「ふたご座恋愛事件」の作者、連載時期は?
1976年に「魔法使いを信じますか?」で、第12回「なかよし・少女フレンド新人まんが賞」入選でデビュー。
「別冊少女フレンド」で「あっち♡こっち♡タッチ!」などの作品を発表します。
1980年代からは「なかよし」に作品を発表するようになり、「すきゃんだる・4」で人気を集めます。
「ふたご座恋愛事件」は1983年11月号から1984年2月号まで連載されました。
原作者は岸本けいこさん。
「ふたご座恋愛事件」の他に、「涙の向こうにラブコール」「ふたご座スクランブル」など、「なかよし」の漫画の原作を手がけています。
たった4か月の連載でコミックスは全1巻。しかし、いまだに当時の「なかよし」読者の記憶に残る作品である「ふたご座恋愛事件」。
次からは、あらすじや魅力について迫っていきます。
さこう栄『あっち❤︎こっち❤︎タッチ!』#食後の読書 pic.twitter.com/xA3YuIak7D
— 花村マリンカ (@h_marinka) February 8, 2018
「ふたご座恋愛事件」のあらすじ
両親を事故で亡くした2人は、レストラン「バードランド」を経営しているおば夫婦に引き取られており、おばは子どもがいないため双子のどちらかに店を継がせようとしていました。
それぞれに将来の夢があり、また、店を継ぐのは責任が重いと考えた2人は「さきに結婚した方がレストランを継がなくていい!」という取り決めをします。
そのため2人は高校を卒業したらすぐにでも結婚できるよう、今から将来結婚してくれる恋人を探すのですが…。
主人公の活発な性格の真奈美はポニーテール、優等生の由香利は髪をおろしたヘアスタイルでとてもかわいい双子のビジュアルが「鉄板」で素敵です。
ストーリーの冒頭で真奈美が由香利になりすましデートをするのですが、読者は「これから2人はお互いを取りかえてデートをして、『本当の私』を見抜いてくれる男の子を探すのかな」と予想してしまいがち。
しかし、実はこの作品、ちょっぴり奇抜な設定だけでなく、ストーリーが読者が思いもかけない方向へどんどん展開していくのです!
「ふたご座恋愛事件」の登場人物
この作品の主人公。ポニーテールの元気で活発な女の子。将来の夢はデザイナーやイラストレーター。気が強くてちょっとワガママだか、すぐに自分の非を認める素直な性格。
・工藤由香利
真奈美の双子の姉。成績優秀で英語が得意。将来の夢はスチュワーデスか英語の先生。ぶりっ子をしているから結構モテる。真面目でガリ勉タイプの男の子が好き。先輩の山本とは距離を置いている。
・中田良広
レストラン「バードランド」のコック見習いで17歳。有名校のK高校に進学していたが水が合わずグレて中退。夜学しながら働いている。
真奈美と由香利を見分けることができ、なにかと真奈美に気をかけている。
・山本邦彦
由香利が所属する英研の先輩で高校2年生。牛乳瓶の底のようなメガネをかけていたが、コンタクトにかえたら、劇的にハンサムに。真奈美が恋して近づくが、実は以前から由香利に想いを寄せていた。
・池内
良広とともに「バードランド」のコック見習いとして夜学しながら働いている。
真奈美のことが好きだが、良広と真奈美が惹かれ合っていることをいち早く察しているとても良い人。
・スケ番の2人
真奈美たちの高校でスケ番をしている名無しの2年生の2人組。1人はブリーチ風、もう1人は黒髪おかっぱで鋭い目つきをしている。2人とも山本のことがお気に入り。
・暴走族グループ
「バードランド」で態度の悪い客として登場する黒い革ジャン姿の暴走族の3人組。元不良の良広に撃退され逆恨み。
・偽の鹿取四郎
「バードランド」の工事を手がけた鹿取建設の四男。A大3年で経営専攻のエリート…になりすました暴走族グループの1人。暴走族仲間の仕返しのために真奈美に近づき、良広を追いつめる。
・鳥嶋冴子
双子のおば。美人で頭がきれる敏腕経営者。子どもができなかったため、双子のどちらかにレストラン「バードランド」を継がせようと画策する。
・冴子の夫
レストラン「バードランド」のコックで経営者。従業員たちから「おやじさん」と呼ばれ、厳しいが温かい存在。
本日はこちらの袋を開けてみます!
— 紺碧《いいね♥️が消える不具合発生中》 (@umiwakonpeki) June 15, 2020
1984年2月号。いがらし先生は『トゥインクル・スター2』の連載中です。組み立て付録は、さこう栄先生のイラストですね。例によって組み立て方はわかりませんが、可愛い箱になりそうな気配を感じます。Push HERE!で謎は深まりますが。#昭和 #なかよし #ふろく pic.twitter.com/Xq2caxT7Ah
「ふたご座恋愛事件」の魅力
真奈美たちが暴走族との争いに巻き込まれたり、「バードランド」相続問題で揉めたり、登場人物たちがそれぞれの人生の選択をしたり…。
波乱万丈な展開がラストまで続きますが、それでも収まるところに収まるというストーリーがスゴイです。
登場人物たちもわりと激情家で、食器を割る、相手を叩く、叫ぶ、泣いてその場から走って去る、花瓶の水を相手の頭にぶっかける…と、なかなか激しい行動を連発。しかし、そこが古き良き少女漫画の醍醐味ですね。
さこう栄さんのかわいくほんわかとした漫画イラストで中和もされているのです。
双子の美少女が主人公という、一見ベタな設定でありながら、いつまでも当時少女の読者だった私達の記憶に残っているのは、こうした意外性と安定性が同居している作品だったからかもしれません。
1984年12月のカレンダー、イラストはさこう栄先生です❣️
— 紺碧《いいね♥️が消える不具合発生中》 (@umiwakonpeki) December 11, 2020
ザ・昭和の少女な私が憧れる夢のクリスマスの風景に、プレゼントの中身を想像して楽んでおりました😊#昭和 #なかよし #ふろく pic.twitter.com/tdgOPwv0UU
「バードランド」のような温かみのある地元のレストラン、同じ高校に暴走族もいればぶりっ子もガリ勉もいる80年代ならではの雰囲気も堪能できますよ!