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教科書に載らないウラ昭和史
昭和40年代、50年代、60年代・・・、それぞれに大人気だったテレビアニメ。 その中には、今でも心に強く印象を残しているものが数多くあります。 昭和50年1月から1年間に渡って放映された『フランダースの犬』。 不幸な境遇の中、貧しいながらも一生懸命に暮らす心優しき主人公・少年ネロと、その愛犬パトラッシュに、子どもたちは皆、夢中になりました。 日本中が涙した最終回は、なんと、視聴率も30%を超えるほど! 誰にも看取られず、パトラッシュと共に静かに息を引き取るネロ。舞い降りてきた天使達にいざなわれ、天へと昇っていく場面は、昭和アニメの記憶に残る感動のラストシーンとして、今でも語り継がれているのです。 そんな『フランダースの犬』に関して、長野県の“ペンネーム・パトラッシュJrさん”から「フランダースの犬の最終回で、ネロとパトラッシュは、本当は死なないはずだった!?」というウラ情報が…! その真相を探るべく、『フランダースの犬』を製作した会社を訪ねたところ・・・ 残念ながら、当時のスタッフは誰もいないので、わからないとのこと。 しかし、当時の様子がわかる貴重な資料「アフレコ台本」が残っているということで見せていただくと・・・ 最終回の台本にあるラストシーンのページには、大幅に書き直された跡が! どうやら、このラストシーンは、最後まで悩んで作られたらしいのです。 では、一体何があったのでしょう? そこで!現在は専門学校などでアニメの構成や演出を教えているという、当時の『フランダースの犬』の監督・黒田昌郎さんにお話を伺いました。 さっそくウラ情報について聞いてみると、「ネロが死なないはずだったということはないんですが・・・。ただ、テレビ局の方に、ラストシーンに関する投書が届いていたことは聞いている」とのこと。 黒田監督によると、放送開始からしばらくして、「ネロとパトラッシュを死なせないで」という、最終回に関する投書が殺到したのだそうです。 そんなに早い段階で、なぜ、結末に関する投書が殺到したのでしょうか? 実は、テレビアニメに夢中になった視聴者が、「早く話の続きを知りたい!」と、原作本を先に読んでしまうという現象が起こっていたのです。 そして、その原作の結末にショックを受けました。 あまりにもあっけない2人の最期・・・。 特に、子どもの視聴者にとっては、とても衝撃的な内容でした。 実際、投書が殺到した影響で、ネロを死なせずに終わらせる事ができないかと、言ってくる人もいたんだそうです。 「死んでしまうというラストはかなり重たいですからね・・・。」 「でも、原作に忠実に、というのが僕の考え方なんで、最初からそれは決めていました。」 そう語る黒田監督。 しかし、子どもたちへのショックをどうやって和らげるかについては、台本の直しにも見られるように、相当悩んだそうです。 「子どもに見せるのにふさわしいかどうか?」そう悩んだ末、「眠っている状態で天使に抱かれていく、というスタイルが一番ふさわしいのでは」・・・と。 そういう監督の思いで、あの感動的なラストシーンは作られたんですね。 さらに、黒田監督から意外な言葉が! それは、「オープニングと最終話のラストカットが同じ」というもの。 監督によれば、制作を始めた最初から、“ネロは最後には死ぬんだ”ということを暗示するために、オープニングに同じシーンを入れていたというのです! 実際に確認してみると、最終回のラストカットは、“荷車にネロが乗って、天に昇っていく”というシーン。そして、オープニングのラストカットも、“荷車で天に昇っていくネロ”が・・・! あの最終回のラストシーンは、なんと、毎回のオープニングの中で、初回から表現されていたんですね~。 日本のアニメ史に刻まれた『フランダースの犬』。 人々が涙した「名ラストシーン」は、さまざまな反響がありながらも、原作通りのストーリーで作られた作品でした。 HERBALIFEで豊かな人生を♪ ポチしてね♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 30, 2007 11:34:00 PM
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