【街角のメルヘン】ドラマチックな起伏をカット!あまりにも前衛的なアニメだと一部で話題!
2021年6月10日 更新

【街角のメルヘン】ドラマチックな起伏をカット!あまりにも前衛的なアニメだと一部で話題!

1984年、OVA黎明期に発売された作品『街角のメルヘン』。芸術性に富んだアニメーションは、商業的には成功しなかったものの、現在でも多くのファンから伝説とされているコンテンツです。今回の記事では、そんな『街角のメルヘン』の本編動画やストーリー・魅力などを紹介していきます。

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『街角のメルヘン』とは?

『街角のメルヘン』

『街角のメルヘン』

原案:首藤剛志
制作:キティ・フィルム
発売:1984年
巻数:全1巻
   (本編54分)
『Radio City Fantasy 街角のメルヘン』(ラジオ・シティ・ファンタジー まちかどのメルヘン)は、ファイブエースから1984年7月21日に発売されたOVAである。54分。
東京の新宿といった都会を舞台にしながら、大人向けのメルヘンチックな物語を展開した『街角のメルヘン』。当時、VHS・LDといったんメディアで発売されたものの、商業的に成功せず、現在までDVD・ブルーレイ化は実現していません。
アニメーターとして『戦国魔神ゴーショーグン』『ミンキーモモ』『とんでも戦士ムテキング』などの制作に関わってきた故・首藤剛志さん。最近のアニメでは『ポケットモンスター』の脚本も担当されていたことも有名です。そんな首藤剛志さんが18歳のときに初めて脚本を書いたとされるのが『街角のメルヘン』です。
そのあまりにも大胆な内容は、当時のユーザーにはなかなか響かなかったみたい。しかし、当時を知るアニメファンの間では、隠れた名作だと評価する意見も少なくないようです。
ちなみに世界で3番目に発売されたOVA作品のようなので、アニメ史における歴史的な価値という意味でも要チェックのコンテンツといえるでしょう。

『街角のメルヘン』の本編動画・ストーリー

ある年の春。新宿駅西口の地下道で、浩青年は若い娘・裕子に出会う。ぶつかった際に、地下道の闇を舞う裕子のポスター。やがて心を通わした二人は、浩の持つ一冊のノート「街角のメルヘン」の導きで、現実とはまた違う春の世界に入っていく。イメージの中で複葉機に乗り、妖精の国へ向かう二人。そして現実の季節は、夏から秋へと移っていくが…。
箱庭のような新宿副都心の空間、新宿中央公園を中心に綴られた、敢えてドラマ的な起伏を排したアニメ。だが浩と裕子の恋、別離、そして……を語るストーリーの流れがあり、同時に都会の中の四季を淡くも鮮やかな色調で描き切っている。

『街角のメルヘン』の魅力とは?

ミュージックビデオ的な構成?

悪い表現をすると、アニメとしての内容は薄っぺらいです。偶然、新宿駅で出会った二人のラブストーリーといった内容が展開されるも、そこにドラマチックな展開はなく、浩のもつメルヘンな世界観に少しずつ影響されていく裕子。
物語を描いた作品というより芸術性を優先させたアニメとなっていて、その奇抜な内容は、前衛的コンテンツの代表格といわれているOVA『天使のたまご』と比較されることも多いようです。
登場人物が二人のみで構成されているところも、OVA『天使のたまご』と重なるポイント。
その他にも、ストーリー性よりメッセージ性、細かな描写や音楽との融和性という部分も、両者に共通していように思えます。
余計なことは考えず、感性のみで楽むといった斬新さが『街角のメルヘン』の魅力です。

あまり詳細を語らないストーリー

バイトをしながら自費出版で絵本をつくる青年・浩、現実的な思考をする裕子、それ以上に多くのことを語らない『街角のメルヘン』。内容はとてもシンプルなものとなっています。
あまりにシンプルで詳細を語らなすぎて、展開に思考が追いつかないことも。本編の季節が秋を迎えるころ、突然、警察らしきものに捕まってしまう裕子ですが、その詳細は一切描かれておらず、あくまで視聴者の想像に委ねられています。
ここで演出したかったのは、浩と裕子の別れだったのでしょう。二人の距離感と冬の寒さをリンクさせるといった描写は斬新です。寒い冬が過ぎて春を迎える頃、二人は…
ユーザーの想像を膨らませるような手法は、受取り方も人それぞれ。結末すらも、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、視聴者に委ねられているのも面白いです。

出演している声優陣にも要注目

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