戦前のホラー映画『フランケンシュタイン』と『魔人ドラキュラ』
『フランケンシュタイン』 1910年 アメリカ映画最初のホラー映画
フランケンシュタイン (1910年・明治43年の映画) - YouTube
『フランケンシュタイン』 1931年 ユニバーサル映画が製作したホラー映画
『フランケンシュタイン』 1931年 ユニバーサル映画が製作したホラー映画
本作は世界的に大ヒットし、モンスター役を演じたボリス・カーロフもまた、怪奇スターとして世界にその名を知られた。
1931年に『魔人ドラキュラ』を大ヒットさせたユニバーサル映画は、ホラー映画第2弾としてメアリー・シェリーによるゴシック小説の名作『フランケンシュタイン』の映画化を企画する。
同作は1910年にエジソン社によって映画化された事があった。ユニバーサルはドラキュラを演じて怪奇スターとなっていたベラ・ルゴシをフランケンシュタイン・モンスター役にキャスティングしようとした。しかしルゴシが台詞のない厚いメイクの怪物役を拒否した為、コリン・クライブをモンスターの創造者である科学者ヘンリー・フランケンシュタインとして主演に起用、モンスター役は脇役俳優だったボリス・カーロフに配役された。
完成・公開された映画は、スローテンポが特徴だった『魔人ドラキュラ』とは対称的に、スリリングな展開を持つ傑作との評価を受け、前作を上回る世界的大ヒットを記録した。そして、オープニングでモンスター役の俳優名を「?」とクレジットされたカーロフ(エンディングでは「ボリス・カーロフ」とクレジットされている)もまた、世界に知られる怪奇スターとなった。
『フランケンシュタイン』 1931年「あらすじ」
男爵家の嫡男である若き科学者ヘンリー・フランケンシュタイン(コリン・クライヴ)は、生命創造の研究に没頭していた。
助手のフリッツと共に墓地から盗み出した死体を接合し、雷光の高圧電流を浴びせ新たな人間を創造するという実験を行う。
だが、その肉体には犯罪者の脳が埋め込まれてしまったため、凶暴な怪物が誕生してしまった。怪物は研究室から脱走し、村で無差別に殺人を犯す。怒れる村人たちに風車小屋に追い詰められた怪物は、燃え盛る小屋諸共崩れ去った。
(出典:Wikipedia「フランケンシュタイン (1931年の映画)」)
『魔人ドラキュラ』 1931年 ユニバーサル映画が製作したホラー映画
『魔人ドラキュラ』 ユニバーサル映画が製作したホラー映画。1931年2月14日公開
ブラム・ストーカー原作『ドラキュラ』の初の正規映画化作品。
世界的にヒットし、戦前のホラー映画ブームを巻き起こした。ユニバーサルは怪奇メーカーとして名をはせ、ドラキュラ役で主演したベラ・ルゴシも世界に知られる怪奇スターとなった。オープニングにチャイコフスキーの白鳥の湖の序章が編曲されて使用されている。
『魔人ドラキュラ』のストーリー
ドラキュラはレンフィールドに手引きさせて船を占拠してイギリスに渡る。カーファックス修道院を棲家とすると、東欧から移住してきた高貴な伯爵として社交界に現れ、次の獲物を狙って暗躍を始めるのであった・・・
完成した本作はスローなテンポで荘厳なゴシックホラーの世界を映像で再現、アメリカのみならず世界的にヒットし、ホラー映画のブームを巻き起こす大成功作となった
美女の血を吸うドラキュラ伯爵!
