ブルーバードの派生車種だった初代
上級グレードには「ルグラン」のグレード名が付けられました。これは、時を経て、現在の日産シルフィの特別仕様車に「Gルグラン」として使われています。
1986年11月にマイナーチェンジが行われ、前面が傾斜したスラントノーズに変更。さらにノンターボのVG20E型エンジン搭載車も追加されました。1987年5月には、車名がマキシマとして独立しました。
初代のマキシマはブルーバードの派生車種で、「ブルーバード・マキシマ」の名で販売されていたのを、クルマに詳しい方なら覚えていることでしょう。ボディはブルーバード初のFF方式となったU11型そのままで、4ドアセダンと4ドアハードトップが設定されました。ただし、標準タイプにはないV型6気筒2000ccエンジンを搭載するため、ボンネットが延長されています。
ちなみにトヨタでも、同様に北米で人気のカムリにV型6気筒2000ccエンジンを搭載したカムリ・プロミネントを1987年に追加しました。ただし当時のカムリは、北米向けに6気筒エンジンの設定はなく、マキシマに対抗するための車種でした。
CM /NISSAN ブルーバードMAXIMA `84
Nissan Maxima CM
3ナンバー専用ボディとなった2代目
特筆すべきは1760mmの車体幅です。実はこれまで日本には、乗用車の車体幅は1700mm以下という規制があったため、プレジデントやセンチュリー、初代シーマでさえ、1700mm以下に収まっていました。
車内もいわゆる「3ナンバー車」の豪華さではなく、ブルーバードと大差ないシンプルなものでした。なぜならマキシマは、北米では一般向けのクルマであり、日本向けにもほぼそのままの内容で販売したからです。大柄なアメリカ人タレント4人を起用したCMも、それを明確にするものでした。
1988 NISSAN MAXIMA Ad
【CM 1989】NISSAN MAXIMA 30秒×2
3ナンバーブームに遅れてDOHC化
1989年8月にスポーティ仕様のSEを追加。1991年8月のマイナーチェンジでは、エンジンがV型6気筒3000ccのVE30DE型に変更され、DOHC化により195馬力を発生しました。ちなみにこのVE型は、VG型のFF専用仕様で、マキシマのみが採用しました。