見た目も性格もパッとしない典型的「いじめられっ子」である主人公・浦見魔太郎。毎回様々な人物からいじめを受けるが、どうしても許せない行き過ぎたいじめや悪行に対しては自身の持つ超能力「うらみ念法」やオカルトアイテム、残虐な手段をもってして夜な夜な復讐しにまわる。 毎回「袋」・「ロープ」などさまざまなアイテムが登場しており、魔太郎はそのアイテムでいじめを受けるが、終盤で魔太郎がそのアイテムを使用した復讐を展開するというコンセプトで描く、陰湿な人間の心の側面を描いたサスペンスフルな怪奇ドラマとなっている。
藤子不二雄Ⓐは本作について『自分がいじめられっ子だったこともあるのですが、いじめられっ子が実は凄く強くて、やられた相手に大逆襲するような作品なら面白いだろうと思ったのが本作の出発点です』と語っているように、全国のいじめられっ子のうっぷんを代弁し、それを豪快に晴らしていくカタルシスに満ちた作品である。
主人公:浦見魔太郎(うらみ またろう)
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友愛学園中等部に通う中学生。小柄で風采が上がらない眼鏡キャラクター。普段は温厚かつ気が弱いゆえにいじめっ子から理不尽ないじめを受け、悪人から騙されたり利用されたりする。しかし超能力「うらみ念法」の使い手で、魔王サタンと契約しており、相手を不可思議な力で心身両面を破滅に追い込み恨みを晴らす(魔力を復讐以外の目的で悪用したり、善良な他者を虐げるためには使わない。また「必殺シリーズ」「怨み屋本舗」のように、依頼を受けて他者の復讐を代行するといったことも行わない)。上記の通り現在ではカットされているが、雑誌掲載時や初期単行本では殺人や直接的に相手を傷つける行為を何度も犯している。
ヒロイン:南由紀子
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魔太郎のクラスメイト。美人で本作のマドンナ的存在である。サバサバした性格でいじめとはする方もされる方も縁遠い。日陰者である魔太郎を気遣い、彼をかばうこともあるが、周囲の言い分に負け見捨ててしまうことも多い。また彼女がかばった結果、余計魔太郎がいじめられるという事態の悪化を招くこともある。しかし、魔太郎の数少ない味方であることに間違いは無いためか、魔太郎は彼女を誘導した人物のみに復讐する。いとこが数人いるが、1人を除いた全員が魔太郎の「うらみ念法」の餌食となった。学校に行くときはよく黒のブレザーを着用。由津子という2~3歳くらいの妹がいる。
魔太郎のライバル?:阿部切人(あべ きりひと・きりと)
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浦見家の隣に引っ越してきた一家の子供。3歳。可愛らしく素直な幼児を装っているが実は魔太郎に匹敵するかそれ以上の魔力を持っており、性格は陰湿で残忍。魔太郎とはお互いの秘密を共有しており、腹話術やテレパシーなどで会話をし、本性を曝け出している。彼もまた「いじめっ子」であり、執拗に魔太郎をいじめ、罠にはめようとする。一方で魔太郎が誘拐に遭った際には助けるなど、憎めない一面もある。また閉所恐怖症という弱点も持っている。由紀子の妹・由津子に恋しており、顔を見ると興奮の余りおもらししてしまうほどである。最終エピソードで親ともども正体が判明する。一般的に名前の読みは「きりひと」だが、正確には「きりと」であると本人が断言している。魔太郎の友達というより腐れ縁に近い存在。
強烈エピソード①:ゴミはふくろにしまつしよう
魔太郎の黒い手帳に興味を抱いたクラスメートの猿彦タツオは、
道端に座り込んでいたフーテン2人組を金で雇い、魔太郎の手帳を奪おうとする。
魔太郎を殴り倒し、カバンをあさるフーテンたち。
隙を見て逃げる魔太郎だったが、フーテンのひとりが家を嗅ぎ付けてやってきた。
ママを脅迫し金をせびるフーテンについにキレる魔太郎。
その夜フーテンをゴミ捨て場に呼び出し、ビニール袋に閉じ込めてバットで撲殺する。
翌朝、ゴミ捨て場には袋詰めの死体が転がっていた・・
一方、何も知らない猿彦は魔太郎を挑発するのだった。
強烈エピソード②:鉄のキバがひきさいた夜
朝寝坊してしまった魔太郎。ギリギリセーフで教室に駆け込むが、席にイスがない。
イジメっ子の梶木と佐土が魔太郎のイスを隠したのだ。
中腰の姿勢のままで耐える魔太郎。見かねたクラスメートの南由紀子が
そのことを先生にいいつけたため、梶木と佐土は職員室でタップリとしぼられることに。
ふたりは由紀子を逆恨みし、紐をつないだ釣り針を由紀子のスカートにひっかけて恥をかかせてやろうと画策するが、
魔太郎に邪魔されて失敗に終わる。ふたりは魔太郎を脅し、由紀子の前でズボンとパンツを下ろさせるのだった。
その夜、由紀子名義の偽ラブレター(魔太郎、何気に達筆)でふたりを工事現場におびき寄せた魔太郎は、
シャベルカーでふたりを殺してしまう。
次の日、何事もなかったかのように作業の続く工事現場を、陸橋の上から眺める魔太郎の姿があった。
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強烈エピソード③:おぼれ方教えます
パパとプールに来ていた魔太郎は、元オリンピック選手で、
現在はスパルタ主義のスイミングスクールのコーチをしているという鮫沢に出会う。
泳げない魔太郎は、彼の主催する特訓合宿に参加することに。
しかし、合宿先で鮫沢は次第にその醜い本性を露にしていく。
部屋に飾ってあった金メダルを触った魔太郎をプール(かなり深い!)に投げ入れ、
助けを乞う魔太郎を「きさまみたいなイジイジしたやつは わしが一番きらいなのだ!!」と足蹴にするのだった。
魔太郎のうらみが炸裂する!