福岡)高倉健さん、幻の「無法松」 関係者が明かす秘話
奥村智司
10日は俳優、高倉健さん(享年83)の5回目の命日。健さんが50代初め、ゆかりの深い北九州が舞台の「無法松の一生」に主演する話があったという。しかも、これ以上ないという魅力的なキャストで。健さんを知る田中寿一さん(85)=北九州市小倉北区在住=に当時の話を聞いた。
田中さんは1981年から83年まで、「駅 STATION」「海峡」「南極物語」「居酒屋兆治」の高倉さんの主演映画4本で、プロデューサーを務めた。
北九州市出身の田中さんは、小倉っ子のシンボルのような「無法松」こと富島松五郎を、川筋気質の流れる土地で生まれ、北九州で青春を過ごした高倉さんに演じてほしいと考えていた。「暴れん坊の半面、シャイな高倉さんが演じれば、九州のにおいのする最高の無法松になると思った」