男性用白Tシャツ2大ブランド「ヘインズ」と「フルートオブザルーム」
2019年5月7日 更新

男性用白Tシャツ2大ブランド「ヘインズ」と「フルートオブザルーム」

メンズスタイルの定番として、流行にあまり左右されず着られている無地白Tシャツ。そんな無地白Tを愛する男子から圧倒的な指示を得ていたこの2つのブランドについて書いてみます。

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アメカジの定番、白Tとジーンズ

アメカジ(アメリカンカジュアル)は、その名の通り
アメリカで着用されていたカジュアルな服装をスタイルとするファッションカテゴリです。
日本では、VAN創業者の石津謙介が
1960年代中ごろに提唱したアイビールックが最初と言われています。
その時はボタンダウンシャツにコットンパンツというスタイルでした。

当時はTシャツを着る、という文化はなくて
白いシャツはすべて下着、という認識でしたね。

1980年代 渋カジの登場

バブルのころ、DCブランドがブームになりました。
ブランドというものが幅を利かせていた時代。
誰もが、メーカーやデザイナーのブランドに紐づかれたモノを身につけていました。
それに対する反動と言われるのが「渋谷カジュアル」略して「渋カジ」です。
もともとは、渋谷でよく集まっている私立高校生が
自分たちのグループでの統一スタイルを作ろうとしたことが始まりとか。
「渋いカジュアル」という説もあるようですが
「渋谷カジュアル」が定説のようです。

デザイナーズブランドではなく、量販型の定番なモノ
誰もが身につけられるモノに注目が集まり始めます。
渋カジの定番は、フライトジャケットやベースボールキャップ
リーバイスの501、そしてヘインズ赤パックの白Tシャツでした。
渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 スト...

渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷

この書影には帯はないけど
帯には「渋カジのミューズ」と言われた田中律子が
推奨コメントを書いてました。

白Tとジーンズで思い浮かぶ人といえば

吉田栄作でしょうか。
まだトレンディドラマという言葉もなかった1991年のドラマ
『もう誰も愛さない』で主役を演じました。
とにかく何かしら「うおおおお」って叫んでる印象の主人公だったけど。

この人がメディアに出てくるときの恰好はたいがい「白T+ジーンズ」だったかと。
吉田栄作vivi誌切り抜き

吉田栄作vivi誌切り抜き

なぜ定番になったか「ヘインズ」のTシャツ

70年代~90年代のヘインズのロゴ

70年代~90年代のヘインズのロゴ

今のロゴとはちょっと違いますね。
でも当時の赤パックといえばこのロゴでした。
おそらく最初はインナーとして着られていたと思います。
コットンシャツの下とかに、ランニングではないインナーシャツとして。
で、ちょっと暑くなってきたら、
トップのコットンシャツを脱いでも見た目サマになるのが、白Tシャツだったのじゃないかと。

そして、当時3枚パックでそんなに高くなくて、手に入りやすい白Tが
「ヘインズ」だったんですね。

ヘインズは1901年創業の男性用アンダーウェアメーカー。
1960年代からTシャツの形での下着の販売を始め
1970年以降アウターとしてのコンセプトを前面に押し出します。
1947年に誕生した「3P-Tシャツ(3枚パックTシャツ)」はへインズの代表作で、レッド・ブルー・ゴールドと3種類展開されています。なかでもレッドは日本では"赤パック"と呼ばれ、アメカジ愛好者の永遠の定番。
Hanes Tシャツ アカラベル クルーネック

Hanes Tシャツ アカラベル クルーネック

今のヘインズのロゴはこういうの。
袋のTシャツシルエットは、今は斜めにプリントされてますが
当時はまっすぐだったですね。
でもイメージはほぼこんな感じです。
ヘインズのTシャツは丸胴(脇に縫い目がない)、なおかつ
ネックテープといって、首周りの縫い目が首に当たらないようにするなど
体にストレスがないよう工夫されていて
比較的どんな体型の人でも着こなせるスタンダードなものでした。
また、赤パックのTシャツはクルーネックの首回りが
着慣れるにしたがってゆるめになりがちで
ちょっとワイルドでラフな着こなしをしたいムキにも
「それがいいんだよ」と受けていました。
Hanes Tシャツ ビーフィー

Hanes Tシャツ ビーフィー

くたり感のないハードな着心地を求める人は
けっこうビーフィーを選ぶみたいですね。
地が厚くてしっかりしています。

もうひとつの定番「フルートオブザルーム」

ただの白Tを見る限り、どこのブランドかなんてわからないものですが
当時、着心地よりもシルエットを気にする男子が
よく着ていたのが「フルートオブザルーム」の白Tシャツでした。

「フルートオブザルーム」は1851年創業の老舗アンダーウェアメーカー。
「FRUIT OF THE LOOM」のLOOMは「織り機」のこと。
1851年、アメリカ合衆国ロードアイランド州で製糸工場の持ち主のロバート・ナイト(Robert Knight)が友人を訪ねた時に、彼の娘さんがリンゴのあるロゴをデザインしてくれて、それを使った製品が一番人気だった。また商標「Fruit of the Loom」(織機の果実)は、つまりは衣服で、聖書の「胎の実り」(fruit of the womb、詩篇: 127:3)、つまりは「子供」に、ピッタリの表現に感じた。1871年には米国の商標に関する法律ができて、翌年ナイトは418番目の商標を貰っている。
商用サイトには「フルーツオブザルーム」と記載しているところが多いのですが
ここではwikiにならい「フルートオブザルーム」とさせていただきます。
フルートオブザルームのロゴの変遷

フルートオブザルームのロゴの変遷

渋カジ直前に流行っていたロゴは
1978のもの(下段中央)ですね。懐かしいです。
私はアホな子なので
「LOOM」を「ROOM」と勘違いして
ブランド名は「くだもの部屋」だと思ってたよ。
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