4人のアメリカ人タレントがCMした日産マキシマ
2017年8月25日 更新

4人のアメリカ人タレントがCMした日産マキシマ

「Max Relax MAXIMA」と、ケント・デリカット、ケント・ギルバート、チャック・ウィルソン、デーブ・スペクターの4人のアメリカ人タレントが出演していた日産マキシマ。バブル時代のクルマと思いきや、アメリカではまだまだ人気車種なのです。

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ブルーバードの派生車種だった初代

U11型にV型6気筒エンジンを搭載したブルーバードマキ...

U11型にV型6気筒エンジンを搭載したブルーバードマキシマ。4ドアハードトップは日本専用になる。

U11型そのものは1983年10月に発売されており、マキシマはちょうど1年後の追加。日米同時に発売されました。エンジンはセドリックなどと同じVG20ET型のSOHCターボ。日本で初めて、V6エンジンとFF方式が組み合わされたクルマでもありました。

上級グレードには「ルグラン」のグレード名が付けられました。これは、時を経て、現在の日産シルフィの特別仕様車に「Gルグラン」として使われています。

1986年11月にマイナーチェンジが行われ、前面が傾斜したスラントノーズに変更。さらにノンターボのVG20E型エンジン搭載車も追加されました。1987年5月には、車名がマキシマとして独立しました。
ブルーバードマキシマの4ドアセダン。セダンボディは北米...

ブルーバードマキシマの4ドアセダン。セダンボディは北米向けにも設定された。

ケント・デリカット、ケント・ギルバート、チャック・ウィルソン、デーブ・スペクターの4人が出演していたCMのマキシマは、単独としては初代ですが、日本市場として見ると実は2代目にあたります。

初代のマキシマはブルーバードの派生車種で、「ブルーバード・マキシマ」の名で販売されていたのを、クルマに詳しい方なら覚えていることでしょう。ボディはブルーバード初のFF方式となったU11型そのままで、4ドアセダンと4ドアハードトップが設定されました。ただし、標準タイプにはないV型6気筒2000ccエンジンを搭載するため、ボンネットが延長されています。
北米向けのマキシマ。カラーリングやメッキの使い方が、い...

北米向けのマキシマ。カラーリングやメッキの使い方が、いかにもアメリカンな印象。

同年9月には4気筒モデルのブルーバードはフルモデルチェンジしましたが、マキシマは1988年まで製造されました。なお、北米市場にはステーションワゴンも設定されていました。

ちなみにトヨタでも、同様に北米で人気のカムリにV型6気筒2000ccエンジンを搭載したカムリ・プロミネントを1987年に追加しました。ただし当時のカムリは、北米向けに6気筒エンジンの設定はなく、マキシマに対抗するための車種でした。

CM /NISSAN ブルーバードMAXIMA `84

登場したてのブルーバードマキシマのCM。大型エンジンならではのダイナミックな走りをPR。

Nissan Maxima CM

ブルーバードから独立した後のCM。トランクリッドの車名をアップで写し、ブルーバードの文字がないことをアピールする。

3ナンバー専用ボディとなった2代目

フルモデルチェンジで、3ナンバー専用ボディとなったマキ...

フルモデルチェンジで、3ナンバー専用ボディとなったマキシマ。今までの国産車にない、広大なキャビンが特徴。

マキシマは1988年10月にフルモデルチェンジし、J30型という、ブルーバードから完全に独立した型式名になりました。

特筆すべきは1760mmの車体幅です。実はこれまで日本には、乗用車の車体幅は1700mm以下という規制があったため、プレジデントやセンチュリー、初代シーマでさえ、1700mm以下に収まっていました。
2代目マキシマの内装。セドリックやローレルのような、日...

2代目マキシマの内装。セドリックやローレルのような、日本流の高級感はない。

規制が撤廃され、この幅を初めて越えた乗用車がマキシマだったのです。ボディは4ドアセダンのみとなり、エンジンはV型6気筒3000ccのVG30E型と搭載。シーマやセドリックなどと同じ系列のエンジンで、トルクを太めに設定したSOHCの160馬力エンジンのみがラインナップされました。

車内もいわゆる「3ナンバー車」の豪華さではなく、ブルーバードと大差ないシンプルなものでした。なぜならマキシマは、北米では一般向けのクルマであり、日本向けにもほぼそのままの内容で販売したからです。大柄なアメリカ人タレント4人を起用したCMも、それを明確にするものでした。
北米仕様のマキシマ。日本仕様と同じ外観をしている。

北米仕様のマキシマ。日本仕様と同じ外観をしている。

1988 NISSAN MAXIMA Ad

ケント・デリカット、ケント・ギルバート、チャック・ウィルソン、デーブ・スペクターの4人がコミカルに出演するCM。

【CM 1989】NISSAN MAXIMA 30秒×2

ケント・デリカット、ケント・ギルバート、チャック・ウィルソン、デーブ・スペクターの4人がアメリカ流の考え方を語るCM。

3ナンバーブームに遅れてDOHC化

シーマの登場以来、日本では3ナンバーの高級車がブームとなっていましたが、マキシマは日本人の好む高級志向とは違うため、売れ行きはイマイチでした。

1989年8月にスポーティ仕様のSEを追加。1991年8月のマイナーチェンジでは、エンジンがV型6気筒3000ccのVE30DE型に変更され、DOHC化により195馬力を発生しました。ちなみにこのVE型は、VG型のFF専用仕様で、マキシマのみが採用しました。
1989年に追加されたスポーティグレードのSE。

1989年に追加されたスポーティグレードのSE。

ライト類がスモーク処理され、リアスポイラーを追加。ステアリングやシートも専用のものになった。
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思い出を語ろう

     
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  • ヽ(`Д´)ノ 2022/1/24 22:16

    初代センチュリー、プレジデント、シーマが全幅1700mm以下、
    VE30DE、、、、

    もうデタラメばっか。

    かづき 2018/11/30 23:00

    SEに乗っていました。
    豪華さはなかったけど、シンプルで燃費も3000という排気量の割りに良く、BOSEサウンドシステムは凄く良かったですね。人気はなかったけどいいクルマでした。日本人には理解し難いクルマでしたからね(^_^;)

    2018/11/25 07:58

    1700mm規制?ナイナイ!1700mmは3か5の境目で、現在も生きてる。排気量だけの税制もマキシマより後だし…。何か勘違いした記事…。確かに、セドグロ、クラウンの3ナンバー車は排気量が大きくても、モールやバンパーでサイズアップしただけで5ナンバー車がベースだったし、初代シーマも130系クラウンも専用ボディとはいえ、車台は5ナンバーのものがベースだったので、完全3ナンバー設計はマキシマが初になるのかもしれませんが…、プレジデント、センチュリーを除いて。

    2018/3/22 14:41

    >特筆すべきは1760mmの車体幅です。実はこれまで日本には、乗用車の車体幅は1700mm以下という規制があったため、プレジデントやセンチュリー、初代シーマでさえ、1700mm以下に収まっていました。


    プレジデントやセンチュリー、初代シーマの全幅が1700mm以下?冗談でしょうw

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