『ムー実話怪談「恐」選集』
「ムー」より自信満々の招待状が届いた。
数あるオカルトコンテンツのなかで何故か長く定着し界隈に根強いファンを持つ「ムー」。
もはやその存在自体が軽いミステリな気がするのだが、今回は昨今話題になる事が多い科学、疑似科学方面ではなく《怪談》分野からのアプローチ。
怪談には「それが嘘であっても怖い」「本当にありそう」という独特の楽しみ方がある。
それも新進気鋭の怪談を集めたのではなく、過去の投稿を含めた総集編である。怪談史としても意味のある1冊になっていそうだ。
数あるオカルトコンテンツのなかで何故か長く定着し界隈に根強いファンを持つ「ムー」。
もはやその存在自体が軽いミステリな気がするのだが、今回は昨今話題になる事が多い科学、疑似科学方面ではなく《怪談》分野からのアプローチ。
怪談には「それが嘘であっても怖い」「本当にありそう」という独特の楽しみ方がある。
それも新進気鋭の怪談を集めたのではなく、過去の投稿を含めた総集編である。怪談史としても意味のある1冊になっていそうだ。
怪談師・吉田悠軌の選定と解説で浮かぶ「恐怖の系譜」
怪談と恐怖の形は時代の影響を受けている。
今どき妖怪ネタで怖がらせるのはなかなか難しく、またトイレの花子さんやテケテケといったあたりもだいぶ色褪せている感がある。
一方で「周囲にいるちょっと奇妙な人」風な話は真偽を問わず人気を集めているようだ。
このあたりの傾向と統計とかに触れてあるとなかなか嬉しいのだが、果たして?
今どき妖怪ネタで怖がらせるのはなかなか難しく、またトイレの花子さんやテケテケといったあたりもだいぶ色褪せている感がある。
一方で「周囲にいるちょっと奇妙な人」風な話は真偽を問わず人気を集めているようだ。
このあたりの傾向と統計とかに触れてあるとなかなか嬉しいのだが、果たして?
もちろん「ムー」節も忘れていない
「ムー」への投稿体験談をまとめている伝説のライター・T氏へのインタビューも掲載している。T氏は「あなたのミステリー体験」発足当初からの、たったひとりの担当者である。彼は30余年にわたり、毎月欠かさず投稿怪談を読みつづけてきたのだ。普段は表舞台に出ることのない、実話怪談界で最長老の書き手が語る「ムーへの投稿」の秘話は貴重な証言記録である。
でました「ムー」名物のイニシャル人物!
「ムー」と言えばイニシャル、イニシャルと言えば「ムー」でしょう(言い過ぎか?)
果たしてこの人物は実在するのか。いったい何を語るのか。そしてその真偽やいかに。
……しかしもう「ムーにおいて30年間怪談を受け付けてきた人」という存在がおもしろいのがずるい。そういう設定でひとつふたつくらいは怪談がひっぱれそうなものです。
「30年間同じ仕事をしている雑誌編集者」より「30年間同じ仕事をしているムー編集者」の方が急にアヤしさが出る、というのはちょっと贔屓し過ぎでしょうか。
「ムー」と言えばイニシャル、イニシャルと言えば「ムー」でしょう(言い過ぎか?)
果たしてこの人物は実在するのか。いったい何を語るのか。そしてその真偽やいかに。
……しかしもう「ムーにおいて30年間怪談を受け付けてきた人」という存在がおもしろいのがずるい。そういう設定でひとつふたつくらいは怪談がひっぱれそうなものです。
「30年間同じ仕事をしている雑誌編集者」より「30年間同じ仕事をしているムー編集者」の方が急にアヤしさが出る、というのはちょっと贔屓し過ぎでしょうか。
商品概要
ムー・スーパーミステリー・ブックス『ムー実話怪談「恐」選集』
選者:吉田悠軌
定価:本体900円+税
発売日:2018年7月20日(金)
判型:新書判/256ページ
電子版:あり
ISBN:978-4-05-406658-8
発行所:(株)学研プラス
「ムー」公式ウェブ:http://gakkenmu.jp/
選者:吉田悠軌
定価:本体900円+税
発売日:2018年7月20日(金)
判型:新書判/256ページ
電子版:あり
ISBN:978-4-05-406658-8
発行所:(株)学研プラス
「ムー」公式ウェブ:http://gakkenmu.jp/
【本書のご購入はコチラ】
トピックス 怪談よもやま話
都市伝説
1970年代の怪談から話をスタートしよう。
古来、怪談と言えば妖怪や鬼や幽霊など《超常》の存在が活躍しがちだったが、この時代になると《日常》的な存在が目立ち始める。
現代の怪談としてご紹介しておきたいのは「口裂け女」である。
古来、怪談と言えば妖怪や鬼や幽霊など《超常》の存在が活躍しがちだったが、この時代になると《日常》的な存在が目立ち始める。
現代の怪談としてご紹介しておきたいのは「口裂け女」である。
via www.amazon.co.jp
街中を歩いているとマスクをした女性が現れ「わたし、きれい?」と訊いてくる。
「きれい」と返したところマスクを外すではないか。見ると、なんと口が裂けている――
というのが簡単なあらすじだろうか。「わたし、きれい?」に対して否定的なことを言うと持っていた凶器で殺される、というパターンもよく聞く。
日本全国どこででもありそうな話だが、その出典は《1978年の岐阜県》とかなり限定されている。
というのもこの話が岐阜県の新聞に載っているからであり、それから時を経て週刊誌に登場。この頃にはテレビにも取りあげられたのだろう、様々な目撃談が各地で発生し、警察の出動沙汰も数回起こっている。
結果、この話に影響を受けた(?)という女性が口裂け女の真似をして刃物を持ってうろつき、銃刀法違反で逮捕された――というオチのような逸話も存在している。
もっともこの逮捕については伝説から派生したオチではなく、実際に起こった案件だったとのことである。
「きれい」と返したところマスクを外すではないか。見ると、なんと口が裂けている――
というのが簡単なあらすじだろうか。「わたし、きれい?」に対して否定的なことを言うと持っていた凶器で殺される、というパターンもよく聞く。
日本全国どこででもありそうな話だが、その出典は《1978年の岐阜県》とかなり限定されている。
というのもこの話が岐阜県の新聞に載っているからであり、それから時を経て週刊誌に登場。この頃にはテレビにも取りあげられたのだろう、様々な目撃談が各地で発生し、警察の出動沙汰も数回起こっている。
結果、この話に影響を受けた(?)という女性が口裂け女の真似をして刃物を持ってうろつき、銃刀法違反で逮捕された――というオチのような逸話も存在している。
もっともこの逮捕については伝説から派生したオチではなく、実際に起こった案件だったとのことである。