2025年、大阪万博の開催が決まったなら…その時に向けた提言コラム【頑張れ!大阪万博2025(第5回)】
2018年11月7日 更新

2025年、大阪万博の開催が決まったなら…その時に向けた提言コラム【頑張れ!大阪万博2025(第5回)】

2025年、大阪万博の実現を徹底応援!1970年に開催された大阪万博(日本万国博覧会)当時の熱量と日本の底力を”ディスカバリー&フューチャー(温故知新)”としてコラム上に再現するとともに、2017年から2025年の日本社会を予測。人口構成や自然環境を考慮して大阪万博2025を実現に導く為の提言を展開します。

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「万博好きやん(scan)研究所」が考えた、大阪万博2025会場-地下・上空編-

この項で、我々はこう主張しておきたい。
「カジノ構想とセットで考えるのなら、勝負は地下だ!大阪万博2025」
ただしこの両立を現実的に考えるのなら、もう一度「大阪都構想」の再投票をやって府民・市民に問い直すべきではないか……とは思う。

万博とカジノ。この巨大な二本の構築すべき企画の土台が同じ場所なのに府と市に分かれているなんてバカバカしいと思うから……ってことなのだが、とりあえずこれ以上は触れないこととする。

念を押しておきたいが、我々はカジノ構想にも都構想にも思うところも含むところも何もない。
全てはフランスに勝つための、さらには想像力の全てを大阪万博2025に使いたいのだ……と考えているが故なのだ。

さて1970年、来場者を迎える場所のほとんどには開場時間と閉場時間が存在していた……。
もちろんそれは万博会場にも……いや、当たり前の話しなのはわかっていますって。

昼間は来場者で溢れていた場内も閉場後には清掃、花壇のメンテナンス、電球の取り換え、飲食物の搬送など夜に働く皆さんはさぞ大変だったであろうことは想像に難くない。
そしてこれらは2025年にも等しく発生する業務である。

一方、カジノ構想とセットで考えられている(セットでなかったとしても)2025年の大阪万博では「いつでも24時間稼働にシフト出来る体制」を最初から考慮した会場設計が極めて合理的であろうと思う。(後付けでは大変だから)

ラスベガス、マカオ……。いずれのカジノ都市も「眠らない街」であることは周知の事実。
もしカジノを前提とするならば、2025年の大阪万博にその構想を基本的に埋め込んでおくことに問題はないだろう。(くどいようだが、後付けにすると再構築が必要となる点が多い)

2025年に想定される来場客層を考慮した地上設計に対して、カジノ構想をセットとする大阪万博の設計に必要な概念、それは地下を都市的に作り上げることによる有効活用ではないだろうか。

さて常に来場者で賑わう地上の風景、一方何度でも繰り返すが65歳以上人口への対応。(当然障害者のみなさんも含んでいます)
その会場地下には1970年の万博にだってあった救護センターを越える規模の救護、そして介護センターの設置が不可欠だ。

しかし、2025年のこれら施設は果たしてパビリオンのように地上に作ることに意味はあるのだろうか?

考えれば考えるほどに身動きひとつ出来ないほど人々で湧きかえる中を救急車が走ったり、担架を持った救急隊員がすぐに駆けつけてこれる訳はないのだから、特に地上である必要は無いように思える。つまり普通の都市機能とは別の救急搬送システムが必要だと感じるのだ。
8年後の日本は若くはなく、若い者は強くはないはず……だからこそここはしっかりと考えてみたい。
そこで24時間対応を視野に入れた2025年の会場は来場者とは別の導線が必要だと提言したい。
普通に考えてもスタッフ移動・物資搬入、緊急搬送だって一般のお客様と同じ地上ルートを使うわけにはいかない。

その上巨大都市に匹敵する上下水道に、光ファイバーなどを通す共同溝が必要だとわかっている。
もちろん共同溝には莫大な電力供給を必要とする会場やモノレール、動く歩道や各種昇降機。さらに大量のパソコンやケータイなどの充電コンセント、EV対応駐車場の電源も考慮すべきなのだから高圧巨大ケーブルを何本も通さなければならない。
その各電力ポイントの近くには変電システム……いや、非常時のために自家発電システムだって必要だ。

いわば作業導線(ワークライン)とライフラインの必要性だ。
2025年の大阪万博はまさに「搬送対応型人工島」「一点集中電力消費型人工島」を兼ねそなえた都市が突如出現することを大ゲサと言われるほど考えて欲しいのだ。
さてここまで全ての必要性を前提とし、
来場者以外の全ての導線(もはや交通網と呼ぶべきかもしれない)と必要な施設を「地下」に設けるべきである。つまり地下施設都市構想だ。
それが、2025年の大阪万博にとってあるべき姿だと、私たち「万博好きやん(scan)研究所」は提唱したい。

この巨大地下建造物は同時に、想定されるべき地震の際に地盤安定の基礎とすることも付け加えておきたい。なんといっても足元は元々海だったのだ。瀬戸大橋の橋脚のように海水を取り除いて露わになった海底をさらに掘り進めて海底岩盤上に作られたわけではない普通の埋め立て地なのだから安心要素として欲しいのだ。(この地震に対しての話はまた別に書きたい)

