11月28日に81歳で亡くなった俳優、菅原文太さん。早世した長男で俳優、加織(かおる)さん(享年31)を、最期まで思い続けていた父の思いが伝えられている。実はこの2人、今から約22年前、夕刊フジで共演していたのだ。文太さんと加織さんが夕刊フジだけに明かした父子の強い絆。その貴重なインタビューを再現しよう。
2人のWインタビューが実現したのは、1992年2月27日発行の夕刊フジ「ぴいぷる」欄。Vシネマ「ビッグボス」での共演がきっかけ。当時、加織さんは22歳。前年にデビューしたばかりの駆け出しだった。
たばこの吸い方までそっくりと書かれた2人。「こいつが初めて映画に出たのは、高校生の時だったかな。オレは別に何も言わなかった。本気じゃないだろうと思っていたからね」と文太さんが切り出す。
「音楽じゃメシが食えないことがわかってきた。そして結婚を機に本格的に役者をやろうと決めたんです」という加織さんに、「そういう生き方もいいんじゃないか。オレの若いころだって同じ」とエールを送る。
そして「映画やテレビは、演技論なんてナンセンス。実践がいちばん勉強になる。もっといえば、自分がどんな生き方をしてきて、何を考えていたかの方が大事」とアドバイスも。