『みどりの守り神』とは?
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『みどりの守り神』は、藤子-F-不二雄さんによるSF短編マンガ。
1976年に漫画雑誌『マンガ少年』9月号に掲載され、中央公論社の愛蔵版『SF全短編』第2巻や、藤子-F-不二雄さんの読み切り漫画を扱った短編集にも収録されています。
1976年に漫画雑誌『マンガ少年』9月号に掲載され、中央公論社の愛蔵版『SF全短編』第2巻や、藤子-F-不二雄さんの読み切り漫画を扱った短編集にも収録されています。
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この当時に発売されたVHSビデオには『絶滅の島』も同時収録されていて、お得感のある商品となっています。今回の記事では、こちらのOVA版『みどりの守り神』の内容を中心に振り返っていきたいと思います。
OVA版『みどりの守り神』の本編動画・ストーリー
SF 短編 みどりの守り神
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主人公深見みどりは、沖縄行きの飛行機に父と母の3人で家族旅行のため搭乗していたが、彼女らを乗せた飛行機は事故を起こして高山に墜落してしまう。運良く助かり、目を覚ましたみどりが目にしたのは一面の密林だった。同じ飛行機に乗り合わせていた学生の坂口五郎と共に助けを求め、二人は歩き始めるが、おかしな事に行けども行けども密林は続く。ようやく人家を見つけるも人気はなく、それどころか動物の気配すらしない。この異常な事態に、坂口は「世界的な核戦争が起こり、全ての動物は中性子爆弾によって死滅したのではないか」という恐ろしい推測を口にする。
旅を続けるうちに、空腹で堪らなくなると見たこともない美味な木の実があったり、長時間の歩行で傷んだ足が一晩で癒えたり、川で溺れて意識を失うと川岸のツタに絡まった状態で目を覚ますなどといった奇妙なことが続く。やがて2人は密林の中に巨大なビルがそびえる地に辿りつく。そこは緑に覆われ変わり果てた東京であった。遺されたものを探るうちに、世界で何が起きたのかを2人は知ることになる。
OVA版『みどりの守り神』の魅力とは?
『みどりの守り神』は環境問題に言及した内容となっていて、人間のみならず、ほとんどの動物すら絶滅してしまった世界を舞台としています。飛行機事故に巻き込まれ、運良く生き延びたみどりは坂口と共に密林を彷徨うところから物語は幕を開けます。
まず圧倒的に情報が足りておらず、視聴者すら置いてきぼりでストーリーは展開していきます。坂口は人類は滅亡してしまったのではと予想し、動物すら存在しない密林はそんな彼の発言を証明するかのように思えてきます。
藤子-F-不二雄さんの作品としては、かなりネガティブな部類に入る作品といえるでしょう。
藤子-F-不二雄さんの作品としては、かなりネガティブな部類に入る作品といえるでしょう。
なんとか密林から抜け出して、生き延びようとするみどりと坂口の姿にはリアリティーがあり、どこか後味の悪い展開が続きます。非力なみどりにイラつき、次第に暴力的になっていく坂口には人間の奥底にある醜さが描かれていて救われない気持ちに…
子供が観るには少し重たいテーマが敷かれており、どちらかというと大人向けの内容といえます。暴力的な描写があるわけではありませんが、精神的な圧迫というところでは少し病んでしまいそうな気分にもなってきます。
ユーザーによって、面白い・つまらないといった意見が大きく分かれそう。それがOVA版『みどりの守り神』の魅力なのだと思います。
ユーザーによって、面白い・つまらないといった意見が大きく分かれそう。それがOVA版『みどりの守り神』の魅力なのだと思います。
OVA版『みどりの守り神』には、それよりもパンチの効いたサービスカットが用意されていて男性ファンにとっては嬉しい限り。小学生のしずかちゃんとは違い、女子高生だと思われるみどりの水浴びシーンはエロさが爆発しています。
ネタバレになってしまうので、これ以上の記載は控えておきますが、最後の最後に明るい未来を予想させるのは、見終えた後の余韻に大きく左右しますよね。ネガティブな展開が続きますが、決して後味の悪い終わり方をしないのも、『みどりの守り神』の面白いところといえるでしょう。
OVA版『みどりの守り神』のまとめ
環境問題に、人間の根底にある暗闇。精神的に追い詰められ、壊れていく様子を描いたOVA版『みどりの守り神』は観る人を選ぶ作品だと思います。しかし、そんな内容だから、漫画家としての藤子-F-不二雄さんが込めたメッセージがダイレクトに伝わってくるような気がします。
物語の結末も希望がもてるような内容となっていて、決して後味の悪さだけが際立つような内容にはなっていません。みどりの水浴びシーンは、藤子-F-不二雄さんの作品にしては珍しく、セクシーさを全面に押し出していて「ごちそうさまです」と言いたくなりますよ。
記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になって、その面白さをご自身の目で確かめていただければと思います。
物語の結末も希望がもてるような内容となっていて、決して後味の悪さだけが際立つような内容にはなっていません。みどりの水浴びシーンは、藤子-F-不二雄さんの作品にしては珍しく、セクシーさを全面に押し出していて「ごちそうさまです」と言いたくなりますよ。
記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になって、その面白さをご自身の目で確かめていただければと思います。
19 件
(※当時は藤子不二雄名義)
出版:朝日ソノラマ
掲載:マンガ少年
→1976年発表