光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】
2016年1月14日 更新

光村図書の国語の教科書は凄かったんだ!【文芸編】

あの人が国語の教科書を書いていた!?日本の小学校の国語の教科書の最大のシェアを誇る光村図書出版。改訂は何度もされましたがそのつどバラエティに富んだ執筆者陣の質の高さに改めて驚かされます。

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「光村図書出版」と聞くと思わず懐かしい気持ちになりませんか?
「どこかできいた…」?そうです、教科書の出版社、特に国語は光村図書の教科書を使っている学校が多いです。三輪民子さんの「平成 23 年度版小学校国語教科書検討」によると、光村のシェアは60%だそうです。「教科書の思い出」を共有しやすいのもうなずけます。

さて、その光村の小学校の国語の教科書、習っている当時はなんの気なしに読んでいたと思いますが、改めて振り返ってみるとすごい執筆陣なのです。

この記事では「文芸編」「挿絵編」と分けて光村の国語の教科書って意外とすごいことをご紹介したいと思います

■日本の歌謡曲の大御所が書いた「ガラスの小びん」

6年生の教科書に掲載された「ガラスの小びん」の作者は阿久悠さんです。
そう、日本を代表する作詞家、レコード大賞受賞曲を何度も受賞され、日本の歌謡曲の隆盛期を支えたお一人です。
「ガラスの小びん」

「ガラスの小びん」

阿久悠・作
宇野亜喜良・絵

平成4~7年度「国語六下」収録
via http://www.mitsumura-tosho.co.jp/
阿久悠

阿久悠

阿久 悠(あく ゆう(AKU YUU)、1937年2月7日 - 2007年8月1日)は、日本の放送作家、詩人、作詞家、小説家。本名、深田 公之(ふかだ ひろゆき)。

・日本レコード大賞
日本レコード大賞での大賞受賞曲は作詞家として最多の5曲(1976〜1978は3年連続受賞)。
1971年「また逢う日まで」尾崎紀世彦
1976年「北の宿から」都はるみ
1977年「勝手にしやがれ」沢田研二
1978年「UFO」ピンク・レディー
1980年「雨の慕情」八代亜紀
・日本レコード大賞作詞賞
日本レコード大賞の作詩賞受賞は7回で最多記録(2014年現在)。
1973年「ジョニィへの伝言」ペドロ&カプリシャス。「じんじんさせて」山本リンダ
1975年「乳母車」菅原洋一
1985年「夏ざかりほの字組」Toshi & Naoko(田原俊彦・研ナオコ)
1986年「熱き心に」小林旭
1990年「花(ブーケ)束」八代亜紀
1994年「花のように鳥のように」桂銀淑
1996年「螢の提灯」坂本冬美

他受賞多数。(wikipediaより)

阿久 悠 Collection ☆沢田研二~ピンク・レディー~八代亜紀 etc - YouTube

(収録曲)「勝手にしやがれ」「津軽海峡・冬景色」「時の過ぎゆくままに」「ペッパー警部」 「わたしの青い鳥」「思秋期」「舟唄」「宇宙戦艦ヤマト」「また逢う日まで」「熱き心に」
「ガラスの小びん」は教科書のための書き下ろしです。
一時期、歌謡曲は子供には聞かせてはいけないもの、と言われていました。その歌謡曲の作詞家が、日本の小学生の教科書用に書き下ろすなんて…まさに歌謡曲の底上げを図ってくれた方なのですね。

■「キャンディ・キャンディ」の原作者!「赤い実はじけた」

新学期が始まると、教科書に名前を書きますよね。保護者の方もお手伝いしたことはあると思うのですが、この「名木田恵子」の名前をみて驚かれた方もいらっしゃるのでは…
赤い実はじけた

赤い実はじけた

名木田恵子・作
三木由紀子・絵

平成4~11年度版「国語六上」
書き下ろし
via http://www.mitsumura-tosho.co.jp/
名木田恵子

名木田恵子

名木田 恵子(なぎた けいこ、1949年11月28日 - )は、日本の児童文学作家。

高校2年在学中、小学館「女学生の友」新人短編小説賞入選。19歳で「よみがえり、そして夏は…」で作家デビュー。その後文化学院に進み、上笙一郎らに教えを受ける。

漫画原作者・名木田恵子、水木杏子(みずき きょうこ)、 加津綾子(かず あやこ)、香田あかね(こうだ あかね)の複数ペンネームで活動の時期もある。

(wikipediaより)
別名に「水木杏子」とありますが、これは名作少女漫画・アニメの「キャンディ・キャンディ」の原作者の方。つまり、「名木田恵子=水木杏子」、つまり、この「赤い実はじけた」を書いた方は「キャンディ・キャンディ」の原作者なのです!

「赤い実はじけた」が掲載されていたころ、そのお子さんのお母さんは「キャンディ」の直撃世代だったはず。
当時「なかよし」にも「水木杏子(本名・名木田恵子)と書かれてたのでわかる人はわかると思うのですが…気づいた方、いらっしゃいましたか?
 (1550610)

「原作・水木杏子」の文字がわかりますよね。

■テレビドラマ脚本家の第一人者が書いた!「映像を見る目」

ミドルエッジ読者の皆様なら「岸辺のアルバム」「思い出づくり」「ふぞろいの林檎たち」は忘れらない作品として挙げられると思いますが、それらを書いた脚本家・山田太一さんも教科書に書き下ろしています。
「映像を見る目」

「映像を見る目」

山田太一・作

昭和61~平成3年度「国語五上」
(書き下ろし)
山田太一

山田太一

山田 太一(やまだ たいち、1934年6月6日 - )は、日本の脚本家、小説家。本名は石坂 太一(いしざか たいち)。東京都台東区浅草出身。

「山田太一ドラマ」「山田太一ドラマスペシャル」と作品のクレジットに冠されることが多く、現在のテレビ界において作品性が評価されている数少ない脚本家である。

代表作
・パンとあこがれ゜
・二人の世界
・藍より青く
・カリメロ(アニメ)
・男たちの旅路
・高原へいらっしゃい
・岸辺のアルバム
・獅子の時代
・想い出づくり。
・ふぞろいの林檎たち

その他多数(wikipediaより)
「映像を見る目」は5年生の教科書に昭和61年から掲載されていますから、当時の5年生は昭和50年生まれ。

山田太一さんはがっつりその頃から大活躍されていましたよね。

ふぞろいの林檎たち第1話 学校どこですか?その1 - YouTube

『ふぞろいの林檎たち』(ふぞろいのりんごたち)は、TBS系列の「金曜ドラマ」枠(毎週金曜日22:00 - 22:54)で放送された日本のテレビドラマ。主演は中井貴一。
1980年代から1990年代にかけて放送された。
山田太一原作・脚本。主題歌はサザンオールスターズの「いとしのエリー」。
「ふぞろいの林檎」は規格に当てはまらない落ちこぼれの登場人物たちを指す。(wikipediaより)
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