北米で約13600万ドル、全世界では3億ドルを超した大ヒット映画『身代金』
一人息子を誘拐した犯人と戦う父親の行動を描いたサスペンス。身代金を巡るアイディア、巧みなストーリー・テリングでサスペンスを醸し出す演出の手腕が見どころ。
監督は「ウィロー」「アポロ13」のロン・ハワード。主演は切れ演技が最高なメル・ギブソン。奥さん役に「リーサル・ウェポン」シリーズのレネ・ルッソ。
ハワードはこんな言葉をもらしている。
「年をとってくると、ときに楽観主義者たらんとするのはきついときがあるよ」。
また、プロデューサーのブライアン・グレイザーもこんなことを言っている。
「ロンは陽気で穏やかそうに見えるが、実は内面はひどく複雑で、暗さと不安を抱えた競争好きの人間だ。そして彼はそうした部分をまず人には見せないんだ。」
楽観主義ばかり語ってはいられないと感じるだけの見識を持ち、実は内心に暗部を持つ男。
アメリカ合衆国なるものを形成する、さまざまな物語を語ろうとする、そんな映画作家が、アポロ13号奇跡の生還という、アメリカ的楽観主義の極みを描いた次の作品として選んだものは、サスペンス・スリラーだった。
しかしただのスリラーではない。テーマはずばり、合衆国の「自警」という考え方である。これもアメリカという国そのものを語るために、避けて通れぬテーマのはずだ。
自らの身は自ら守る。アメリカ人にとって、ほとんどDNAに刻印されているかのようなこの概念に真っ向から取り組もうとしたのが、この『身代金』
映画『身代金』が観たい。FilmarksにClip! https://t.co/ShkUu2oWSc #Filmarks #映画 #身代金
— こま (@kakurockdj) August 20, 2015
映画「身代金」。普通に面白い映画だと思い込んでたんだけど、見返すととんでもなく面白い映画なんだと気付く。サスペンス映画として決して派手じゃないから忘れられてしまう映画のような…。ロンハワード監督って極限状態の人間を描くのが凄い上手い(フロスト×ニクソン、天使と悪魔なども良か)
— 三重野広帆 (@horohi1) March 28, 2015
映画『身代金』の元となる作品
映画『誘拐』とは、
当時深刻な社会問題となり始めていた誘拐の事件にメスを入れたヒットTVドラマの映画化。8歳の子供が誘拐され、犯人から身代金を要求する電話がかかってくる。父親は金を払う決心をするが、警察署長と居合わせた新聞記者はそれに反対した。やがて父親がテレビを通じて犯人に、身代金は払わないと回答、世論は彼を非難し、彼もまた苦悶する。
1956年のアメリカ映画『誘拐』のリメイク作品。
公式の上映時間は122分だが、18分長い版がレーザーディスクで発売されていた。
第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)
ノミネート 最優秀主演男優賞(ドラマ) メル・ギブソン