の渋沢刑事を演じるのが「贅沢な骨」 の永瀬正敏、熱血刑事なのですが最初から事件ではと考えていたのですが、周りから自殺は事故だと言われてしまいます
しかも自殺の予告電話が入って刑事がホームで張り込みするのですがあまりに女子高生が多くて埒が開かず空回りしてしまい、渋沢刑事は倒れそうになります
でも違う場所では自殺者が相次いでいて、料理中に自分の指を包丁で切っていく主婦や電子レンジに頭を突っ込む女性や屋台の主人は薬で自殺
そんな中で自殺者を示したサイトを発見したコーモリと名乗る女性が自殺クラブのサイトに到達するんです、コーモリこと清子を演じるのが嘉門洋子、彼女はグラビアアイドルでしたがスキャンダルで見なくなりました
黒幕とされたジェネシスが逮捕されても終わる事がなくて、ミツコがデザートと呼ばれるアイドルグループからある発見をしてサイトを通じて接触するのですが、捕らえられて鉋(かんな)で背中の皮を剥がれるんです
ミツコを演じるのが萩原明ですごく目力の強い女性で本作には一般オーディションで抜擢されて映画デビューとなったのですが、その後はあまり活動をしていないようで残念です
本作は園子温監督の商業映画デビュー作品で、よくこんな凄まじい作品でデビューしましたね、有名な作品ではないですが観た人は忘れらないのではないでしょうか?、「紀子の食卓」 へと続きます
死のない時代の死のゲーム それが『自殺サークル』です。
古屋兎丸による同名漫画もありますが、こちらは映画と同じ事件を軸に展開するアナザーストーリーとの事です