『ミッドナイトラン』(監督:マーティン・ブレスト、1988年)のみどころ&魅力を語り尽くす!解説・レビューや見せ場まで一挙公開!~
2019年10月11日 更新

『ミッドナイトラン』(監督:マーティン・ブレスト、1988年)のみどころ&魅力を語り尽くす!解説・レビューや見せ場まで一挙公開!~

『ミッドナイトラン』という映画を知っていますか? 本作はマーティン・ブレスト監督により制作されたコメディ映画で、あのロバート・デ・ニーロが主演という、珍しいほどの痛快喜劇に仕上がっています! ストーリーではチャールズ・グローディンという大俳優の共演もあり、ユニバーサル映画史上でも「最高傑作」と謳われるほどのテイストになっています。下地はコメディ&ヒューマンドラマそのものです! 今回はこの『ミッドナイトラン』に散りばめられたあらゆる魅力・みどころ・解説を、一挙公開の形でご紹介していきます!

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【本作の魅力!その7】:FBIの間抜けさ加減

FBIはずっとセラノを逮捕したがっています。
でもいつも逃げられます。

そこでFBIはジャックに目を付けます。

ジョナサンを連行したとき、「おとりとして泳がしているんだからジョナサンを勝手に連れて行かれては困る」とジャックに詰め寄ります。

何年もかけた用意周到な計画を立てても、いざ実戦に入るとなると間抜けな側面ばかりを見せてしまうFBI!

ジャックとFBI警部補・モーズリーとの滑稽なやり取りは、きっと最後まで笑わせてくれるでしょう。
追跡のために自家用ジェットを飛ばしたり、いつもジャックの先回りしてジョナサンの行方を押さえようとしますが、FBIはどの場面でも一歩遅いのです。

そのあり方が「なんで?」言わざるを得ないほど「痛快コメディ」を引き立てます。

【本作の魅力!その8】:コメディタッチから感動の演出が

本作はアクション・コメディですが、そのストーリー子には「なかなか複雑なヒューマンドラマ」が隠れています。

ジャックにはジャックの、ジョナサンにはジョナサンの、それぞれ真剣に考えるエピソードがあり、また悲劇・喜劇を奏でられる「現実ドラマ」のようなものが見え隠れします。

ジャックはバツイチですが、まだ元妻に未練があります。
そのせいで次の恋愛に踏み込めず、今でも妻の帰りを待っている様子がアリアリです。

それを見兼ねたジョナサンは、
「奥さんはきっと帰って来ないと思うよ。未練を断ち切って、次の恋愛を目指すべきだよ」と優しく問いかけます。

こんなコミュニケーションをメインに引き立て、彼らはコメディタッチで脚色しながら感動を引き出してきます。

ラストシーンでのジャックとジョナサンと2人の抱擁のシーンは、サラッとしていながらも実に味わい深い感動を与えてくれるでしょう。

【本作の魅力!その9】:「来世で会おう」

このセリフはジョナサンとジャックの間で交わされる親友との挨拶のようなフレーズです。

逃避行中にジョナサンがジャックに1度このセリフを言います。
ジャックはそれを受けてしんみりした表情でいました。

段々と心の触れ合いを通じ、親友になっていく2人ですが、その報酬はラストシーンで結実されます。

この「来世で会おう」のセリフの本意は、現世の自分たちの立場があまりに違うため、来世ならやり直せるだろうというような、現世はあきらめるけれども「友人同士でいよう」という熱い友情を秘めた言葉のようです。
とても深みのあるセリフで、これをもって締めくくられる本作のラストシーンは、まるで映画の枠を越えているようにも見えるでしょう。

『ミッドナイトラン』の魅力は語っても語り尽くせない、重厚でバラエティに富んだ深みがあります。

ですのでぜひ、ご自分の目と感覚で本作を鑑賞し、その醍醐味の全てを直接感じ取ってみて下さい!ストーリー中の列車の中で出て来る「ジャックがずっと身につけている〝時計〟のエピソード」も深いです。

