「無いものは自分たちで創る」夢のホビーパソコン『X68000』の魅力について語っちゃいます
2017年5月29日 更新

「無いものは自分たちで創る」夢のホビーパソコン『X68000』の魅力について語っちゃいます

1987年発売当時、他のゲーム機やパソコンを圧倒する性能と子供には手の出ない高価な価格は、マイコン好きの少年達にとって憧れの存在でした。そんな夢のパソコンX68000についてご紹介します。

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X68000のBASIC言語

『パソコンをさわる』というのは、当時はBASIC言語を駆使していく行為が一般的でした。もちろんX68000にもBASIC言語はありました。しかし、一般的なBASIC言語とは少々勝手が違うようです。
X68kのBASICは普通のBASICではありませんでした。構造化を強く意識し、拡張性を重視した構造だったのです。
BASICの文法は、BASICというよりはむしろC言語に近いものです。先頭に行番号がつき、インタープリタではありますが、
変数使用前に宣言が必要(しなくてもよい)
変数の宣言時の初期化が可能(配列も初期化可能)
ローカル変数をもった関数呼び出しが可能
複数行にわたる IF〜ELSE〜構文や、SWITCH〜CASE〜BREAK構文が使用可能
BNFにしたがった文法
など、C言語を強く意識した構造をもっています。

ディスクマガジンも販売されていました

満開製作所の電脳倶楽部

満開製作所の電脳倶楽部

『月刊電脳倶楽部』はフロッピーディスクを媒体としたディスクマガジン。1988年当時としては画期的であった(これ以外には、コンパイルの『ディスクステーション』が挙げられるが、市販PCゲームの体験版やミニゲームなどがメインで、本誌とはかなり傾向が違う)。初代編集長は祝一平。12年間に亘って発行された。毎月18日発行。当初は2HDフロッピーディスク1枚構成で1部1000円、後に2枚構成で1部1500円で販売された。当初は6ヶ月の定期購読のみでの発行であったが、後にソフトベンダーTAKERUでの購入(バックナンバー含む)も可能になった。しかし、TAKERUが1997年に撤退すると、再び定期購読(この頃は3、6、12ヶ月)のみでの供給となった。Oh!Xの休刊、シャープのX68000事業撤退後も同誌は発行が続けられた。しかし読者の減少には歯止めが掛けられず、同社がX68000関連事業から撤退した、2000年8月発行のVol.148で終止符が打たれた。廃刊後は、元スタッフのサイト上で番外編が配布されたこともある。

内容はプログラムやX68000の内蔵FM音源などによる音楽(当時の流行曲など、他の作曲家による耳コピー曲には、JASRACシールがフロッピーに張られていた)、レポート、CGや著作権切れした文学のテキスト化(PDD=パブリックドメインデータと呼ばれた)などが収録されていた。これらは主に読者投稿によるものであり、Oh!Xのライターなども数多く寄稿していた。独自開発されたブラウザを採用し、マウスやジョイスティックでテキストファイルなどを簡単に閲覧することを可能にしていた。採用作品には、謝礼として図書券などの金券が投稿者に送られ、記事によっては原稿料が支払われる事もあったという。当初はフロッピー1枚の供給形式であったが、やがて内容強化によりフロッピー2枚組となり、Vol.140から媒体がCD-ROMに変わったが、この形態は僅か8号分で終了となる。先述の事業撤退も関係しているが、X68000用のCD-ROMデバイスドライバのサポート体制がメーカー主導ではなく、サードパーティー製やフリーウェアによるものであることも影響している。

キャッチコピーは、「電源ONですぐ起動、マウスひとつでらくらく操作」
引用:wikipedia
電脳製作所といえば電子ちゃん

電脳製作所といえば電子ちゃん

※宗教の勧誘漫画ではありません

※日ペンの美子ちゃんでもありません
TAKERUで販売されていました

TAKERUで販売されていました

地方だと、なかなか近くに置いてなかったんですよね。

誰も使ってなかった『SX-Window』

http://www.retrogamer.info/inc/articles/img/x68000-sx-windows3.png (1452664)

