個性的なキャラが活かされていなかった映画
ファイロという男、ハッキリ言ってメチャクチャだ。他人の物を勝手に盗んでおいて、文句を言われたらボコボコに殴り倒す。自分からぶつかっておいて、文句を言われたらボコボコに殴り倒す。理不尽大王だ。ダーティハリーが凶悪犯に対して暴力的なのとは、訳が違う。どう頑張っても、単なる乱暴者にしか見えない。
そして、このファイロという男、そういうメチャクチャな性格や行動を「だけど憎めない奴」として許せるだけのモノを持っていない。コミカルな仕草などで、そこを上手くフォローできれば何とかなったのかもしれないが、イーストウッドにそんなことは無理だろう。
オランウータンを飼っていることは、おそらく話のキーポイントの1つであり、クライドをコメディーリリーフとして使おうとしているのだと思うが、上手く使いこなせていない。ファイロとクライドの友情を描けば、もう少しマシになったと思うのだが、ほぼ皆無。
クライドは、人間と同じ動きを見せるだけで、だから可愛いという印象は与えるかもしれないが、コメディーリリーフになっていない。人間とオランウータンが歩いているという、ビジュアルとしての面白さはあるかもしれないが、出オチで終わってしまう。
せっかくのクライドが大して活躍しない上に、オーヴィルやエコーも単なる同行者という感じ。暴走族や警官も、そんなに面白い存在になっていない。じゃあ主人公が目立ちまくっているのかというと、そういうわけでもないのだから、どうなっているのやら。
オーヴィルの母は、もっと使えそうなキャラクターだ。彼女がライフルを撃ちまくって暴走族を撃退するシーンが、この映画のハイライトだろう。彼女の周囲にだけは、笑いが起きそうな予感が漂っている。だが、なんせ後半になるとファイロが旅に出てしまうので、ほとんど出番が無くなる(前半も、そんなに出番があるわけではないが)。
コメディー・タッチというよりも、ノンビリしているだけに思える。
それも、薄い話で上映時間を埋めるため、引き延ばした結果としてノンビリになってしまったという感じ。
アクションシーンもあるにはあるが、アクション映画のアクションという印象は弱い。
ストリート・ファイトのシーンは、ゴツゴツした殴り合いで、スカッとするモノではない。
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テーマ曲
Every Which Way But Loose (Eddie Rabbit)
主題歌『Every Which Way But Loose』を歌うのは、エディ・ラビット。
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映画『ダーティファイター』に登場する主人公は、わかりやすい性格でとても親しみやすいキャラでした。しかし、暴走する所は自由気まま過ぎて心配になります。わかりやすいストーリーで楽しく観る事が出来るので是非ご覧ください。
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