【本作のみどころ!その1】:「手を耳の後ろで、ん?そうだ」

これはみどころというか、何気に仄々してしまうシーンになります。

ジャックがジョナサンの家に侵入し、ジョナサンを連行するために捕まえるシーンです。

拳銃で威嚇しつつジョナサンを捕まえようとするジャックは、

「手を頭の後ろで組め!組むんだよ!早く!」

とジョナサン怒鳴ったところ、なかなか動きが鈍いジョナサンをもう1度叱りつけます。

しかし2度目に言い終える前、ジョナサンがちゃんと言うことを聞いて手を頭の後ろで組んだので、「ん?…そうだ」と気を抑えられてしまったジャックの様子は、なんとなく珍妙な様子を醸してしまいます。

【本作のみどころ!その2】:「それは残念、でも私は君が好きだよ」

ニューヨークのジョナサンの自宅から最寄りの空港までジャックと同行するシーンで、ジャックに連行されながらのジョナサンのセリフです。

ジャックは通称「デューク」と名乗るジョナサン〟をなぜだから毛嫌いしますが、嫌われた本人ジョナサンは、ジャックのことを好きだと言います。「友人として好きだ」と言うジョナサンに、ジャックも拍子抜けしてその後も調子が揮いません。

この頃から2人仲は険悪ながらに絆を持ち合い、一緒にマフィアから逃げ回る中でも常に互いのことを心配します。

このシーンも、とても仄々としたほっこりとしたワンシーンで、ぜひ本作の隅々まで楽しみたい人は、このような細かい細かい描写を愉しんでみるのも良いでしょう。

【本作のみどころ!その3】:マービン、堂々の登場!

ジャックとともにエディに雇われている賞金稼ぎのマービンですが、マービンは常に「自分がベスト!」と思っているうぬぼれ屋です。

しかし「いつか必ずジャックを出し抜いてやる」との暗躍ぶりがなぜか珍妙。

いつも必ず間抜けな1面を持ち合わせており、逆にジャックに出し抜かれがちで、獲物を横取りしようとしても失敗ばかり…。

ジャックと同様にエディに「ジョナサン連行」を依頼されたマービンは、自力でジャックが乗っている列車を割り出し、その列車に乗り込んでジョナサン奪回を計ります。

いい線まで行くのですが、お約束のように逆にジャックに取り押さえられ、あげくにFBIに突き出されてしまいます(これはぜひ本作でお楽しみ下さい)。

もう1つののおススメシーンは、赤土が広がるグランドキャニオンでのジョナサン奪回のシーン!

ジャックがジョナサンを連れてFBIから逃げる際、カーチェイスの果てに遠い田舎まで来てしまいます。
ですがジャックは結局乗っていた車を大破させてしまい、あとはヒッチハイクで逃げ切ろうと踏ん張ります(もちろんジョナサン込みで)。

そこに現れたのがマービン!

ここで初めてジャックを出し抜けたとイキイキするマービンは、得意になってその後の展開でもはつらつです。しかしまたしてもここでお約束のオチがあって…。

【本作のみどころ!その4】:ジャックにブラフをかけるジョナサン

ジョナサンはジャックに「飛行機恐怖症」と自称し、「自分は飛行機に乗れないから別の乗り物でロスまで連れて行ってくれ」とジャックにお願いし、その変更した乗り物は列車でした。

この「飛行機恐怖症」というのはストーリー中後半まで引きずり、ジャックは「ジョナサンは飛行機恐怖症」と疑うことなく信じてしまいます。

しかしそのジョナサンは、逃避行の途中で立ち寄った田舎町で、そこにあった自家用ジェットで逃げていきます。しかも自分で運転して。それを見て怒り心頭のジャック!

