私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、
『機動戦士ガンダムを読む!』での、
再現画像で使用しているガンプラを、古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
さぁ連載3回目にして、いきなり山場に突入してまいりました『ガンプラり歩き旅』!(え? もう?)
『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)ではともかく、過去のロボットアニメでは、 ほとんどプラモデル化されることはなかった「悪の敵メカ」が、早くもこのタイミングで登場です!
さぁ連載3回目にして、いきなり山場に突入してまいりました『ガンプラり歩き旅』!(え? もう?)
『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)ではともかく、過去のロボットアニメでは、 ほとんどプラモデル化されることはなかった「悪の敵メカ」が、早くもこのタイミングで登場です!
量産型ムサイ 1/1200 1980年8月 300円
ベストメカコレクションNo.5のナンバーが与えられている、ジオン軍巡洋艦 量産型ムサイ。
栄えあるガンプラの歴史上で、1/144と1/100ガンダムの次に発売されたのは、ザクでもガンキャノンでもなく、この地味な敵戦艦ムサイ(しかも量産型の方)であったという時系列はそれなりに有名であり、またその理由が「ガンプラ以前で一番売り上げを誇った、バンダイのアニメプラモシリーズが、『宇宙戦艦ヤマト』(放映1974年)の艦船プラモシリーズ・メカコレクションだったから」というのも有名である。
栄えあるガンプラの歴史上で、1/144と1/100ガンダムの次に発売されたのは、ザクでもガンキャノンでもなく、この地味な敵戦艦ムサイ(しかも量産型の方)であったという時系列はそれなりに有名であり、またその理由が「ガンプラ以前で一番売り上げを誇った、バンダイのアニメプラモシリーズが、『宇宙戦艦ヤマト』(放映1974年)の艦船プラモシリーズ・メカコレクションだったから」というのも有名である。
今回紹介する1/1200量産型ムサイも、ヤマトメカコレクションシリーズのノウハウが見事に昇華されていて出来は完璧。艦橋部分を手直しされただけで、翌1981年2月には「1/1200シャア専用ムサイ」として金型が流用される。
原図の出図は、翌月発売の1/144シャア専用ザクとほぼ同時というか、むしろ、そのシャア専用ザクより一日遅い4月23日であり、その原図を手掛けたのは『宇宙戦艦ヤマト』艦船プラモデルでも凄腕を発揮していた八木技師。
原図の出図は、翌月発売の1/144シャア専用ザクとほぼ同時というか、むしろ、そのシャア専用ザクより一日遅い4月23日であり、その原図を手掛けたのは『宇宙戦艦ヤマト』艦船プラモデルでも凄腕を発揮していた八木技師。
設定画に忠実で、かつスケールモデル並みにシルエットや構造が正確という、ヤマトメカコレクションシリーズで培われた固定モデルのクオリティは、この後、ガンプラでも、モビルアーマーのプラモデルなどにも受け継がれ、艦船やモビルアーマーはそれゆえ、21世紀になっても、ガレージキット的立ち位置のEXモデル等の高価格帯商品でリファインされた以外は、正規ガンプラではどれも、この時期の商品で充分な出来を今でも保っている。
ただ、ムサイ(に限った話ではないが)は設定画と異なるバージョンや作画ミスが、TV本編や劇場用映画版などでも見られ、その一番有名なパターンが「主砲が2門しかないムサイ」なのだが、これなどは特に、劇場用映画版『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)冒頭で、宇宙に出陣したホワイトベースを待ち受ける、シャアの部下・ドレン大尉のキャメル艦隊のムサイが代表例として挙げられるので、当時から腕に覚えのあるモデラーなどは、わざと主砲を一つ外して、砲座台を1門分埋め立てて2門バージョンを創るなどが流行っていた。
ギミック的には、唯一ともいえる、大気圏突入用カプセル機「コムサイ」が分離可能だが、収納状態が特にロック機構もないので外れやすいとはいえ、玩具ではなくプラモデルである気概も併せて、むしろディティールは完璧。
今回も、オレンジやミディアムブルーの部分塗装だけで、合わせ目消しもなし。
ちなみにベストメカコレクションは、No.4 1/144ガンダム、No.5 1/1200ムサイ、No.6 1/144シャア専用ザクの後は、『ウルトラマン80』(1980年)地球防衛隊UGMの戦闘機が、No.7スカイハイヤー、No.8シルバーガルと続くことになる。つまりそもそも“そういうラインナップ”の商品カテゴリの中から、生まれたのがガンプラなのだ。
ちなみにベストメカコレクションは、No.4 1/144ガンダム、No.5 1/1200ムサイ、No.6 1/144シャア専用ザクの後は、『ウルトラマン80』(1980年)地球防衛隊UGMの戦闘機が、No.7スカイハイヤー、No.8シルバーガルと続くことになる。つまりそもそも“そういうラインナップ”の商品カテゴリの中から、生まれたのがガンプラなのだ。
シャア専用ザク 1/144 1980年9月 300円
量産型ザク 1/144 1981年1月 300円
ガンダムと言えばザク!
