歴代海上自衛隊【主力潜水艦SS型】を調べてみましょう!
2017年3月22日 更新

歴代海上自衛隊【主力潜水艦SS型】を調べてみましょう!

退役した過去日本の海を守ってきた通常動力型潜水艦 (SS)たち。海上自衛隊発足時から2000年代まで活躍した、深海の中での見えない防衛戦を実は戦っていたそうです。もちろん攻撃を仕掛けたり、かけられることはなかったのでしょうが、その情報戦ともいえる行動は「見えない戦争」ともいえるのではないでしょうか

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はじめに

1951年(昭和26年)10月19日、吉田茂内閣総理大臣と連合国軍最高司令官(SCAP)マシュー・リッジウェイ大将の会談において、フリゲート(PF)18隻、上陸支援艇(LSSL)50隻を貸与するとの提案が正式になされ、吉田首相はこれをその場で承諾した。そしてこれらの船艇受入れと運用体制確立のため、内閣直属の秘密組織としてY委員会が設置されて検討にあたった。Y委員会の委員は旧海軍軍人と海上保安庁職員より選任されており、また、アメリカ側とも密に連携していた。Y委員会での検討の結果、これらの艦艇は、他の巡視船艇とは別個に、海上保安庁内に設置される専用の部局で集中運用されることとなり、サンフランシスコ平和条約発効直前である1952年(昭和27年)4月26日、海上警備隊が設置された。
これが実質的な海上自衛隊の前身となりました。第2次世界大戦終戦後、武装放棄させられた海軍について海軍大臣米内光政は解体される海軍の再建を軍務局長保科善四郎に託していたようです。
海上自衛隊旗

海上自衛隊旗

海上自衛隊(かいじょうじえいたい、略称:海自(かいじ)、英語:Japan Maritime Self-Defense Force、略称:JMSDF)は、日本の自衛隊のうちの海上部門にあたる組織である。また、官公庁の一つであり、防衛省の特別の機関の集合体である。諸外国からは、英語:Japanese Navy(日本海軍の意)に相当する語で表現されることがある
潜水艦隊編成以前の海上自衛隊の潜水艦部隊は、第1潜水隊群(呉市)と第2潜水隊群(横須賀市)が自衛艦隊隷下に編成上並列としてあり、潜水艦の作戦運用は群司令部相互間により調整を実施しており、指揮・運用が二元化されていた。そのため、両潜水隊群の上位組織として潜水艦隊が設けられることとなり、「防衛庁設置法等の一部を改正する法律」(昭和55年11月29日法律第93号)により、1981年(昭和56年)2月に新編された(本改正と同時に曹長等の階級が新設された)。
潜水艦隊 Fleet Submarine Force

潜水艦隊 Fleet Submarine Force

創設 1981年(昭和56年)2月10日
兵種/任務/特性 潜水艦部隊
人員 約1,800人
所在地 司令部:横須賀基地船越地区
上級単位 自衛艦隊

くろしお型

(元ガトー級潜水艦ミンゴ)

(元ガトー級潜水艦ミンゴ)

排水量 基準 1,526t
満載 2,400t
全長 95.1m
全幅 8.3m
吃水 4.6m
機関 水上用HOR製ディーゼル × 4基
水中用エレクトリックモーター × 4基
推進 ディーゼル推進、4翼2軸推進
出力 水上 6,500PS
水中 2,740PS
速力 水上 20.3kt
水中 8.8kt
潜航深度 91m
乗員 80名
兵装 25口径127mm砲×1門
533mm魚雷発射管 × 10門
(艦首6門、艦尾4門)
探索装置・その他装置 潜望鏡
くろしお(SS-501)

くろしお(SS-501)

就役 1955年8月15日
退役 1970年8月15日
その後 アメリカ海軍に返還
『潜水艦イ-57降伏せず』『太平洋の翼』など、60年代の戦争映画にも、旧海軍の潜水艦役で数多く"出演"している。また小沢さとるの漫画・サブマリン707に登場する主役潜水艦の「SS-707うずしお」のモデルになる。
艦名(型)くろしお型
就役年 1955-1970年
同型艦 くろしお (SS-501)
注釈 旧ガトー級潜水艦「ミンゴ (Mingo)」

