検索エンジン登録に審査があった!「キリ番踏み逃げ禁止」って?インターネット黎明期あるある
2018年6月9日 更新

検索エンジン登録に審査があった!「キリ番踏み逃げ禁止」って?インターネット黎明期あるある

90年代~2000年代初頭、日本において急激にインターネットが普及した時代。当時のインターネットの独特の文化やマナーを振り返ります。

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1995年、Windows95発売、NTTが「テレホーダイ」開始。

Windows95の登場で、一般家庭にパソコンとインターネットが普及

1995年、MicrosoftがWindows95を発売。1億本を超える大ヒットとなり、一般家庭に急激にパソコンが普及しました。
また、同じ1995年、NTTが「テレホーダイ」サービスを開始。今でこそ通信料金の定額制は当たり前ですが、当時のダイヤルアップ接続は、従量課金制で、インターネットを頻繁に使うと電話代が数万円になっていましたが、深夜限定ながらはじめて定額制料金を導入し、インターネットの普及に拍車をかけました。
1995年には「インターネット」1999年には「iモード」が流行語大賞のトップテン入賞、2000年には「IT革命」が流行語年間大賞を獲得するなど、社会に浸透していきました。

最初に開くのは「Yahoo」「Lycos」「infoseek」

今でこそ、インターネットでサイトを探すときはGoogleで検索するのが当たり前の世の中ですが、
当時はGoogleはまだ存在せず、「Yahoo」「Lycos」「Excite」「infoseek」といった多様な検索サイトがありました。
また、主流だった「Yahoo」では、政府や企業の公式サイトを探すときや信頼できる情報を得たい時は、検索ワードを打ち込むのではなく、「Yahooカテゴリ」を使いました。
図書館のようにカテゴリー、サブカテゴリーを選んで自分でサイトを見つける方式の「Yahooカテゴリ」は、「登録するのに審査が必要なので安全」とされ、当時の個人サイト管理人は「Yahooカテゴリ」の審査に通ることを目標としていました。


現在のように、ホームページを公開して放っておくだけで自動的に検索エンジンに登録される、ロボット型の検索エンジンが当たり前になったのは2000年以降で、当時は検索エンジンは登録制だったのです。

一人一人が自分のホームページを持っていた時代

今でこそ、ネットで個人が情報を発信したり友達と繋がるのにはSNSを使い、
長文を書く時もブログサービスなどを利用するのが主流ですが、
当時はSNSがないので、一人一人が自分のホームページを持って交流していました。

個人サイト独特の文化

当時の個人サイトには独特の文化が根付いていました。
まず、ネットの利用者数が少なかったため、「アクセスカウンター」という、そのホームページの累計閲覧者数を表示する項目をトップページにつけることが多くありました。
アクセスカウンターで100、1111、3000といったキリのいい番号を「キリ番」といい、
「キリ番」の訪問者のハンドルネームを掲載する文化がありました。
しかし、その「キリ番」はあくまで申告制で、本人が名乗り出なければわかりません。
たとえば111、333、444番目の訪問者が掲載されているのに222番目の訪問者が掲載されていない
といった事態を防ぐため、キリ番を踏んだら必ず報告するように、「キリ番踏み逃げ禁止」というルールがありました。
ちなみに報告は、「ゲストブック」といわれる簡易掲示板を管理人がホームページに設置しており、そこで行われました。


検索エンジンが未発達だったため友達のホームページやお気に入りのホームページを紹介する「リンク」という項目があり、友達同士で「リンク」に載せ合う「相互リンク」は、今でいう「相互フォロー」のような感覚でした。

個人サイトの主なコンテンツはホームページの管理人が自分の日記や自分の興味のあることに関する感想、考察を書いていく形でした。
ですが、個人サイトの管理人は非常に多くのコンテンツをつくろうと大風呂敷を広げ、たくさんの見出しを作ることが多くありました。
そして、見出しだけ作って中身を作れていないコンテンツには「工事中」と表示していました。どこをクリックしても「工事中」ばかりのホームページ、見た覚えありませんか。
 (2019542)

テキストサイトの隆盛

そんな玉石混淆だった個人サイト文化ですが、その中でも多くの読者を得て人気だったジャンルにテキストサイトと呼ばれるジャンルがありました。
色文字や大文字を巧みに使う、文章中心のシンプルな内容、かつ真面目な考察や知識ではなく、
ギャグやジョークであったり、社会風刺、自分の体験談を盛って話すといったユーモアを主題とした、
今でいうならツイッターでバズるツイートのようなものを長文でやっているようなものです。
「侍魂」「Not found」「探偵ファイル」といったサイトを何度も読み返していた方は多いのではないでしょうか。

「フリーソフト」文化

今ではスマホに多くのアプリをインストールしている方も多いと思いますが、
当時もフリーソフトと言われる文化が盛んで、まだまだ不便だった時代だからこそ
個人開発者たちが作ったフリーソフトをパソコンにたくさん追加するユーザーが多くいました。
また、現在はゲームアプリに高額の課金をする事が珍しくなくなり、ゲームでないアプリでも
広告を消すのに課金が必要、といったビジネスモデルが多く、企業による開発が主流ですが
当時はネット上の決済手段が少なく、アプリに課金をする文化がなかったため
ネット上で公開されるソフトは「フリーソフト」と呼ばれる個人で開発された無料のものが主流でした。一方で、パソコンの使い方を解説した商業雑誌が、こうした無料で公開されているフリーソフトを収録したCDを付録にして販売する例もありました。
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