SX-Windowとは、SHARP X68000シリーズに標準添付されているウィンドウシステム(デスクトップ環境)。1990年のEXPERT II/PRO II/SUPER HDから付属している。
SX-WINDOWは標準DOSのHuman68kと協調して動作している。したがって、Human68kからみればSX-WINDOWは一プロセスに過ぎない。SX-WINDOWは自プロセス内で各タスクを扱っている。X68000シリーズはリニアアドレッシングなので素直な構成で作られている。SX-WINDOWは当時のWindowsやMacintoshと同様、イベントドリブンによるマルチタスクである。
外見は当時はNeXTのGUIに例えられていた。WindowsやMac OSも後のバージョンではマウスの右ボタンを活用しているが、対象物に対して右ボタンクリックでコンテキストメニューを出すシステムはSX-WINDOWの方が先であった(なお同時期にOS/2やAcorn Archimedesが同種のインターフェースを採用している)。
引用:wikipedia
処理が重く実用性に乏しかったため、周りで使っている人は皆無でした。

「無いものは自分たちで創る」の精神

国内では全くパソコンに採用されなかった68000系列のパソコンであるが故の宿命から、オフィススイート等の実用ソフトを初めとしてパッケージソフトウェアに恵まれず、かつ圧倒的なPC-9801のシェアに押されていたことが、逆に独自の豊かなフリーウェア文化が花開く土壌を形成し、ユーザー有志の手により様々なソフトウェアが作られ、パソコン通信や書籍などを通じて配布された。市場占有率から勘案されるユーザーの絶対数に比して、その数と充実ぶりには目を見張るものがあり、日本のパソコン文化とは異なるヨーロッパのパソコン文化を思わせる流儀と実績を残した。
代表的なものをいくつかピックアップしてみました。
GNU C Compiler

GNU C Compiler

SHARPから発売されたXCコンパイラーはC言語の標準であるK&Rに非準拠であり、数々の制限があった。一方、有志の手により1988年初頭にはGNU C Compiler(以下GCC)が移植され、X68000への最適化も行われた。その後、GNU C++ (g++) も移植されるとともにライブラリも整備され、これらの開発環境の整備により多くのフリーソフトウェアを生み出した。これらは当時のパーソナルコンピューターとしては比較的大規模なソフトウェアであり、MS-DOS環境と比較して、X68000の持つリニアで巨大なメモリー空間を生かしたソフトウェア(移植)であると言える。
引用:wikipedia
MXDRV

MXDRV

最も広く使われた音楽ドライバー。パソコン通信等で普及した。FM音源とADPCM音源を制御する事が出来る。前身にMUDRVがある。対応するのはMDXファイル(演奏データ、拡張子.mdx)とPDXファイル(ADPCMデータ、拡張子.pdx)。複数人で頻繁に改良が加えられたために数多くのバージョンが存在し、ADPCMを擬似的に多重発音出来るPCM8・PCM8Aに対応しているバージョンも有る。パソコン通信等ではコピー曲やオリジナル曲などのMDXファイルが数多く流通した。MMDSP、MDXSのように演奏をビジュアル表示する再生ソフトも数多く作られた。
引用:wikipedia
Z-MUSIC

Z-MUSIC

音楽ドライバー・サウンドドライバー。バージョン2.0が広く使われた。後述のMXDRVに比べると後発にあたり、処理速度の向上、機能の追加等が図られている。MXDRVとは直接の互換性はない。
X68000の内蔵音源であるFM音源8声とADPCM1声(MPCM.X ©Wachomanを使用すれば16声まで)、MIDIボードが接続されていればMIDI楽器も同時にコントロールすることが出来る。
一般の音楽制御ドライバーでは1台のMIDI楽器をコンピューターの外部音源という位置付けで扱っていたが、Z-MUSICではX68000をホストに複数のMIDI楽器をコントロールすることができるように設計されている。
Z-MUSICは、ゲームに組み込んで使うことも考慮して設計されており、一部の市販ゲームや同人ゲームで実際に採用された。また、第三者によって、他ドライバーからのデータ変換、ビジュアルプレイヤーやミュージックセレクター、データ制作や開発支援、ADPCMユーティリティーなど様々なツールが作られた。
なお、Z-MUSICのZは、作者の名前である西川善司 (Nishikawa Zenji) から採ったものである。
引用:wikipedia
PCM8.x

