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ジャズピアニストに転身・大江千里が語る

第2章としてジャズをやっていこうと

 「格好悪いふられ方」「十人十色」などのヒット曲で知られる大江千里が、海を渡り4年半の修行を経てジャズピアニストに転身。7月末にアルバム「Boys Mature Slow」で全米デビュー、日本でも9月6日の52歳の誕生日に日本盤を発売。一線で活躍したシンガー・ソングライターのキャリアに区切りを打ったのか。時事通信の独占インタビューで胸中を語った。(聞き手はニューヨーク総局記者、田中健吾)

 ―なぜジャズピアニストに?

 10代の頃に何度か勉強しようとトライしたが途中でつまずいた。ジャズの謎を解く力がなかった。その分、作詞、作曲も好きでずっとやってきたところ、デビューする幸運に恵まれた。もともと目の前のことに全力投球するタイプ。その幸運が来てから26~27年やり続けていた。

 シンガー・ソングライターとしてマイペースでやれる時期を迎えたが、くすぶっていたジャズに対する好奇心、その謎を解いていないというの気持ちがずっとあった。50歳までやってそれから第2章として、ジャズをやっていこうとも思っていた。ある時、東京でショーウインドーに映る自分の姿を見た時、どうも目に覇気がない。何の文句もない、とても自分らしく音楽ができる状況になっているにもかかわらず、本当にやりたいことを後回しにしているのではないだろうかと思った。

 ―ジャズとの出会いは?

 ポップスの作詞、作曲を始めた14~15歳頃。ウィントン・ケリーのアルバムを古レコード屋で見つけてきたり、サラ・ボーンらスタンダードを歌っている歌手のレコードや、アントニオ・カルロス・ジョビンを聞き始めた。どうしたらこういう響きになるのか、その謎がなかなか解けなかった。参考書を買ってみたが、難しかった。

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