天才の時代!?90年代のスポーツ漫画を振り返ろう!
2021年4月28日 更新

天才の時代!?90年代のスポーツ漫画を振り返ろう!

少年誌に欠かせないジャンルの1つ、スポーツ漫画。スポーツ漫画は時代とともに変化しています。90年代のキーワードはズバリ「天才」。天才の登場するスポーツ漫画を紹介していきますね。

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スポーツ漫画の歴史

スポーツものは昔から少年誌のジャンルとして人気がありましたよね。1960年代から1970年代にかけてはいわゆる「スポ根」ものが流行しました。スポ根のルーツは「巨人の星」だと言われていますが、努力と根性でライバルと戦っていくという形式ですね。必殺技や魔球などがあったのも特徴です。1964年には東京オリンピックが開催されたこともあり、スポ根漫画の人気に火が付きました。

「巨人の星」の他には「タイガーマスク」「あしたのジョー」「柔道一直線」などが挙げられます。

1970年代後半に入ると、根性や魔球などの描写は少なくなり、現実的な試合展開と、チームメイトやライバルたちの人間関係を描いた作品に変わってきます。「ドカベン」「キャプテン」「プレイボール」などがありますね。

80年代に入ると「努力」「根性」などはダサいものという世界観に変わっていき、今でいう「ゆるい」スポーツ漫画が出てきます。「タッチ」や「バタアシ金魚」などですね。

その後は「キャプテン翼」のような天才型主人公が登場する漫画や「県立海空高校野球部員山下たろーくん」など根性を前面に出した漫画も出てきます。

そして90年代はそのスポーツを始めたばかりの主人公が活躍していく漫画が増えています。天才で何もかもうまくいくという訳ではないですが、初めて1年で全国クラスになっていれば十分天才でしょう。天才が出てくるスポーツ漫画を紹介していきますね。

「SLAM DUNK」

Amazon.co.jp: SLAM DUNK 新装再編版 1 (愛蔵版コミックス): 井上 雄彦: 本 (2273524)

「天才」といえばこの人、天才・桜木ですね。

不良少年だった桜木花道は、中学時代50人以上の女性に振られていました。最後に振られた女性がバスケ部員を好きだったため、バスケットボールに嫌悪感を抱きながら高校に入学。

ですが長身の桜木に目を付けた赤木晴子からバスケ部に勧誘されます。桜木は晴子に一目惚れし、バスケットボールを始めます。

もちろん、動きは素人なのですが身長と筋肉、身体能力の高さ。そしてだんだんバスケの面白さに目覚めたところで努力を重ね、才能を開花させていきます。

「SLAM DUNK」は6年間連載され、全31巻です。ですが、作中では半年の月日しか流れていないんですよね。

桜木が地道な練習を重ねているシーンは多く、何もしないで才能を開花させたわけではないですが、バスケを始めて半年足らずでインターハイ出場、しかもスタメンなのですからやっぱり彼は天才なんですよね。

桜木だけ見るとリアリティがないのかもしれませんが、その他の描写が細かく、現実的なのでそこまで違和感を感じないのかもしれません。

「はじめの一歩」

Amazon.co.jp: はじめの一歩(1) (講談社コミックス): 森川 ジョージ: 本 (2273527)

「はじめの一歩」は1989年に連載スタートした漫画で、現在も連載が続いているのですが。ここでは90年代作品として紹介させてください。

主人公の幕之内一歩は母子家庭で育ち、釣り船屋を親子で支えています。

芯の強さは持っていましたが、高校ではいじめられていました。ある日、高校のクラスメイトにいじめられていたところに、ロードワークをしていたプロボクサー鷹村守が通りかかり、助けられます。

その出来事をきっかけに鷹村の所属する鴨川ジムに入門します。鴨川ジムの会長からパンチ力をはじめとする身体能力の高さを買われ、テクニックを学んでいきます。そして全日本新人王戦とA級ボクサー賞金トーナメントを無敗で制しています。そしてその後は日本チャンピオンにまで上り詰めています。

ボクシングは小さいうちからやるようなスポーツではないので、高校2年生からのスタートというのも珍しくないと思いますが、いじめられっ子だったのにじつはすごいパンチ力を持っていたというのがやはり天才型ではないでしょうか。

「はじめの一歩」は登場人物全員が主人公と作者がいっていることもあり、主人公以外にもスポットを当てて描かれています。

「H2」

Amazon.co.jp: H2〔文庫版〕 1 (小学館文庫 あI 61): あだち 充: 本 (2273531)

「H2」の主人公、国見比呂は中学時代から剛速球で有名な投手だったので、高校で野球を始めた天才ではないのですが(それでいうとタッチの上杉達也が天才になりますね)、今回は野球部が天才です。

比呂は中学時代に肘を壊し、3カ月で壊れるガラスの肘、だと診断されます。そして野球に未練を残さないように野球部のない高校に進学します。ですがその診察をしたのはヤブ医者だということが判明。比呂の肘はすでに直っていたのです。バッテリーを組んでいた野田も同じ高校にいたため、愛好会を野球部に昇格させ、翌年の夏に甲子園に出場。その次の春の選抜でも甲子園に出場し、優勝。さらに翌年の夏の甲子園にも出場しています。

結成間もない野球部が3回連続甲子園に出場するなんて、いくらうまい選手がいたからと言ってあり得ませんよね。チームメイトの1人、木根 竜太郎は小学生の頃野球をやっていた物の、サッカーに転向。サッカー部のエースストライカーだったのですがマネージャーの春華に惚れていたため野球部と掛け持ちしていたのです。途中からサッカー部はやめていますが、木根こそまさに天才だったと思います。

今回ご紹介した3作品は、このように箇条書きにしてしまうとあり得ない設定なのですが、どれも人物がしっかり描かれているのであまり違和感がないんですよね。90年代のスポーツ漫画はスポーツだけでなく、人間関係に注目している作品が多いような気がします。気になる作品をぜひ読み返してみてください。
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