1972年~1973年「若山富三郎版」
まずは初の映像化となった、若山富三郎版。1972年より勝プロダクションの制作、東宝の配給で6本の映画が公開されました。若山富三郎の弟である勝新太郎がプロデューサーとして参加していることでも有名です。
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小池一夫に直談判して映像化!!
当時、漫画「子連れ狼」はヒット作品として世間に浸透しており、それを読んで気に入った若山富三郎が小池一夫の下に「ぜひ映画製作をしたい」と編集などを通さずに直談判。模造刀を持ち込み、小池の目の前でトンボを切り、素早い抜刀・納刀をして見せたところ小池が快諾、映画製作へと繋がったというエピソードが残っています。
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1973年~1976年、1984年「萬屋錦之介版」
1973年から日本テレビ系列で放送され、高視聴率を記録した「萬屋錦之介版」。こちらはドラマであり、「若山富三郎版」の映画と並行する形で制作されました。その事について若山富三郎と日本テレビとの間でひと悶着があったものの、映像化権を持っていた勝プロダクションが、同権利を日本テレビに売却することでテレビ放送にこぎつけました。
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また、萬屋錦之介は「子連れ狼」を演じるにあたり、放送期間の長さもあってか胴太貫の使い手・一刀に影響を受け同田貫一門の刀をコレクションするほどに。数百本に及ぶ刀を所持するほど凝っていた時期もあったとのことです。
1989年「高橋英樹版」
1989年にテレビ朝日系列で放送された「高橋英樹版」。「時代劇スペシャル 子連れ狼 冥府魔道の刺客人 母恋し大五郎絶唱!」という特番として放送され、かつて主人公・拝一刀役であった若山富三郎が宿敵・柳生烈堂役に抜擢されるなど、当時ファンの間で大きな話題となりました。
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子連れ狼 Kodureookami Oct,5th 1989
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1993年「田村正和版」
1993年に公開された映画である「田村正和版」。「子連れ狼 その小さき手に」というタイトルで、田村正和の時代劇初主演作でもあります。
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“様式美”に重点を置く作品に。
劇場パンフレットによれば「まったく新しい子連れ狼を」との申し出に田村正和は出演を決めたとのことで、実際、大五郎を乗せる「箱車」、拝一刀が使う「冥府魔道」などの言葉が登場しなかったり、「一刀が大五郎の身を案じて養子に差し出す」といった、原作とは異なる印象の様式美に重点を置く作品となりました。