野村浩子 手塚理美
高野弥生 渡辺真起子
千尋の叔父 山路和弘
ストーリー
賀茂由香里は、人の強い感情を読み取るエンパスだった。その能力を使い、阪神・淡路大震災の後ボランティアで被災者の心を癒していた由香里は、西宮病院で長期入院していた森谷千尋に出会った。由香里は、彼女の中に複数の人格が同居している多重人格障害であることをエンパシーによって感じ取る。次第に打ち解けていくつかの人格と言葉を交わす由香里は、十三番目の人格、{ISOLA}の出現によって、いろいろな調査を始めた。千尋を虐めた者が、夜間心臓の発作によって死亡することや、西宮大学助教授・真部和彦とISORAの間にあった出来事を次第に知ってゆく…。
刊行情報[編集]
『黒い家』の原作者・貴志祐介の同名小説を映画化したサイコ・ホラー。多重人格の美少女が巻き起こす怪事件に立ち向かう、ひとりの女性の闘いを描く。黒澤明監督の孫娘・黒澤優が、13人の人格を有する美少女役を熱演。共演に木村佳乃、石黒賢、手塚里美。阪神大震災後の神戸。人の感情を読みとるという特殊な能力を持つ由香里は、ボランティアにやってきた神戸でひとりの少女に出会う。その少女・千尋は、何人もの人格を有する多重人格者だった。ひとりひとりの人格と対話するように、心を読みとってゆく由香里。だがその中には、恐ろしい悪意を持つ13人目の人格“ISOLA”が潜んでいた・・・。
千尋と由香里の出会い
由香里は、自分にも役に立てることがあるかもしれないと、阪神・淡路大震災のボランティアに参加していた。
ある日、大雨が降る中、犬に激しく吠え立てられている女子高生がいた。助けようと追いかけるがもう少女の姿はなく、由香里の目に飛び込んできたのは首から出血し息絶えている犬の死骸と生々しい血のついたビニール傘だった。
ある日、大雨が降る中、犬に激しく吠え立てられている女子高生がいた。助けようと追いかけるがもう少女の姿はなく、由香里の目に飛び込んできたのは首から出血し息絶えている犬の死骸と生々しい血のついたビニール傘だった。
翌日、避難所で知り合いになったカウンセラーの野村を訪ねた高校で千尋に再会する。
「昨日、犬に追いかけられてたわよね?」「いいえ?」納得がいかない由香里はさらに詰問するが千尋は黙り込んでしまう。
その夜、由香里は被災者センターの前で顔つきは違うが千尋とおぼしき少女に出会う。彼女は自らの手首を切りつけ「人の事はほっとけ!」と言いながら焚き火用のドラム缶の中にガソリンを入れるが、その炎から由香里が救う。手首の傷の手当てをしながら、由香里は千尋の腕に無数のためらい傷を見つける。その傷は、人の心が読めるという自分の能力に絶望した由香里自身の腕にもあるものだった。
そしてなんとかこの少女を救いたいと思うようになっていた。
「昨日、犬に追いかけられてたわよね?」「いいえ?」納得がいかない由香里はさらに詰問するが千尋は黙り込んでしまう。
その夜、由香里は被災者センターの前で顔つきは違うが千尋とおぼしき少女に出会う。彼女は自らの手首を切りつけ「人の事はほっとけ!」と言いながら焚き火用のドラム缶の中にガソリンを入れるが、その炎から由香里が救う。手首の傷の手当てをしながら、由香里は千尋の腕に無数のためらい傷を見つける。その傷は、人の心が読めるという自分の能力に絶望した由香里自身の腕にもあるものだった。
そしてなんとかこの少女を救いたいと思うようになっていた。