しばらく歩くと、4匹目の虎に出会ってしまいました。「ちびくろサンボ、お前を食ってやる!」
「お願い食べないで。この緑色のカサをあげるから」ちびくろサンボがこう言うと、
「カサなんてどうやってさしていけるんだ。おれは歩くときに4本の足すべてを使うんだ」
「しっぽの先に結んで歩けばいいじゃない」「なるほど、それはいい。わかった。その緑の傘をよこせば、今回は食べないでやる」そして虎はカサを取り上げると、遠くに行ってしまいました。もちろん、
「おれはこのジャングルでいちばん偉いんだ」といいながら。
かわいそうなちびくろサンボ。お気に入りの上着もズボンも靴もカサも取られ、泣きながら歩き出しました。
すると、突然、恐ろしい声が聞こえてきました。
「グルルー」声はだんだん大きくなってきます。
「大変だ、虎がぼくを食べに来る!」
ちびくろサンボはあわてて近くの椰子の木に隠れ、そっと様子をうかがいます。
「おれがいちばん偉いんだ」「いや、おれだ」
どうやら、あの4匹の虎が、誰がいちばん偉いのか、ケンカしているようです。そのうち、みんな本気で怒りだし、いっせいに飛び上がって取っ組み合いの大ゲンカを始めました。上着もズボンも靴もカサも放り出し、爪を立てたり牙でかんだりと、たいへんな騒ぎです。
虎たちはぐるぐるともつれ合って、ちょうどちびくろサンボが隠れている椰子の木までやってきました。ちびくろサンボはさっと飛び出して、カサの陰に隠れます。ケンカはいっそうひどくなっていき、それぞれの虎が互いのしっぽにかみつき始めました。4匹の虎が、それぞれ前にいた虎のしっぽをかんだわけですから、椰子の木を中心にして、虎の輪ができあがりました。ちびくろサンボは遠くに逃げて「虎さんたち、上着もズボンも靴もカサもいらないの?」と大声で叫びました。けれども、虎はうなるだけです。
「いるのなら、いるといっておくれよ。でなきゃ、全部もっていっちゃうからね」
こう叫んでも、虎たちのケンカはいっこうに収まりません。そこで、ちびくろサンボは落ちている上着とズボンと靴とカサを取り戻して、逃げ帰ってきました。
虎たちのケンカはまったく収まりません。相手を食べてしまおうと、あいかわらずお互いのしっぽをかんだまま、木の回りをぐるぐると回るばかり。虎の輪はだんだんとスピードをあげていきました。輪の速さはぐんぐんと上がっていき、いまや、どれが足でどれが頭かさえ分からないほどです。それでも虎たちは早く早く走り続け、そのままとうとう溶けてしまいました。椰子の木の回りに、溶けた虎のバターができたのです!
ちびくろサンボのジャンボパパが仕事から帰ってくるとき、ぐうぜん、このバターを見つけました。
「これは上等のバターだ。おみやげに持ってかえって、おいしい料理を作ってもらおう」
ジャンボパパはこう言うと、持っていた大きな壺にバターをたっぷりと入れて、家に持ち帰りました。このバターにマンボママは大喜び。「さぁ、晩御飯はホットケーキのごちそうよ」
マンボママは、粉と卵とミルクと砂糖とバターをこねて、ホットケーキのもとを大量に作りました。それを虎のバターで焼いてみると、ケーキは黄色と茶色に焼き上がりました。まるで虎そっくりです。
さぁ、晩御飯の時間です。3人はホットケーキをたっぷりと食べました。マンボママは27個、ジャンボパパは55個、そして、ちびくろサンボは、なんと169個も平らげてしまいました。
おなかがペコペコだったんですね。
via www.ehonnavi.net
2000年代に入り復刻の流れに
2000年代に入ると、「ちびくろサンボ」というタイトルだけ表面的に見ており、ストーリー自体、全く黒人を侮蔑するような内容ではないという声が広まり、復刻を願う流れが高まった。
それもあり、日本でも続々と復刻版が出版・発売されている。
それもあり、日本でも続々と復刻版が出版・発売されている。
via www.amazon.co.jp
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まとめ
いかがでしたでしょうか?懐かしさいっぱいになった人も多いのではないでしょうか。
「廃刊」になったのは有名な話で知っていても「復刻」していたことは知らない人も少なくないと思います。
児童図書として復活した「ちびくろサンボ」を今後は是非、自分の息子や娘に読ませてあげましょう。
「廃刊」になったのは有名な話で知っていても「復刻」していたことは知らない人も少なくないと思います。
児童図書として復活した「ちびくろサンボ」を今後は是非、自分の息子や娘に読ませてあげましょう。