戦国時代を題材にした映画・ドラマの中で「淀殿・茶々」を演じた印象に残る女優たち①【1960年代中盤~1970年代初期】
2017年11月21日 更新

戦国時代を題材にした映画・ドラマの中で「淀殿・茶々」を演じた印象に残る女優たち①【1960年代中盤~1970年代初期】

下克上の戦国時代を終らせ、まがりなりにも天下を統一し暫くの間平和を享受した豊臣秀吉。その秀吉の愛妾であった淀殿は、秀吉の死後、幼い息子・秀頼に代わって権力闘争の渦中に身を投じることとなる。この劇的な史実を映画・ドラマで演じた女優はかなりの人数に上るが、その中でも印象に強く残っている女優を列挙します。

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まずは、「淀殿」の基礎知識をおさらい!!

『伝淀殿画像』(奈良県立美術館所蔵)

『伝淀殿画像』(奈良県立美術館所蔵)

淀殿(よどどの、永禄12年(1569年)《生まれには諸説あり》- 慶長20年5月8日(1615年6月4日))は、戦国時代から江戸時代初頭の人物。豊臣秀吉の側室。 位階は従五位下とされるが、諸説あり。本名は 浅井 茶々(あざい ちゃちゃ)および浅井 菊子(あざい きくこ)。浅井三姉妹の一人。近江国の戦国大名・浅井長政の娘。 母は織田信長の妹・市。
歴史的うんちくを言い出すと止まらなくなりそうなので、重要なことだけ簡略に書くと、叔父にあたる織田信長と父である浅井長政の戦で、1573年(天正1)信長に包囲された長政の居城である小谷城から母に伴われて妹2人とともに脱出し,信長の尾張清須城に入る。1582年柴田勝家に再嫁した母に従い,越前北ノ庄(福井)城に入る。1583年豊臣秀吉に攻められて北ノ庄は落城,勝家に殉じた母と別れ,秀吉に庇護された。1590年頃に秀吉の側室となり,山城の淀城に移り,淀の女房と呼ばれた。これが「淀殿」とよばれた所以である。1592年(文禄1)頃大坂城二の丸に移り,二の丸殿と呼ばれた。同2年男児お拾 (ひろい,のちの秀頼) を産み,まもなく伏見城西の丸に移り,西の丸殿と呼ばれた。1603年(慶長8)徳川秀忠と小督の間に生れた千姫が秀頼に嫁し,1605年秀忠が征夷大将軍に,秀頼が右大臣となった。1614年京都方広寺大仏殿の造営に伴う鐘銘事件が起り,さらに大坂冬の陣が起った。1615年(元和1)1度は東西和議が成立したが,続いて夏の陣が起り,ついに大坂落城となって淀殿,秀頼は自刃し,豊臣氏は滅亡した。

ほんとは呼び名を「淀の方」とするのが妥当!!

私が記事にしようとしている女性には、「淀君」と言う呼び名もあるが「君」というのは遊女に付ける呼び名で、江戸時代につけられた蔑称であり、戦国時代の史料には一切見られず、現在はあまり使われないそうだ。
しかし、淀殿と言う呼び名も、戦国時代の史料には見られず、淀の方と通称されていたようだが、この記事では便宜上「茶々」、「淀殿」として記述することにする。

私は学生時代、淀殿を「日本三大悪女」の一人として習った!!

大坂冬の陣の前には戦を回避しようと働きかけていた片桐且元や織田有楽斎を追放し、更に徳川方が提示した和睦案を蹴るという無謀な行動も取ったとし、また、家臣団を騙し、豊臣家世継ぎの母として権力を行使する、といったようなことをまことしやかに教えていました。

ちなみに「日本三大悪女」とは、北条政子、日野富子、淀殿!!

北条政子木像(安養院蔵)

北条政子木像(安養院蔵)

北条政子(ほうじょうまさこ)
出身地:伊豆(静岡県)
生 誕:1157年
死 没:1225年8月16日
享 年:69歳
時代:平安時代-鎌倉時代
源頼朝の正室、北条時政の長女
源頼朝が他の女性と接することを好まず、結果的に後継者不足となり、源氏が棟梁を務めたのは3代将軍までとなってしまった。
源氏の嫡流が絶えた後は、北条政子と北条家が政治の実質的な権限を握った。
朝廷と争い、上皇などを流罪に追い込んだ。

このようなことが、北条政子を日本三大悪女の一人に数える要因になったものと思われる。
日野富子木像(宝鏡寺蔵)

日野富子木像(宝鏡寺蔵)

日野 富子(ひの とみこ)
出身地:山城(京都府)
生 誕:1440年
死 没:1496年6月30日
享 年:54歳
時代:室町時代後期ー戦国時代前期
足利義政の正室、蔵人右少弁・贈内大臣日野重政の娘
日野富子は室町幕府の将軍が意のままにならないと、次から次へと首を挿げ替えし、自分だけのマイ関所を設置し、徴収した関銭は自分のおこづかいしていた。富子は応仁の乱(1467~1477)のきっかけとなるキーパーソンであり、戦国時代を招いた張本人であり、「悪女」と言われている所以である。また、貸金業やコメの投機にも積極的だったため、「守銭奴」としても名高いとされている。
しかし最近の研究では戦乱を収めるために奔走し、権威の傾いた室町幕府を立て直すために、政治に関心のない夫に代わって活躍したことが、江戸時代の朱子学者などにより歪められて伝えられたものであり、戦国時代を懸命に生き抜いた孤独なその生涯が評価し直されてきている。
古より”できる女性”に対する男の「嫉妬」は実にすさまじい物があるんですよ・・・!!