どうですか。ここまでは、まだ怖くないのでは。
『血の祝祭日』(1963年) スプラッター映画の始祖H.G.ルイスの作品
『血の祝祭日 (Blood Feast) 』 1963年
スプラッター・ムービーの元祖として、ホラー映画史に名を残す作品。
監督はハーシェル・ゴードン・ルイス。出演はコニー・メイソン、トーマス・ウッド、マル・アーノルドほか。2012年10月6日より東京・渋谷シアターNにて開催された「ハーシェル・ゴードン・ルイス映画祭」にてデジタル上映。
(出典:Movie Walker「血の祝祭日」)
『血の祝祭日』は観客を恐怖と嘔吐の渦に陥れた永遠の問題作。
その中でも、この作品こそがその第一号。いわば全てのスプラッター・ムービーの元祖なのだ。
物語は、自らを古代エジプトの高僧の生まれ変わりだと信じる料理屋の男が、次々と若い女性を殺害しその血肉を生け贄として神に捧げているというもの。
だがこんなありふれたストーリーはどうでもよく、主眼はもっぱら延々と展開される血の饗宴という事になる。
はらわたは抉り出され、頭はかち割られ、目は潰される。女たちは肉塊と化して血溜まりに頽れる……。
下手糞な演出やカメラワークが、これほどまでにリアリティを生み出すものなのだろうか。作り物とは判っていても、この凄惨な描写の臨場感には並々ならぬものがある。1963年、この年にこんな映像を作り上げていた男、H・G・ルイスは紛れもなく“フィルムの狂人”だ。
<allcinema>
映画『ハーシェル・ゴードン映画祭』予告[HD] 2012年10月6日公開 - YouTube
2012年10月6日(土)シアターN渋谷にて開催
上映作品(全6作品)
『血の祝祭日』
原題:BLOOD FEAST/1963年/70分
監督:ハーシェル・ゴードン・ルイス/出演:コニー・メイソン、トーマス・ウッド、マル・アーノルド
古代エジプトの女神を崇拝する料理店の主人が次々と美女を殺害。鮮血滴る四肢と臓物を女神復活の儀式に捧げる。目玉をえぐり、腿を切断し、舌を引き抜くショッキングな流血描写、稚拙ゆえに異様な迫力を生むカメラワーク。ルイスを一躍有名にした永遠の問題作。
(c)1963 Box Office Spectaculars, Inc., Epics International.
『エクソシスト』(1973年) 70年代のオカルト映画ブームを主導した世界的な大ヒット作品
『エクソシスト』(THE EXORCIST) 1973年のアメリカのホラー映画
題名となっているエクソシストとは、英語で"悪魔払い(カトリック教会のエクソシスム)の祈祷師"という意味である。
『エクソシスト』のストーリー
イラク北部で遺跡の発掘調査していたメリン神父(マックス・フォン・シドー)は、悪霊パズズの像を発見する。彼は「この邪悪な宿敵と再び対峙する日が近い」と予感する。
女優のクリス・マクニール(エレン・バースティン)は映画撮影のためにワシントン近郊のジョージタウンに家を借り、一人娘のリーガン(リンダ・ブレア)と共に滞在していた。
ジョージタウンに住むデミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)は時々、ニューヨークに住む母親を見舞いに訪ねている。母親はギリシャからの移民でラジオでギリシャの音楽を聴いている。
クリスはやがて一人娘であるリーガンの異変に気付く。その声は邪悪な響きを帯びて形相も怪異なものに豹変したうえ、荒々しい言動は日を追って激しくなり、ついには医者からも見放される。その矢先、友人の映画監督のバーク・デニングズが殺害される事件が発生する。死体が発見されたのはクリス宅の近くの階段であった。キンダーマン警部補(リー・J・コッブ)が捜査に乗り出す。そして、悪魔はリーガンに十字架で自慰行為をさせ、バークの声を使ってクリスを嘲笑する。
娘が悪霊に取り憑かれたと知ったクリスは、カラス神父に悪魔払いを依頼する。悪魔憑きに否定的なカラスは調査を進めていくうちに、リーガン自身からの救済のメッセージを発見する。カラスは悪魔払いの儀式を決意し、大司教に許可を依頼する。主任には、悪魔払いの経験があるメリンが選ばれた。そして2人の神父は、少女リーガンから悪霊を追い払うため、壮絶な戦いに挑む。
(出典:Wikipedia「エクソシスト (映画)」)
撮影は3日間かけて行われ、ニューヨークのブロンクス区にあるエジソン・スタジオで制作が行われた。いくつかの文献にはプロデューサーとしてトーマス・エジソンの名前が挙がっているが、実際は制作に参加しておらず、エジソン・スタジオが彼の名前を借りただけである。
製作体制は不完全で、賃金が払われなかったスタッフもおり、フランケンシュタイン役のオーガタス・フィリップスや、怪物役のチャールズ・スタントン・オーグル、婚約者役のメアリー・ファラーへの賃金の支払いも不十分だった。
長い間、この映画のフィルム原版は現存しないものとされていた。1950年代に、この映画のポジ・フィルムはウィスコンシン州の映画コレクター、アロイス・デットラフによって購入された。デットラフ本人はずいぶん後になるまで、このポジ・フィルムがどれだけ貴重なものか知らなかったという。
1963年、あらすじ書きとスチール写真が掲載されたエジソン社の映画カタログ、『エジソン・キネマトグラム』(1910年5月15日発行)が発見された。
デットラフの全長版ポジ・フィルムが公になったのは1970年代で、画質は低下していたが、鑑賞する分には問題なく、色合いや字幕も1910年当時のままだった 。
70年代後半にデットラフのフィルムは、フィルムや写真の博物館である「ジョージ・イーストマン・ハウス」によって35mmフィルムにコピーされ、保存されることとなった。
(出典:Wikipedia「フランケンシュタイン (1910年の映画)」)