スポーツ

青木功氏 帝王J.ニクラウスに「帝王切開で生まれたのか?」

ゴルフ界の「レジェンド」青木功氏

 400勝投手として野球界を代表する金田正一氏(82)と、日本人初の米国PGAツアー優勝などゴルフ界を代表する実績を持つ青木功氏(73)、レジェンド同士の奇跡の対談が実現した。公に対談をするのは今回が初めてだという2人が、圧倒的な強さで史上最高のプロゴルファーと呼ばれたジャック・ニクラウスと互角に戦った1980年のことを振り返った。

──青木さんは1980年の全米オープンで、あのジャック・ニクラウスとも互角に戦いました。

青木:「あの」とかいっている時点でもう負けているんですよ。当時も報道陣から「帝王と回る気持ちは?」なんて聞かれたね。でもオレは「帝王って何だ? 帝王切開で生まれたのか?」と聞き返してやった。「同じくお母ちゃんのお腹から出てきた1人の人間だ。彼がそれで帝王なら、オレだって帝王だ」くらいの気持ちでやっていたからね。

金田:他の日本人プロゴルファーと違うのはそこだよ。惜しくも2位に終わったが、あの勝負は痺れたな。それに1983年の「ハワイアンオープン」でチップインイーグル(128ヤード)での逆転優勝。あれは本当に奇跡だ。

青木:同じ場所から30万回打って1回入る確率だそうですよ。

金田:ワシはレポーターとして18番グリーン横で目撃していた。もう我がことのように嬉しかったよ。しかしそんな実力があるのに、なんでマスターズでは振るわなかったんだ?

(*編集部注・青木は4大メジャーでマスターズのみトップ10入りを果たしていない)

青木:最初に「マスター」と呼ばれる頂点を極めた選手の試合だと聞いたから、日本人代表という意識が強すぎたんだと思う。欲が先行してしまったというか、自分自身のコントロールができなかった。今から考えると、普通にやれば勝てたかなと思いますけどね。

●かねだ・まさいち/1933年、愛知県生まれ。1950年に国鉄入団。入団翌年から1964年まで、14年連続で「20勝以上・300投球回数以上・200奪三振以上」(プロ野球記録)。1965年に巨人に移籍し、1969年に通算400勝を達成して引退。365完投、4490奪三振など、数々の日本プロ野球記録を作った。監督としては1974年にロッテを率いて日本一。1988年に野球殿堂入りを果たす。

●あおき・いさお/1942年、千葉県生まれ。国内通算57勝(賞金王5回)。海外では1978年に欧州ツアーの「世界マッチプレー選手権」を制したのを皮切りに、1983年には「ハワイアンオープン」で日本男子初の米ツアー優勝を飾り、1989年には豪州ツアーでも勝利して日米欧豪の4ツアー制覇を達成。1992年からは米シニアツアーに参戦して通算9勝。2004年には日本人2人目となる世界ゴルフ殿堂入りを果たしている。

※週刊ポスト2016年1月29日号

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン