via www.asahi.com
『男鹿和雄さん』ってどんな人?
via www.asahi.com
1952年、秋田県生まれ。高校を卒業後、上京し専門学校に入学するも1年で中退。アルバイトなどを続けていた1972年、アニメーション背景美術の会社・小林プロダクションに入社。「樫の木モック」で初めて背景を手がけ、以後、小林七郎の下で数々のアニメーション作品の背景を担当する。1975年に小林プロを退社後、一時、日本中を放浪し、その後、仙台の看板屋に約1年半勤務した後、小林プロに再び復帰。1982年に独立。その数ヶ月後、劇場映画「幻魔大戦」に取り組んでいた美術監督・椋尾篁の誘いで同作に参加。その後、「はだしのゲン」や「時空(とき)の旅人」「妖獣都市」といった、マッドハウスが制作する劇場映画の美術監督を手がける。1987年、「火垂るの墓」の美術監督・山本二三の紹介で、宮崎駿監督作品「となりのトトロ」に参加。以後、スタジオジブリ作品「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「もののけ姫」で美術監督を務める。「耳をすませば」参加後はフリーとなり、現在まで数多くのアニメーション作品の背景美術に携わる。
アニメの背景美術って何?
背景美術の仕事は、アニメーションの中に登場する風景や室内など、背景画を描くものです。
監督の思い描く世界で、キャラクターが自由に動き回れるよう、動きもイメージしながらその場所を絵として具体化していく作業です。
美術監督になると、作品の具体的な世界観を決める「美術設定」、世界観のイメージを絵で表現した「美術ボード」を描く仕事を任されるようになります。
また、たくさんのスタッフから上がってくる背景に統一感をもたせるように、統括する責任者になります。
男鹿さんが描かれたジブリ映画の背景画をご覧ください。
監督の思い描く世界で、キャラクターが自由に動き回れるよう、動きもイメージしながらその場所を絵として具体化していく作業です。
美術監督になると、作品の具体的な世界観を決める「美術設定」、世界観のイメージを絵で表現した「美術ボード」を描く仕事を任されるようになります。
また、たくさんのスタッフから上がってくる背景に統一感をもたせるように、統括する責任者になります。
男鹿さんが描かれたジブリ映画の背景画をご覧ください。
via kinro.jointv.jp
via kinro.jointv.jp
via www.jigsaw.jp
via www.jigsaw.jp
via locals.md
via www.jigsaw.jp
Ghibli Backgrounds by Kazuo Oga
0:00 ~ となりのトトロ
9:49 ~ 魔女の宅急便
10:20~ おもひでぽろぽろ
17:17~ 紅の豚
17:48~ 平成狸合戦ぽんぽこ
24:31~ 耳をすませば
25:32~ もののけ姫
31:14~ 千と千尋の神隠し
34:14~ ハウルの動く城
男鹿さんが描いた背景画が見られます。長い動画なので、好きなところをご覧ください。
9:49 ~ 魔女の宅急便
10:20~ おもひでぽろぽろ
17:17~ 紅の豚
17:48~ 平成狸合戦ぽんぽこ
24:31~ 耳をすませば
25:32~ もののけ姫
31:14~ 千と千尋の神隠し
34:14~ ハウルの動く城
男鹿さんが描いた背景画が見られます。長い動画なので、好きなところをご覧ください。
via www.youtube.com
ジブリとの出会いは偶然だった
『幻魔大戦』背景画
小林プロダクションで、『侍ジャイアンツ 』や『はじめ人間ギャートルズ 』『ガンバの冒険 』『元祖天才バカボン 』『 宝島 』『あしたのジョー2 』などの背景美術を手掛けてきた男鹿さん。
これは1982年に、小林プロダクションから独立後に参加した『幻魔大戦』で描いた背景画です。
この後も、男鹿さんは『はだしのゲン』や『時空の旅人』『妖獣都市』などの美術監督として実績を重ねていきます。
そしてジブリとの出会いが1988年にありました。
これは1982年に、小林プロダクションから独立後に参加した『幻魔大戦』で描いた背景画です。
この後も、男鹿さんは『はだしのゲン』や『時空の旅人』『妖獣都市』などの美術監督として実績を重ねていきます。
そしてジブリとの出会いが1988年にありました。
当時ジブリでは、『火垂るの墓』と『となりのトトロ』を同時期に制作することが決まっていました。そのため、ジブリスタッフも半分に分かれて作業しなければなりません。
しかし、宮崎駿監督が信頼する美術監督の山本二三さんは、『火垂るの墓』の方を引き受けており、『となりのトトロ』のために、新しく美術監督を探す必要が出てきたのでした。
そこで宮崎さんは山本さんに相談し、「この人がいいんじゃないか」と推薦されたのが男鹿さんでした。
そこで全く面識のなかった男鹿さんに、電話をかけ、参加を呼び掛けたのです。
しかし、宮崎駿監督が信頼する美術監督の山本二三さんは、『火垂るの墓』の方を引き受けており、『となりのトトロ』のために、新しく美術監督を探す必要が出てきたのでした。
そこで宮崎さんは山本さんに相談し、「この人がいいんじゃないか」と推薦されたのが男鹿さんでした。
そこで全く面識のなかった男鹿さんに、電話をかけ、参加を呼び掛けたのです。
「宮さんの最大の特徴は、『自分の信頼する人の友達は信頼できる』と思っていることです。」
『となりのトトロ』で宮崎監督から求められたもの
こうした経緯から『となりのトトロ』に参加することになった男鹿さん。
仕事が始まっても、宮崎監督からあまり難しい注文はありませんでした。
ところが、最初の背景を集めてチェックしてもらった時、こう言われたそうです。
「男鹿さんのレベルはこんなものですか」
決して強い言い方ではなかったけれど、「ズシンときた」そうです。
仕事が始まっても、宮崎監督からあまり難しい注文はありませんでした。
ところが、最初の背景を集めてチェックしてもらった時、こう言われたそうです。
「男鹿さんのレベルはこんなものですか」
決して強い言い方ではなかったけれど、「ズシンときた」そうです。
「これまでの美術のように、漠然とただそこに原っぱがあればいい、というような話ではなかった。監督は『田園風景とか木とか草花とか、そういうものによく目を向けて描いてほしい』と。トトロのすみかであり物語の象徴にもなったクスノキのイメージや森の話を聞いて、それがとてもうれしかった。具体的に考えたことはなかったが、本当はこういう仕事がやりたかった。あの時、巡り会えて良かったですよ」
トトロが住んでいる樹齢を重ねた立派なクスノキ。
この絵を描いたのが男鹿和雄さんです。
ジブリ映画には欠かせない男鹿さんの背景画を、皆さんもたくさんご覧になっていると思います。
『トトロ』の住むあなぐら、『おもひでぽろぽろ』の紅花畑、『もののけ姫』のアシタカの故郷エミシの村や山々、『ハウルの動く城』のハウルの秘密の草原、『紅の豚』のポルコの隠れ家である洞窟の入り江など、ハッとする・ほっとする印象的な絵を手掛けられています。
見ているだけで心癒される男鹿和雄さんの背景美術の世界。
その『背景美術』の「背景」にあるものを追っていきたいと思います。