光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】
2016年1月14日 更新

光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】

あの人が国語の教科書を書いていた!?日本の小学校の国語の教科書の最大のシェアを誇る光村図書出版。改訂は何度もされましたがそのつどバラエティに富んだ執筆者陣の質の高さに改めて驚かされます。

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歌謡曲同様、昭和50年代前後はドラマもあまり教育上よろしくないと思われていましたから山田さんのご寄稿は画期的です。「映像を見る目」、保護者の方はごらんになったのかなあ…

■阿川弘之唯一の児童文学「きかんしゃやえもん」

資料がないため正確な掲載年度はわかりませんが、筆者が一年生のころ教科書に載っていたのが「きかんしゃやえもん」です。昭和45年ごろまでは掲載されていたようです。
きかんしゃやえもん

きかんしゃやえもん

『きかんしゃ やえもん』は、日本の絵本。作者は阿川弘之(文)と岡部冬彦(絵)。擬人化された古い蒸気機関車を主人公とする作品で、1959年に岩波書店より「岩波の子どもの本」シリーズの一作として刊行された。小学校の国語教科書に掲載されたり、影絵劇化、アニメ映画化されるなど、広く知られたロングセラーであり、2007年9月までに累計122万冊が売れ、刊行から半世紀を経た2015年現在でも新品で入手可能である。(wikipediaより)

※教科書の画像が見つかりませんでしたので絵本の画像を貼付いたします。ご了承ください。
作者は阿川弘之さんです。硬派な作品で知られている阿川さんが児童文学を書かれるのはとても珍しいことですよね。実際、阿川さんは児童文学はこれ一作だけなのだそうです。
阿川弘之

阿川弘之

阿川 弘之(あがわ ひろゆき、1920年(大正9年)12月24日 - 2015年(平成27年)8月3日)は、日本の小説家、評論家。
広島県名誉県民。日本芸術院会員。日本李登輝友の会名誉会長。文化勲章受章。代表作に、『春の城』『雲の墓標』のほか、大日本帝国海軍提督を描いた3部作(海軍提督三部作)『山本五十六』『米内光政』『井上成美』など。
阿川は『私の履歴書』では、〔私の「履歴」を一と言で記せば、「地方の平凡な中流家庭に生まれ、小学校から大学まで、ごく平坦平凡な学生生活を送り、戦争中は海軍に従軍して多少の辛酸を嘗めたが、戦後間もなく志賀直哉の推輓により文壇に登場、以来作家としてこんにちに至る」、これだけである〕と回顧している]。法学者の阿川尚之は長男、タレント・エッセイストの阿川佐和子は長女。(wikipediaより)
往々にして児童文学やアニメ・特撮などの子供向け作品は「子供向け」の体裁を借りて作者や脚本家・監督が一般の小説やドラマでは批判されそうなことを表現する手段として用いることがあります。
阿川さんは一時期「新幹線批判」をしていたのですが、その思いをこの作品に込めたのではないでしょうか…。
さて、続く2作品は執筆者の凄さとはまた別に、作品についてトリビア的なことをご紹介したいと思います。

■隠れた名作「ゼッケン67」

1972年は「ミュンヘンオリンピック」と「札幌冬季オリンピック」が開催されました。
その影響なのでしょう、その前後、わずか5年間ですが掲載されていた作品があります。
「ゼッケン67」

「ゼッケン67」

光村図書編集部

昭和46年~昭和51年度版「新国語 四年下」掲載

※教科書の画像が見つかりませんでしたので朝日新聞の画像を引用いたしました。ご了承ください。
「ゼッケン67」は東京オリンピック10000m競争で三周遅れながらも最後まで走りぬいたセイロン(現・スリランカ)の選手のお話です。

これは作家が書いたものではなく、光村の編集部の方が書かれたそうですが、普通の記録文なのに感動した方は多いのです。

わずか5年間の掲載にもかかわらず、今でも根強い人気のある作品です。

■問題作!?「かさこ地蔵」

さて、こちらは児童文学者の岩崎京子さんが書かれた「かさこ地蔵」です。
画像のコメントをごらんになっていただいくとおわかりだと思いますが、一旦掲載が中断されています
「かさこ地蔵」

「かさこ地蔵」

岩崎京子・作
かじやまとしお・絵

昭和52~54年度版「しんこくご二年下」
昭和55~平成3年度版「こくご一下」
via http://www.mitsumura-tosho.co.jp/
一部の児童文学者からの情報ですがその理由は「作品が時代に合わないから」だったそうです。
へー?何が?どこが?まじめに働くこと、信仰心(not宗教)を持つことのどこが時代に合わないのでしょうか。
当時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が刊行されたころです。日本人はここで勘違いしてしまったのでしょうか…
児童文学者たちの抗議によって復活したと聞きました。国語の教科書には民話もぜひ載せてほしいですよね。

思い出いっぱいの光村教科書!

いかがでしたか?国語の教科書って凄いですよね!懐かしく感じていただけたら幸いです。今回は小学校の教科書について書かせていただきましたが、機会あれば中学校の教科書もおさらいしてみたいです。
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