ハードボイルドとバイオレンスの宝庫!『野獣死すべし』の作家【大藪春彦】を振り返る
2019年5月1日 更新

ハードボイルドとバイオレンスの宝庫!『野獣死すべし』の作家【大藪春彦】を振り返る

ハードボイルドとバイオレンスの宝庫である大藪春彦さんの作品には、多くの方が熱くなったのではないでしょうか?今回はそんな大藪春彦さんと代表作を振り返ってみたいと思います。

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大藪春彦とは

大藪 春彦(おおやぶ はるひこ、1935年2月22日 - 1996年2月26日)は、日本の小説家。朝鮮・京城生まれ。高松第一高等学校卒業。早稲田大学教育学部英語英文学科中退。61歳没。
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デビュー作「野獣死すべし」は江戸川乱歩が推薦人となり1958年『宝石』に掲載され、文壇からも注目されました。

作品の特徴として、激しいアクションやバイオレンスが盛り込まれた内容が多く、その多くの作品に強烈なストイシズムと反権力志向を行動原理とするタフな主人公が登場します。また、超人思想や能動的ニヒリズム、個人主義的アナーキズムに通ずる反国家・反組織・反体制要素も含まれており、ご自身の投影とも思える登場人物が多かった様に思われます。
三島由紀夫

三島由紀夫

三島由紀夫さんは大藪春彦さんの作品の熱心な読者だったそうです。
しかし、そのことはごく親しい友人しか知らなかったといいます。一方で大藪春彦さんも三島由紀夫さんの大ファンであり、お二人は1968年対談もしています。

大藪春彦さんは狩猟が趣味であり、1973年(昭和48年)にはオーストラリアのダーウィンで、ワイルド・バッファロー43頭を射殺し、「ハリー・ザ・キラー」の異名をとったそうです。

この狩猟の趣味から銃に関する豊富な知識もあり、数々の作品に盛り込まれていた様に思われます。

大藪春彦の代表作

シリーズとしての作品も多く残されている大藪春彦さんの小説の中から、代表的な作品を選んでみました。

激しいアクションや暴力を描くエンターテインメント作品が多いことが特徴的でもある大藪春彦さんの小説。

さっそく振り返ってみたいと思います。

野獣死すべし

『野獣死すべし』(やじゅうしすべし)は、大藪春彦の小説。1958年(昭和33年)に早稲田大学の文学同人雑誌『青炎』創刊号に掲載、同年に『宝石』誌に転載された。1959年(昭和34年)には仲代達矢主演にて映画化され、その後にも数回、映画化されている。
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大藪春彦さんの代表作でありシリーズものである『野獣死すべし』は、第一作目から上昇志向と復讐を動機とする主人公の個人犯罪がストーリーとなっていました。
しかし、第五作目以降は国家エージェントへと変わっていきます。これは当時大ブームであった007の内容を盛り込む様に編集サイドから要求があったものとみられます。

アメリカのCIA、ソビエトのKGB、韓国のKCIA、北朝鮮情報機関、イスラエルのモサッドやマフィアなどの組織と対決するハードボイルドな内容には痺れた読者も多かったのではないでしょうか。

映画版 野獣死すべし

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『野獣死すべし』は何度か映像化されており、映画化第一作は1959年の仲代達矢さん主演でした。

上の画像は1980年に映像化された時のジャケットであり、主演は松田優作さんでした。皆さんはこの1980年の映画が特に懐かしいのではないでしょうか?

主人公の伊達邦彦は小説版と映画版では人物描写などに差異があった為、大藪春彦さんから批判された経緯があります。
松田優作さんは役作りの為に10kg以上減量し頬がこけて見えるようにと上下4本の奥歯を抜いたそうですが、大藪春彦さんはタフガイをイメージしていたそうです。

松田優作さんの役者としての強い思いが感じ取れるエピソードでした。

蘇える金狼

『蘇える金狼』は1962年(昭和37年)から1964年(昭和39年)にかけて、週刊アサヒ芸能ににて連載された大藪春彦さんの小説で、その後「野望篇」「完結篇」と続く大ヒット連載小説でした。
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主人公の朝倉哲也は株式会社東和油脂に勤める29歳のサラリーマンという設定であり、上司や同僚からの信頼が厚い、真面目で実直な社員ではあるものの、野望を抱いていました。
私腹を肥やす重役達を目の当たりにして、自分もそうなろうと2年の歳月をかけて準備をしていくというストーリー。

上昇志向や野望、野心を持った男の生き様が描かれており、多くの方が自分と重ねて熱くなったのではないでしょうか。

映画版 蘇える金狼

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