PCM8.x

CM8は、割り込みを使用して発声リクエストのあったADPCMをPCMに展開し、音量変化が指定されている場合は適切にデータを変化させ、PCMを8声分足しあわせた後に、再びPCMからADPCMに変換してハードウェアに引き渡します。
仕組は簡単ですが、だれもこれがソフトウェアで出来るとは思っていませんでした。ADPCMとPCMの変換作業は、非常に複雑な数式からなっており、常識で考えてリアルタイムで行うことは不可能だったのです。

しかし、PCM8の作者の江藤 啓氏は、この変換式のほとんどを膨大なテーブル(64K超 )に置き変えることで実現してしまったのです。
引用:http://www.wizforest.com/OldGood/X68k/X68k2.html
PICファイル

PICファイル

インターネットの普及する以前のパソコン通信上での画像交換に使われていたフォーマットの一つで、シャープのX68000シリーズにおける事実上標準画像フォーマットとして使われていた。パソコン通信で流通した豊富なPIC形式の画像資産により、256色以上の画像フォーマットとしても有力な地位にあり、富士通のFM-TOWNSシリーズでも用いられたり、標準では16色表示のNECのPC-9801シリーズにも減色して表示するローダーが開発されるなど、他の機種でも主に鑑賞用に使われた。
PIC形式は、可逆圧縮で色数は8色からフルカラーまでに対応していたが、実際にはサイズは、512x512以下、色数は15bitのX68000の仕様に合わせた画像が9割以上を占めており、画像ローダ、セーバもその仕様に合わせた物がほとんどだった。それ以上のサイズの画像を表示させる場合は、上下に画像ファイルを分割した2画面PICと呼ばれるものが主に利用されていた(中には上下左右に分割した4画面PICなども存在した)。
横512x縦512、15bitモードでのX68000の画像は、1:1ではなく15:9もしくは3:2のアスペクト比で表示されていたため他機種との画像の交換には様々な問題がつきまとった。
アルゴリズムは、ランレングス法を二次元に拡張したものとWyle符号化の組み合わせであり、いわゆるアニメ絵と言われるものに対しては驚異的な圧縮率を誇る反面、自然画の圧縮率はあまり良くないという特性を持つ。また展開時は色境界線部分が先行して表示されるため、その様子が「稲妻走る」と称されていた。
引用:wikipedia
mint(Madoka INTerpreter)

mint(Madoka INTerpreter)

MS-DOSやHuman68kでさまざまな操作をする場合、標準のコマンドラインだけではファイルをコピーするだけでもいちいちコマンドを打ち込まなければならず、面倒です。そんな面倒を解決するために、さまざまな特徴を持つ、ファイラーと呼ばれるファイル操作用ソフトが開発されてきました。

X680x0にも数え切れないくらいの数のファイラーがありますが、その中でもおすすめなのがMINTというファイラーです。最初の設定で覚えることは非常に多いのですが、慣れてしまえば自分の思い通りの操作ができるように設定できます。
引用:http://www.mmyh.jp/wp/x68kindex/mint-setup
ソフトだけにとどまらず、とうとうハードまで作ってしまいました。
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  • 似て非なるX Window 2022/6/13 01:28

    「誰も使っていなかったSX-Window」という表現は事実と異なります。
    この記事を書いた人の周りにたまたまいなかったか、個人的に勝手な偏見を持っているだけではないですか?
    ある程度習熟している人はSX-Windowを便利に活用していましたし、10MHzモデルでも巷間言われているほど動作が遅かったわでではありません。
    最後まで読んでも納得できるような箇所のない私的な妄想を書き連ねた駄文でしかないです。

    pro xv 2020/9/14 18:30

    クロックアップも流行りましたね。私のPROは15MHz駆動でした

    HAL 2018/8/4 09:58

    私もPROユーザーでしたのでうれしい記事です。DTM中心でしたが使うことが楽しかったのを覚えています。SX-Window、私は仕事に使ってましたよ(^^♪。TeXをインストールしSX-Windows上のシャーペンでソースの編集、コンソールでコンパイル、dviビューワーもフリーソフトでSX-Windowで完結させてました。やろうと思えばなんでもできるのがX68kの魅力でした

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