野村克也のシダックス監督時代を描いた『砂まみれの名将 野村克也の1140日』が発売決定!!
新潮社より、故・野村克也氏の社会人野球シダックス監督時代を描いたノンフィクション『砂まみれの名将 野村克也の1140日』が3月16日(水)に発売されます。著者・加藤弘士氏は、「スポーツ報知」の番記者としてシダックス時代の野村氏を取材。当時の関係者の証言を集め、野村氏がプロ球界に復帰するまでの日々を描くノンフィクションを執筆しました。
悪夢の辞任劇
2001年12月5日、野村氏の妻・沙知代さんが脱税容疑で東京地検に逮捕されました。阪神タイガースの監督として3年目のシーズンを終えたばかりの野村氏は、同日、辞任を発表。「現役プロ野球夫人の逮捕」という前代未聞のスキャンダルにより、関係者の誰もが「野球界から、野村の居場所は消えた」と捉えました。
本書でしか読めない秘話が満載!
数多くの「野村本」が刊行されていますが、シダックス時代の3年間を掘り下げたものはありません。都市対抗野球での快進撃の秘密、亡くなる直前まで「人生最大の後悔」と嘆いた采配ミス、球界再編騒動の舞台裏、そして「あの頃が一番楽しかった」と語る理由――。野村氏のキャリアの中で「空白の3年間」とも捉えられがちなこの時期が、いかに充実したものだったのか。そして、なぜプロ野球界に返り咲くことができたのか。野村氏の再生の日々が生き生きと描かれています。
野村氏に学ぶ「不遇の時期の身の処し方」
他チームをクビになった選手を復活させる「野村再生工場」は野村氏の代名詞のひとつですが、本書で描かれているのは、その野村氏自身が「再生」する物語です。日除けもないグラウンドで砂ぼこりにまみれて指導する姿を見た著者が思いを尋ねると、野村氏は「野球があれば、こんなに幸せなことはないよ」と笑顔で応えました。自分が置かれた状況を誰よりも楽しみ、アマチュアの選手に対しても偉ぶることなく、自身の軸をぶらさずに過ごした野村氏の姿が描かれています。
「野村再生工場」で復活した懐かしのプロ野球選手!!
野村氏自身の再生を描いた『砂まみれの名将 野村克也の1140日』。一方、90年代を中心に「野村再生工場」にて復活を遂げた野球選手は数多く存在します。ここでは、その中から何人かピックアップして思い出しておきましょう。
辻発彦
80年代から90年代半ばにかけて西武ライオンズで活躍した内野手・辻発彦。1995年、37歳のときに西武から引退勧告を受けたもののそれを拒否、ヤクルトスワローズへと移籍し、翌1996年には打率.333を記録し復活を遂げました。2017年より、西武の監督を務めています。
金森栄治
外野手、捕手として西武や阪神で活躍した金森栄治。1992年のオフに阪神から戦力外通告を受けヤクルトへと移籍し、代打の切り札として再生しました。またベンチのムードメーカーや、後輩選手の手本となる練習態度など、数字に表れない部分でも高い評価を受けていました。
小早川毅彦
内野手として広島東洋カープで活躍していた小早川毅彦。1996年、34歳のときに広島から引退勧告を受け、ヤクルトへの移籍を決意。翌1997年には開幕スタメン5番として活躍し、同年のヤクルトのリーグ優勝・日本一に貢献しました。