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戦国艶物語の淀君や春の坂道の淀の方の事も思い出したので書きます。その前に、確か民放で初めて淀を演じたのは、月曜夜8時のナショナル劇場「真田幸村」(主演中村錦之助)の中で淡島千景が演じた筈。北政所は東山千栄子。太閤亡き後の大坂城で幸村が淀を諫めるシーン覚えてます。戦国艶物語は牡丹の花になぞらえた淀君編が一番面白かったです。特に茶々が三国連太郎の秀吉に目通りするシーン、妻妾達がズラリと並んで華やか。奈良岡朋子の北政所、岩崎加根子の京極局、伊藤栄子の加賀局が印象的。特に淀と京極局の確執、黒百合事件で淀を嗜める北政所の場面を覚えています。奈良岡朋子は春の坂道でも北政所を演じていて、私の中ではやはり北政所のイメージは奈良岡朋子。春の坂道では岸田今日子演じる淀の方が超オカルト的。秀吉が亡くなって泣き叫ぶシーン、豊臣家が没落して行く中で片桐且元達と酒宴をしているシーン、大坂落城の折に徳川方の捕虜になりそうな時に、「輿を持て!」と誇り高く毅然と叫ぶ所、饗庭局が「殺してたも」と徳川方の侍に言う所等覚えています。
私の中での淀殿は、やはり木暮実千代が最高。昭和43年の大奥が大ヒットして、45年万博の年の1月から大坂城の女が放映。稲野和子の一の台や荒木道子の淡路局等インパクトの強い悪女の中で一際輝く超ド悪女の淀殿。豪華絢爛で妖艷ヒステリックな豊臣家の女帝を怪演。三益愛子の北政所を大坂城から追い出してヤりたい放題。石田三成も大野治長も手玉に取って千姫を苛め抜く。老獪な徳川家康を扱き下ろして秀頼を悩ませるゴットマザー。当時、木暮実千代は既に50を越えてる筈。淀殿の実年齢を上回っているのに超色っぽくて華やか。印象に残っているのは醍醐の盃争いや大坂城内での花見の宴シーン。又、片桐且元を追い出す方広寺鐘銘事件の回は圧巻。木暮実千代の独壇場。こんな凄い淀殿を演じられるのは木暮実千代だけ。空前絶後の淀殿。戦国艷物語の岩下志麻演じる悩める淀君も、春の坂道の岸田今日子のオカルト的な淀の方も大好き。だけどここは貫禄がモノを言う決定版として木暮実千代がオススメ。因みに史実の淀殿は全く違います。
戦国時代を題材にした映画・ドラマの中で「淀殿・茶々」を演じた印象に残る女優たち①【1960年代中盤~1970年代初期】
下克上の戦国時代を終らせ、まがりなりにも天下を統一し暫くの間平和を享受した豊臣秀吉。その秀吉の愛妾であった淀殿は、秀吉の死後、幼い息子・秀頼に代わって権力闘争の渦中に身を投じることとなる。この劇的な史実を映画・ドラマで演じた女優はかなりの人数に上るが、その中でも印象に強く残っている女優を列挙します。