ザクと言えばザク!
ザクとはちがうのだよとかいうなザク!
みんな大好きザク!
ガンダムの人気の成分表の54%を占めると言われているザク!
ガンプラでも、ガンダムを凌ぐ勢いと売り上げ(当時瞬間最大風速計算)で売れたザク!
ザクと言えばザク!
ザクとはちがうのだよとかいうなザク!
みんな大好きザク!
ガンダムの人気の成分表の54%を占めると言われているザク!
ガンプラでも、ガンダムを凌ぐ勢いと売り上げ(当時瞬間最大風速計算)で売れたザク!
まぁ筆者はそこまでザクマニアではないのだけれども、世間のガンダム(の、メカとかプラモデルとか)周辺は、ザクマニアがまだまだ筆頭であることは事実であるし、実際「もはや、出てくるメカがどれもこれもガンダム」というガンプラ、フィギュア界隈でも、根強くガンダムを凌駕するバリエーションと商品数で拮抗しているのは、後にも先にもザクだけである。
こういった現象は、ザク以前の子ども番組キャラクター玩具・模型の界隈では、ウルトラマンシリーズの怪獣でも、仮面ライダーシリーズの怪人でも起きなかった、ガンダムだけの特殊な現象とはいえる。一応敵のライバル、ガンダムで言えば「シャア専用」に当たるキャラやメカが、主人公に匹敵する人気を獲得している例はガンダム以前でも見当たる(『人造人間キカイダー』(1972年)のハカイダーなど)が、こと量産型で“その現象”を起こしたキャラ(メカ)は、ザクの前に例なく、ザクの後も例がないと言い切れるだろう。
こういった現象は、ザク以前の子ども番組キャラクター玩具・模型の界隈では、ウルトラマンシリーズの怪獣でも、仮面ライダーシリーズの怪人でも起きなかった、ガンダムだけの特殊な現象とはいえる。一応敵のライバル、ガンダムで言えば「シャア専用」に当たるキャラやメカが、主人公に匹敵する人気を獲得している例はガンダム以前でも見当たる(『人造人間キカイダー』(1972年)のハカイダーなど)が、こと量産型で“その現象”を起こしたキャラ(メカ)は、ザクの前に例なく、ザクの後も例がないと言い切れるだろう。
なので、ガンプラ黎明期のベストメカコレクションラインナップでも、本命路線の1/144ガンダム、クローバー合金玩具フォーマット準拠の1/100ガンダム、ヤマトメカコレクション準拠の量産型ムサイと、三方向からの保険をかけたアプローチの中で、やはり、というか当初から「1/144スケール(本当は300円サイズのこと)で、モビルスーツの可動アクションフィギュア方式」が一番のフラッグシップコンテンツとして想定はされていたので、少なくともシャア専用ザクに関しては、それら三種の売り上げの結果を待つまでもなく、すぐさま発売に持ち込んだという流れはある。