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2019/6/23 16:23
本宮ひろ志氏がジャンプの愛読者賞の講評を行った文章の中で、他誌作品の「六三四の剣」に触れ、「少年漫画の最も難しいテーマに挑む勇気を買う」と論じたことがあります。
改めてみてみるとこの作品は少年誌にありがちなハッタリが極力ない作品であることに驚かされます。舞台は超能力も超科学もない現実世界。スポーツ漫画にありがちな理屈抜きの必殺技もない。強くなるための過程は普段の地味な修練のみで、非常識なハードトレーニングでいきなり強くなったりしない。こういう地味な作風だと、読者に緊張感をもたらしたりカタルシスを与えたりする方法が限られますが、ご都合主義を使わずひたすら王道展開を貫く。これをもって難しいと言ったのだと思います。高校1年での山ごもり特訓はさすがにハッタリかなとは思いますが。
剣道人口の増加にも貢献したマンガ「六三四の剣」は、正統派の剣道マンガ。まっすぐな剣道少年の成長が描かれています。
1981年から「少年サンデー」で連載された「六三四の剣」は、剣道シーンの描写も高く評価された、正統派の剣道マンガです。岩手に生まれた少年が、剣道を通して、ライバルや仲間たちと成長していく姿が描かれ、剣道を始める子供たちも増えたと言われています。マンガ「六三四の剣」をもう一度振り返ります。