音楽グループ「ロス・インディオス」のリーダーでボーカルの棚橋静雄(たなはし しずお)が19日、多臓器不全のため埼玉県戸田市の病院で亡くなっていたことが明らかとなりました。85歳でした。
棚橋さんは1938年7月25日、東京都出身。1962年に「ロス・インディオス」を結成、ラテン音楽を中心に音楽活動を展開し、1968年にはムード歌謡「コモエスタ赤坂」「知りすぎたのね」が大ヒットしました。そして1979年には女性歌手・シルヴィアとのデュエット「別れても好きな人」がミリオンセラーを記録し、その人気を不動のものに。その後、2022年に行われた60周年記念コンサートで歌手業を引退しました。それに合わせ「ロス・インディオス」の名を後世に残すためオーディションを実施、新メンバーが決定し、来月の日本歌手協会第50回歌謡祭で発表される予定だったものの、それを目前にしての訃報となりました。
日本のムード歌謡を代表する一曲である「別れても好きな人」。「3年目の浮気(ヒロシ&キーボー)」「夏のお嬢さん(榊原郁恵)」などで有名な佐々木勉のペンによる楽曲で、元々は1969年に松平ケメ子、パープル・シャドウズが歌っていました。それを70年代に入りロス・インディオスがカバー、さらに1979年にはシルヴィアとのデュエット曲としてレコードをリリースすることとなります。
1979年9月に発売されたロス・インディオス&シルヴィア名義での「別れても好きな人」。男女のデュエット曲となり、また歌詞の一部が変更されるなどアレンジが施された同曲は瞬く間に話題となり、オリコン最高位4位、ミリオンセラーを記録する大ヒットとなりました。そしてロス・インディオス&シルヴィアは1980年のNHK紅白歌合戦に初出場。ムード歌謡を代表する人気グループとして名を残すこととなりました。