【古市佳央さん】生死の境を彷徨い生還した男は、やがて人の心を震わせる講演家に。
2017年11月2日 更新

【古市佳央さん】生死の境を彷徨い生還した男は、やがて人の心を震わせる講演家に。

「生きる意味」「本当の幸せ」在り来たりかもしれない言葉も、この人の口から発せられると魂が宿ります。古市佳央さん。最強の講演家と称される彼は、日々幸せに生きる人を増やすべく全国を行脚。16歳にして全身の41%を火傷し実に33回もの手術、生還と引き換えに変貌した容姿。いまや貪欲なまで前向きに生きる古市さんの言葉に触れることが出来ました。

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青春ど真ん中の16歳。
当時の多くの若者が夢中になったバイクで、古市佳央さんは大きな事故に遭遇。

全身の41%を火傷し奇跡的な生還を果たしたものの、16~23歳という多感な時期におよそ3年間の入院生活と33回にも及ぶ手術。そして生き永らえたものの変わり果てた容姿…。

真に生死の境を彷徨った彼はどのように自らを生に奮い立たせていったのか。

後に「最強の講演家」と称されるまでになる古市さん。
1000回を超す講演活動を通し、いまや多くの聴衆に感動と勇気を与える彼の「生きる意味」「本当の幸せ」を、その飾らない言葉でお話いただくことが出来ました。

~乗り越えられない壁はない~古市佳央さん

-「世界一幸せな歌う講演家」として全国を飛び回り、多くの人々に感動や勇気を与えていらっしゃる古市さんですが、その活動の原点はどこにあるのでしょうか?
恩人と呼ぶべき方が、かづきれいこさんでした。
この方とは火傷跡のリハビリメイクを通して出会ったのですが、ある時にかづきさんの導きで講演する機会をいただきました。当時29歳のころです。

そこから17年間、お声がかかる度に講演活動をするようになりまして。今から4年半前に「講演家」を生業とするようになりました。
古市佳央さん

古市佳央さん

1971年東京都生まれ。16歳の時にバイクの事故で全身の41%に大やけどを負い、自分の焼けただれた姿に絶望し、真剣に自殺を考える。
その後、3年間の入院生活の中で奇跡の出会いが次々と訪れ、再び生きる希望を取り戻す。
33回の移植手術を終え、23歳で退院し中古車販売業を起業し社会復帰するも、火傷した事を後悔する日々が続く。
2000年に、リハビリメイクの第一人者のかづきれいこさんとの出会いで講演活動をはじめる。その一歩がきっかけで日本全国を講演活動で回るようになり、2013年には全国講師オーディションで優勝し日本一の講師となる。
現在は温かい世の中にするためにオープンハートの会の運営や、全国各地の小中学校や大学、企業に招かれての講演活動にも力を注いでいる。
(公式HPより)
講演を始めた頃は自分に自信がありませんでした、火傷をして容姿が変わってしまいましたからね。人前で話したり自分をさらけ出すなんてことはとても勇気がいることでした。

でも、お声をかけて下さったかづきさんが「あなたの言葉は多くの人に勇気を与える」と仰ってくれたんです。数々の学校やセミナーで話をしましたが、最初の頃は「なんで自分が…」というのが正直な気持ちでしたが、やがてたくさんの人が感想をくれるようになりました。
「話を聞いて力をもらった」「本当に有難う」って。

自分の人生で「有難う」と言われる経験はありませんでしたから、なんで有難うと言われるのか戸惑いながらも、やがて自分自身が大嫌いだった自分を受け入れてくれる人がどんどん増えてきたんです。

目立つことが好き!活発だった少年時代

-16歳で大きな事故に遭遇した古市さんですが、どのような少年時代を過ごされていたのでしょう。
小学校の頃はスポーツも勉強も大好きでしたよ、クラスでもおそらく目立つ少年で負けず嫌い(笑
中学生になると中2の頃からヤンチャになって勉強もしなくなって…高校にあがってもほとんど学校に行かず、高2の春にバイク事故に遭ってしまったんです。

生死の境を彷徨う事故、壮絶なリハビリ生活

【古市佳央】大谷由里子の全国講師オーディション2013 グランプリ受賞時の講演

古市さんご自身のスピーチでは、言語に絶する壮絶な事故が克明に語られています。
-楽しい青春時代が一転、壮絶なリハビリが始まりました。
16歳って普通なら青春真っ盛りの楽しい年頃ですよね。そんな時期にトータル3年入院して手術を33回、当時は想像を絶するような痛みと苦しみでした。

火傷の手術って残酷でして、普通は切って縫って治すのが手術なのですが火傷の手術は終わってからが痛い。治してるのか傷つけてるのか分からない激痛と向き合う日々なんです。

痛みのなかで人生に絶望します。事故前には決して戻らないことが分かって、どうやって生きていこう…楽に死ねる方法を考える日々、でも死ねませんでした。
-病室でテレビを見たり音楽聴いたり、そんな当たり前の日常はありましたか?
テレビも音楽もありましたよ、普通に話せるようになってからは看護師さんや他の患者さんとも仲良かったり。

周囲が優しかったり庇ってくれたお陰で、肉体的には辛かったけれども精神的には和らぐことが出来ました。

23歳にしてリサイクル屋を創業、やがて中古車屋を展開

-16歳から最初の入院が1年8か月、そこから入退院を繰り返してトータルで3年間。23歳の時に最後の退院となりました。
23歳の時に最後の退院をしてこの体で生きていこうと決意しました。
ただ退院してもやることがないんですよね、学校も資格もないしこんな容姿で働けないし…。
そんなとき、友達が「リサイクル屋をやったらどうか」と話をしてくれました。
-90年代中盤、リサイクル屋は珍しかった気がします。
そうですね、「リサイクル屋」という言葉が出始めた頃だったかと思います。
電化製品を買って売る、みたいな個人売買から始めてやがて「中古車」を扱い始めました。
当時はインターネットがなく、個人名で専門誌に投稿して告知をしていました。
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