さて基礎知識はこの位にして、本題へ!!

「淀殿」を演じる女優を見るにはテレビ・映画の時代設定が戦国時代になるのである(当たり前だ!!)が、同時代に活躍した歴史上の英傑たちが余りにも多いため、例えば、NHK大河ドラマでも戦国時代の誰々を主人公にしたドラマを放映したとしても、必ずと言って良いほど「淀殿」が出演するシーンが見られる。これは逆に考えれば「淀殿」がこの時代において、どれほど重要な人物なのかを物語っているのではないか・・・!!。

1965年、テレビ史上初めて「淀殿」が画面に登場 → 『太閤記』

『太閤記』

『太閤記』

『太閤記』(たいこうき)は、1965年1月3日から12月26日にNHKで放送された3作目の大河ドラマ。原作は吉川英治の小説『新書太閤記』。主演には緒形拳が抜擢され、人気を博した。
高橋幸治演じる織田信長にも人気が集まり、「信長を殺さないで」という投書がNHKに殺到し、本能寺の変の放送回が延期されたという逸話がある。平均視聴率は31.2%、最高視聴率は39.7%を記録した(10/17放送分 ビデオリサーチ調べ・関東地区)。大河ドラマが初めて日曜午後8時台の放送となった作品でもある。
1965年 NHK大河ドラマ『太閤記』の「淀殿」役で出...

1965年 NHK大河ドラマ『太閤記』の「淀殿」役で出演した三田佳子

三田 佳子(みた よしこ、1941年10月8日 - )
本名 高橋 嘉子
生年月日 1941年10月8日(76歳)
出生地 大阪府大阪市
血液型 O型
職業   女優
大河ドラマ『いのち』と『花の乱』で主演を務めた。大河ドラマに複数回主演した唯一の女優である。
たしか、この『太閤記』はNHK大河ドラマでは3本目にあたり、それまではそんな人気がなかったのが、一気に人気に火が付いた作品であり、私はこれ以前の物は頭の中に残っていない。
主人公である豊臣秀吉に故人の緒方拳が扮していて、三田佳子扮する淀殿の絡みで見た目のアンバランス(美女と鼠か? 失礼!!)に当惑していた覚えがある。
ちなみに、三田佳子はNHK大河ドラマで三大悪女の中の二人(『太閤記』の「淀殿」と『花の乱』の「日野富子」)演じた唯一の女優だが、北条政子も見てみたい気がする!!
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思い出を語ろう

     
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  • 黒服 2019/6/19 23:29

    戦国艶物語の淀君や春の坂道の淀の方の事も思い出したので書きます。その前に、確か民放で初めて淀を演じたのは、月曜夜8時のナショナル劇場「真田幸村」(主演中村錦之助)の中で淡島千景が演じた筈。北政所は東山千栄子。太閤亡き後の大坂城で幸村が淀を諫めるシーン覚えてます。戦国艶物語は牡丹の花になぞらえた淀君編が一番面白かったです。特に茶々が三国連太郎の秀吉に目通りするシーン、妻妾達がズラリと並んで華やか。奈良岡朋子の北政所、岩崎加根子の京極局、伊藤栄子の加賀局が印象的。特に淀と京極局の確執、黒百合事件で淀を嗜める北政所の場面を覚えています。奈良岡朋子は春の坂道でも北政所を演じていて、私の中ではやはり北政所のイメージは奈良岡朋子。春の坂道では岸田今日子演じる淀の方が超オカルト的。秀吉が亡くなって泣き叫ぶシーン、豊臣家が没落して行く中で片桐且元達と酒宴をしているシーン、大坂落城の折に徳川方の捕虜になりそうな時に、「輿を持て!」と誇り高く毅然と叫ぶ所、饗庭局が「殺してたも」と徳川方の侍に言う所等覚えています。

    黒服 2019/6/3 19:53

    私の中での淀殿は、やはり木暮実千代が最高。昭和43年の大奥が大ヒットして、45年万博の年の1月から大坂城の女が放映。稲野和子の一の台や荒木道子の淡路局等インパクトの強い悪女の中で一際輝く超ド悪女の淀殿。豪華絢爛で妖艷ヒステリックな豊臣家の女帝を怪演。三益愛子の北政所を大坂城から追い出してヤりたい放題。石田三成も大野治長も手玉に取って千姫を苛め抜く。老獪な徳川家康を扱き下ろして秀頼を悩ませるゴットマザー。当時、木暮実千代は既に50を越えてる筈。淀殿の実年齢を上回っているのに超色っぽくて華やか。印象に残っているのは醍醐の盃争いや大坂城内での花見の宴シーン。又、片桐且元を追い出す方広寺鐘銘事件の回は圧巻。木暮実千代の独壇場。こんな凄い淀殿を演じられるのは木暮実千代だけ。空前絶後の淀殿。戦国艷物語の岩下志麻演じる悩める淀君も、春の坂道の岸田今日子のオカルト的な淀の方も大好き。だけどここは貫禄がモノを言う決定版として木暮実千代がオススメ。因みに史実の淀殿は全く違います。

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