1954年に海上自衛隊が発足したわけですが、四方八方を海に囲まれた島国日本は対潜訓練はとても重要なものでした。それまでは訓練時にはアメリカ軍の潜水艦を派遣してもらっていたようですが、とりわけシーレーン防衛の必要性が高まる中、自国の訓練艦が必要に迫られていたようです。そこでアメリカ軍に貸与という形でこの艦を訓練に使用するという経緯だったそうです。それにしても就役、退役ともに8月15日とは象徴的な日付を選んだものですね。

おやしお型

 (1845602)

排水量 基準 1,150t
満載 1,424t
全長 78.8m
全幅 7.0m
吃水 4.66m
機関 川崎/MAN V8V22/30mMALディーゼルエンジン × 2基
富士電機 SG-1発電機 × 1基
東芝 SM-1電動機 × 1基
湯浅 SCA-45蓄電池 × 480個
推進 ディーゼル・エレクトリック方式、スクリュープロペラ×2軸
出力 水上 2,700PS
水中 5,900PS
速力 水上 13kt
水中 19kt
潜航深度 150m程度
乗員 65名
兵装 55式533mm魚雷発射管 × 4門
レーダー US-SS-2水上
ソナー 試製56式B探信儀1型JQS-1
試製56式B聴音機1型JQO-1
探索装置・
その他装置 56式1型10m潜望鏡
56式2型10m潜望鏡
電子戦・対抗手段 AN/BLR-1電波探知装置
その他 米軍式シュノーケル
自動懸垂装置
おやしお (SS-511)

おやしお (SS-511)

計画 昭和31年度計画
発注 1956年
起工 1957年12月25日
進水 1959年5月25日
就役 1960年6月30日
除籍 1976年9月30日
最後 1977年3月、古沢鋼材で解体
艦型は伊二〇一型潜水艦を参考にして、当時としては画期的な正面断面積が小さくスリムなものとなった。ただし船体構造については、伊二〇一が内肋骨式を採用していたのに対し、本艦では船底部のみを単殻式としたサドル・タンク式の半複殻型とされた。耐圧殻にはSM52高張力鋼(降伏耐力30 kgf/mm2)が使用され、溶接により建造された。なお、上甲板にはチーク材がすのこ状に張られているが、これは海自潜水艦が木甲板を採用した唯一の例である。
艦名(型)おやしお型
同型艦数 1隻
就役年  1960-1976年
同型艦  おやしお (SS-511)
注釈   戦後初の国産潜水艦。艦型は伊二〇一型潜水艦似

旧海軍では200隻以上の潜水艦を建造し、運用していたのですから国産化には自信もあったでしょうし、技術力はアメリカ軍などに視察に赴き向上を重ねていたのだと思います。それでも戦後25年の時間を経て初めての国産潜水艦完成に漕ぎつけることになるとは随分と時間がかかったんですね。

はやしお型

 (1845607)

基準排水量 750トン
水中排水量 930トン
全長 59m
全幅 6.5m
吃水 4.1m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式
・三菱神戸/ズルツアー6LDA 25B
 ディーゼルエンジン(450ps)×2基
・富士電機 SG-2発電機×2基
・三菱電機 SM-2電動機(1,150ps)×2基
・湯浅 SCA-36W蓄電池×240個
推進器 スクリュープロペラ×2軸
速力 水上:11 ノット (20 km/h)
水中:14 ノット (26 km/h)
航続距離 4,000海里(10ノット巡航時)
乗員 40名
兵装 HU-301 533mm魚雷発射管×3門
レーダー ZPS-2 対水上捜索用[1]×1基
ソナー JQO-3 聴音機×1基
JQO-4 聴音機×1基
JQS-2 探信儀×1基
電子戦・対抗手段 ZLR-1 電波探知機一式
はやしお (SS-521)

はやしお (SS-521)

建造期間 1960年 - 1962年
就役期間 1962年 - 1979年
同型艦
はやしお(SS-521)
わかしお(SS-522)
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