「この野郎!よくも騙しやがったな!怖いどころか、まさか操縦までできるとはな!」

とジャックは怒りながらも慌ててジョナサンを追いかけていきます!

このシーン視聴者にとっても1番面白い場面に映るのではないでしょうか?!ぜひそれまでの経過と合わせ、この2人の憎めない珍妙さ加減をお楽しみ下さい!

【本作のみどころ!その5】:ジャック・ジョナサン・マービンの逃避行!

ストーリーの後半では、ジャックとジョナサンはマフィア・セラノの手下に追いつめられていきます。そこにマービンが登場し、ライフル銃でトニーとジョーイを威嚇しながら2人に近づき、あげくトニーとジョーイをライフルで殴って気絶させます。

さらにジョナサンだけを連れて逃げるはずでしたが、ジャックはあらかじめジョナサンに手錠をはめて自分と離れられなくしてしまい、その手錠の鍵はジャックによってわざと溝の中へ放り込まれました。

つまり「一蓮托生」という形で、マービンは仕方なくジャックとジョナサンを連れて自分の車に乗り込みます。
ここから始まるマフィアとの死闘!

ジャック、ジョナサン、マービンの3人は車で何とか逃げきりますが、マフィアはあらかじめチャーターしておいたヘリコプターでさらに追撃します。
このシーンでの絶妙なカーチェイス・争奪戦は、観ていて十分ハラハラドキドキさせられるリアルな展開に仕上がっています。
車中での3人のしゃべりも実に珍妙!
ぜひ面白すぎるこのシーンもお楽しみ下さい!

【本作のみどころ!その6】:セラノが間抜けな形で捕まっちゃう!

マフィアの大ボス・セラノは、FBIとジャックの協働作戦にて、空港で捕獲されてしまいます。それもジャックによる「過去の犯罪を記録したディスク」をエサに捕まるという、なんとも間抜けな幕引きです。

それまでに見せて来たセラノの〝マフィアとしての迫力ある1面〟も、このシーンを観たらバラエティに変わってしまうでしょう。

しかしこの場面が本作の(アクション中の)クライマックス場面。

シリアスな展開をもって、マフィアとFBIとの巧妙なかけ引きが見どころです。
加えてジャックの痛快なブラフも冴え渡り、マフィア顔負けの迫真の演技は、アクション・コメディ映画の醍醐味とも言える絶妙な場面に演出されます。

この一風違った感動極まる痛快な場面をぜひお楽しみ下さい!

【本作のみどころ!その7】:不思議なジャックとジョナサンの別れの場面

ジャックはジョナサンを連れ、エディとの約束通り、5日が過ぎる数時間前にロサンゼルス空港に到着します。

そこでジャックはエディに電話をかけ、「ジョナサンをこれから逃がすところだ」と本音を打ち明けます。

「なんで連れて来ないんだ!?」と怒るエディを無視してそのまま電話を切り、「約束の時間までに来れたからいい」と感動的なセリフをジョナサンに告げます。
感動したジョナサンはジャックに「伝えたい事があるんだ」と、1度立ち去ろうとしたジャックを呼び止めます。

ジョナサンの懐から出てきたのはなんと数百ドル紙幣!それを餞別にとジャックに持たせます。
ジャックの人柄を初めから好んでいたジョナサンは、もうすっかりジャックを信用し、ジャックを自分の親友として認めました。

ジャックの方も、ジョナサンの底なしのお人よしにほだされ、ジョナサンのような友人を心からほしいと願うようになります。
そのような背景をもっての2人の別れ。2人は最後に、
「来世で会おう」
ともう1度確認し合い、お互いの生活場所へ帰って行きます。

ジョナサンと別れてからすぐに、もう1度ジャックはジョナサンの方を振り向きますが、もうジョナサンはそこにいません。まるで不思議のような感覚に、ジャックは何となく空港から出ていきます。

ここまでのやり取りに、本作のストーリーに詰められた渾身の魅力が表れているように思われます!
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