万博会場予定地となっている夢州は埋め立て地なのだから、どう考えても巨大地震の際に“液状化現象”の恐れがある。阪神淡路大震災の時に神戸ポートアイランドが液状化現象を起こしたことを忘れてはならない。

当然のことながら地下ルートは沿岸の病院施設などと直結する姿が望ましく、また地下施設の構造も多層化してEV地下ルートもハイウェイ構想であれば尚好ましい。
地上でお客様が倒れた際、どこかの扉が開いて地下から救急隊員がかけつけ、地下で待機するEVに乗せて直接地下救護センターへ。そして重症の場合はそこから地下ルートを抜けて橋を渡り、湾岸にある病院へと搬送されるのだ。

また、搬送が地下なら会場入り口付近地下には物資集積センターも地下に設置すべきだろう。
橋を渡ってやって来たガソリン車はそこから無人搬入コンテナEVに積荷を移して地下ハイウェイを活用して会場地下の各種地下倉庫に輸送するのだ。

これは可能な限り地上のパビリオンにバックヤードの(冷蔵庫など)面積を取らないという発想。
つまりパビリオンの地下にバックヤードも集積させるということだ。

冷凍・冷蔵を倉庫的になるべくまとめて管理してパビリオンのオーダールームに応じて地下で自動搬送してもらえれば、面積・電力・人員も最小で済むのではないだろうか?
もちろん「行きは物資、帰りは廃棄物」といった効率的な運用で集積センターの規模を可能な限り小さく収めることも大切な視点だろう。

外からの搬入を無人化できれば物資をスキャンしやすくモニターしやすい。侵入者や異物混入などの早期発見が可能となり、テロ対策に効果を上げるはずだ。
この来場者の目に見えない部分にこそ、日本の管理・輸送システム技術が発揮されるべきだといっても過言ではない。
もちろん、このシステムそのものが海外に売れる“商品”でもあるし、これがそのまま後のカジノ構想に転用出来るとすれば、お金がかかっても有効な投資となるように設計すべきだ。

私たちはこの地下に整備すべき巨大な流通センターが地上と同規模以上の予算を要するのではないかと予想している。しかし後々の再利用を考えるのならドカンと行こう!(せっかく海を埋めたのにまた掘り返すの?なんて言わないの!堀り返した土で横にもう一丁島を作ろうぜ!!くらいの気持ちで行きましょう。空想はタダなんですから)
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一方、視点を上空に向けてみよう。いや、空は重要なんですよ!
だって全天候に対応すること、これはもはや当然といってもよい配慮だと思いません?
遠く海外からやって来て雨でしたって……ちょっと悲しい。(簡単に言ってますが、これを会場全体で対応するってことがどれ程ドエライことなことなのかは充分わかっています)

しかし、雨だけでも客足は鈍るっていうのに風、強風の心配があるんです。とくに海上の人工島であることから海からの風雨への対応は、来場者の数はもとより満足度を大きく左右する要素なのだからやはり考えなければいかんのです!(それに内地型のパリに負けないためのプレゼン要素として海上型の弱点は封じておきたい)

それじゃあ会場は東京ドームのような屋根や幕をすっぽり被せた全天候対応型?
いやいや、ドーム型はともかくとして周りが海だからこそ青空は欲しい。
それに私たちが空想する万博会場の全景がもっとも美しく映えるのは会場外から見た夜景だと思っているからだ。
はるか遠くのー♪水平線♪(およそ4.5km先から視認できる)またたき光るー♪未来都市♪(いわば水上都市008だ!!)

更に挙げるなら、好天の日に輝く太陽光が降り注ぐことは「いのちの輝き」を想起させるのだから絶対に必要だ!!
もちろんUV(紫外線)カットが出来てある程度の温度、湿度だってコントロール下に置きたい。海上型会場での長時間滞在への対応を我々はナメてはいけないのだ!

これらを総合して、我々「万博好きやん(scan)研究所」としては、会場の上空はガラスを思わせる強力な透明新素材ですっぽり包んで来場客が全天候下で等しく楽しめるようにしていただきたい……と、願っている。

そう、1851年にロンドン万博に出現した“クリスタルパレス”の会場全体版だ。(クリスタルフルカバーバージョン。ただしあちこちの開閉コントロールが可能なことも忘れてはならない。適度な風だって必要なのだ。もちろんドーム型であってもかまわない)

なお我々研究所はいくつかのビルがクリスタルから頭を出すことは強度上からも認める。(ビルを柱として利用出来るからなのは言うまでもない)
この透明パネルを支えるであろう網の目のような支柱の数々は会場監視モニター用カメラのレールとして利用できるはずだ。
2025年の舞台は海上都市。煌びやかで世界の誰も見たことのない景観を造っていただきたい。
これらがパリに対して不利な点をカバーして有利なプレゼンポイントになれば最高だ。
だってフランスの万博はその第一回目から屋根付きの会場を常に意識しているのだから、見過ごせない点であると言っておきたい。

次回の第6回は、大阪万博2025の「会場内」を空想してみたいと思う。
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